ずーっと探していて、ついにGETしました。
動作品、状態は良品(らしい)、入札で競り合ってしまったので、少し無理してしまいました。
しかし、なかなかオクでも出てこないので、ねばりました。
姉妹機のKENWOOD L-03DPのことは、いろいろとご紹介してきました。
1982年10月に日本国内で各メーカーがCDPの初号機を一斉に発表したわけですが、東芝は当時関係の深かったKENWOODへOEMしたというのが顛末です。
XR-Z90はこのほかに、ALPINE/LUXMANへもOEM提供されたようです。(海外向けモデル)
LUXMAN DX-104
http://www.thevintageknob.org/luxman-DX-104.html
ALPINE AD-7100
http://vintage-audio-laser.com/Alpine-AD-7100
これらを見る限り、筐体はXR-Z90そのままにブランドと若干のパネルデザインに手が加えられていますが、中身はほぼ原形のままのように思えます。
L-03DPはΣドライブという同社の独自技術が盛り込まれているので、若干回路は違うかもしれません。
これでCDP黎明期のモデルは打ち止めか?w
あとはNEC CD-803、ONKYO C-700も興味ありだけど、なにせまともな個体が少なすぎ入手困難です。
当時、国内メーカーは協力してパーツの製造、供給を進めたそうです。レンズはオリンパス、ピックアップダイオードはSHARP、LSIは富士通、その他半導体は東芝等々。
ほとんど全てのパーツを国内で調達できた当時の日本の技術力、製造技術は世界でも有数だったのでしょうね。
2016.06.25
さきほど到着。一昨日に落札してからあっという間に届きました。
こちらも代金の振り込みは即だったものの、相手もレスポンスが良く気持ちよい取引になりました。
早速、開封。
とても丁寧な包装で好感度アップ!
こういったところの養生も気が利いていて嬉しいですね。
出品者の心遣いがわかります。
外観を一通りチェックしてみましたが、大きなキズやヘコミもなく、底板もキレイです。
全体的に丁寧に使われてきた印象。
通電する前に、いきなり開腹www
あ、いや、もちろん目的があってのことです。で、天板をはずすネジを見るとキズが見当たらなく、
緩める時も少しきつめのトルクをかけないと開かなかったので、未開封の個体の可能性大です。
放熱対策のためホコリの入りやすい構造になっているんですが、中身も非常にキレイです。
見渡す限り、電解コンデンサの状態もよさそうです。
古いコンポはいきなり通電は怖いので、一応、目視確認したうえで進めます。
で、サーボ回路基板の入り口の電圧を測定します。
電源基板側のレギュレータに異常がないかがこれでチェックできます。
電源ONで+15Vは正常。
つづけてCDをセットし、
モーターが駆動するタイミングで大きな電圧変動が起きないかもチェックします。(正常)
このシリーズは何回もメンテナンスしているので、まずはここまで確認できればOKと思います。
L-03DPの上に積み上げてみましたwww
他のサイトでこの2台を所有している方がいて、
2ショットが萌えだったので是非やってみたかったのですw
全幅は、XR-Z90のほうが若干狭いです。
ボタン、スイッチは配置が異なりますが機能的には同じです。
トレイの窓が大きめなのでプレイ中はCDがクルクル回っているさまが良く分かります。
パネルデザインもスッキリしていますね。
一部、スイッチの接点不良がありそうです。これは操作しているうちに回復すると思います。
CDをセットしていよいよ試聴します。
L-03DPと比較してTOCの読み取りが速く、軽快です。仕様の差ではなくて劣化度合いの違いでしょう。
ということで、とても良品でした。応急処置も不要。
肝心の音の違いは・・・
まだ通電して間もないのでもう少しエージングを進めますが、印象としてはL-03DPより中低域の厚みがある感じかな。
もう少し聴いたうえでまた、感じたことを書きます。
しかし、2台電源入れてると100W
ちょっとしたアンプやん! (^^;
エージングを続けています。
L-03DPと音が違うという評価がありますが、正直違いがよくわかりません。ww
そんなに違うかなぁ、耳が悪いだけ?
