レビューメディア「ジグソー」

赤いバケツのバレンタイン 半世紀を経て 今も完動品です

1969年に発表されたイタリア・オリベッティ社製の英文タイプライターです。

 

「手動のタイプライターなんて、古い映画でしか見たこと無いよ。」と仰る方が多そうですが

 

当時はTVCMが流れていたんですよ。

 

 

当時は小学生でしたが、「真っ赤なバケツのバレンタイン」というキャッチコピーは覚えています。

 

タイピストという職業が広く社会に存在した時代です。

 

 

 

この個体は1975年に日本で購入した正規品です。

更新: 2024/07/12
ガチレトロ指数

ノーメンテナンス 半世紀を経て完動品

ZIGSOWさんでは現在

 

レビューの視点に「ガチレトロ指数」が使われたレビューを募集しています。



「親の世代のモノだが思い入れが強くて捨てられない」

 

「子どもの頃から捨てずに保管している」

 

「子どもの頃に憧れていたグッズを大人になって集め始めた」

 

「“昭和・平成レトロ”なもの持ってます!!」など、

 

レビューの視点「ガチレトロ指数」に関連するレビューを応募した上で

 

ZIGSOWラウンジの1コーナー「今週のコレクション」6枠に採用されると、

 

1人2,000円分のAmazonギフト券がもらえるチャンスです!

 


締切は7月21日の日付が替わるまで。

 

 

ガチレトロ指数5点のオリベッティのタイプライター バレンタイン

 

約半世紀前 高校生だった私がブラインドタッチを練習していた愛機。

 

今も完動品ですし インクリボンもAmazonで簡単に手に入ります。

 

ご紹介させてくださいね。

 

更新: 2024/07/12

高校の選択履修科目に「英文・和文タイピング」が存在した時代

私が通っていた府立高校は、普通科・商業科・定時制がありまして、当時としてはとても珍しい

単位制の履修システムが採用されていました。

 

各クラスは普通科・商業科生徒が混在しており、生徒自らが授業の駒に合わせて教室を移動します。

芸術教科は各自が自分の好みで選択可能でしたし、進級するにつれて自ずと文系・理系科目へと徐々に特化します。 

 

数3や物理2を選択しない場合は、履修駒に余裕が出ますので、そこに商業科目や芸術科目を充当できる仕組みでした。

 

HRはクラス単位で行いますが、月曜日の一コマ目から土曜日の4コマ目まで、ずっと同じカリキュラムで移動する級友は0〜3人程度でした。

 

高2でしたか、高3だったか、そのあたりはよく覚えていないのですが、履修駒を埋めるために

英文タイプを選択したんです。

 

和文タイプは、大掛かりな機械を自前で買うことはできません。 

 

印刷屋さんに務める予定もありませんでした。

 

英文タイプを選択したのは、「学校で要るんや」と適当な事を言ってタイプライターを買ってもらおうという魂胆でございました。

 

高校は京都御所と河原町通に挟まれた場所で、

 

近くには移転前の立命館大学や府立医大もありましたので、

 

「タイプライター屋さん(兼)タイプライタースクール」が存在しておりました。

 

担任教師の斡旋を受けて、そのお店に支払ったのは2万円前後だったと思います。

更新: 2024/07/12

伊オリベッティか、仏エルメスか、日ブラザーか?

学校に備え付けられていた練習用タイプライターは、

フランス製のエルメスか、イタリア製のオリベッティでした。

 

学校にはありませんでしたが、日本製ではブラザーのシェアが高かったそうです。

 

覚えているのは仏エルメスの「ふんわり」としたタイピングタッチです。

フォルムも丸みを帯びており、当時のシトロエンにイメージが重なりました。

 

対するオリベッティは、レッテラという商品が主力でした。

こちらはエルメスより幾分締まったフォルムを纏い、そのタイピングタッチは明らかに硬質でした。

 

関係者各位には失礼ですが、ブラザーの製品は最初から眼中にありませんでした。

エルメスも。

 

小学生の時にテレビで目にした「赤いバケツのバレンタイン」が脳裏に焼き付いております。

エットレ・ソットサスの手によるバレンタインの存在感は凄かった。

 

前年に世界デビューしていたジウジアーロの手になるVWゴルフを髣髴とさせる、四角いのか丸いのか単純に決めつけるのを躊躇せしめる、そのデザインの力。

 

赤と黒の間に絶妙に配されているオレンジ。

 

高校生の私が、そのデザインを理解していたとは到底思えませんが、

 

ニューヨークの近代美術館に永久展示されるような工業製品は、

 

多くの市民の財布の紐を緩ませるに十分な力を持っていたという事だと思ってます。

 

買ってもらった以上は、それなりに練習して、秋には英文タイプ4級資格試験には合格しました。

 

役に立つかな? と 当時は思っていましたが、

 

後に実用化された日本語ワードプロセッサを操作するにおいて、

 

既にブラインドタッチを身につけていた事は、本当に良かったと思えます。

 

それは今この時も役に立ってますから。

更新: 2024/07/12
クオリティ感

40年を経て 完動品です インクリボンも購入可能

1990年前後にSONYのワードプロセッサPJ-1000というモデルを購入するまで、このオリベッティは実用に供しておりました。

 

カセットテープのインデックスを製作したり、メニューやポップを誂えたり。

 

リボンは赤と黒の2色だけでしたが、キー操作でリボンを介さず打鍵を打つことが可能なので、

 

ホワイトで修正したり、カーボンコピーを取ったり、工夫しだいでいろいろな役に立ちます。

 

最後にリボンを交換したのは、20年以上前ということになりますが、

 

リールに巻かれていた奥の辺りはなんとか印字可能な状態で保存されておりました。

 

打鍵の調子は悪くありません。 

 

シフトキーやキャプスロックも、

 

紙送りもキャリッジリターンも、マージンセットスライダーも、ペーパーサポートも

 

全て完動状態