そういう意味では期待はずれかも。
ちなみに、電源回路のレギュレータは予防措置的に交換しました。
DAC-ICはCX890ではなくCX20017でした。(後期型)
ピックアップの調子も良いので、この個体を活かすべくオーバーホールを行いたいと思います。
不具合情報
・可変出力のボリュームにガリ
・電源OFF時のPOPノイズ
どちらもアナログ基板側の不具合なので、基板引っ張り出すの大変だなー。
やっぱりリレーの接点洗浄など必要かもしれないです。
2016.06.27
2,3日、L-03DPとの比較をしていますが、正直、大きな違いは見いだせないです。
若干、低音域についてXR-Z90が豊かかな、というくらいでしょうか。
同じような回路構成なんですからやっぱり似たような音というのが順当ではないかと思いました。
一方、SONYのCDPとは音の傾向は違います。
SONYのほうが全体的に中高音寄りで、クラシックよりもPOPSなどに合っています。
これは音作りの方向性の違いといえましょう。
初代CDPの開発は、各社技術的な試行錯誤の連続だったとのこと。
当時の比較対象は、アナログLPだったでしょうし、これにどこまで近づけるかどうか、
オーディオ愛好家にCDという新しいメディアが受け入れられるかどうかが商業的な成功を勝ち得るか
どうかのカギを握っていたんだと思います。
各社、技術力というメンツをかけて、コストを度外視してこの新しい媒体を世の中に広めることに必死だったんでしょうね。
そう思うと、彼ら先達の努力に尊敬の念を抱かざるを得ません。
2016.07.04
今のところ特段不具合はないものの、オーバーホールを進めることにしました。
まずは、電源部まわりからのパーツ換装を進めます。
レギュレータ、電解コンはもとより、整流用のブリッジダイオードも交換することに。
パーツの調達はやっぱり若松通商。
2016.07.10
地道にメンテナンスを続けています。
ピックアップ回路の電解コンの交換。
そして、電源部もブリッジダイオードなど一通りのパーツ換装が終わりました。
ちょっとわかりにくいですけど。
と、先日L-03DPに施したように、アナログ出力段のオペアンプも入れ替えることに。
LF353Nを買っておいたので、ソケットつけて・・・
と、思ったらこっちのオペアンプはTL072がついていました。
ロットの違いとは思いますが、まさかオペアンプまで違うとは!
これじゃ音が違って当然ですね。
ま、無視してLF353Nにつけかえましたけどw
こちらのほうが全体的に中低音寄りに重心が下がって落ち着いた雰囲気になりました。
あとはサーボ回路、アナログ回路をどうするかです。
電解コンなどはできるかぎり交換してゆくつもりです。
2016.07.16
サーボ回路の電解コン換装完了。
約40個のコンデンサを交換、ちかれたー!
と、
この作業、L-03DP、L-03DP(2号機)とやってきたので、
今回で3回目(爆)
種類が多いので、秋月に買い出しに行くたびにレジのバイトのお兄ちゃんが仕分けですごい時間かけてくれてホント申し訳ないw
アナログ回路は現在、回路図とにらめっこ中。
出力リレーの交換パーツは絶望的。
接点洗浄しか手はなさそう。
基板が2階建ての1階部分なので、アクセスもしにくい。
とはいえ、構想中。
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購入金額
0円
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購入日
2016年06月24日
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購入場所
ヤフオク
ステレオ時代さん
2018/05/17
随分前のレビューにいまさら申し訳ございません。
A-10SGもお作りいただいたようでありがとうございます。
今回はPCM-F1のDAC、CX890のことを調べていてヒットしました。
そうとう80年代のオーディオに造詣が深いお方とお見受けいたしました。
こんな本を作ってますが、根っからの文系なので、とても参考になります。
今後とも濃いレビューをお願いします。
mr_osaminさん
2018/05/17
ここ最近は多忙のあまり、ZIGSOWへもめっきりアクセスしていませんでした。
まさか、あの「ステレオ時代」さんから直接コメントをいただけるなど、光栄です。
A-10SGも愛用しております。素晴らしい企画だと思います。
80年代のオーディオは本当にコストがかかっていて、パーツもとても良質です。
コンデンサなど予防交換していますが、容量抜けはほとんどありません。
もうあの時代の品質であの値段ではメーカーも製造できないと思います。
>こんな本を作ってますが、根っからの文系なので、とても参考になります。
気に入った特集があれば、今も購入させていただいています。
これからもいろんな特集を組んでいただきたいと思います。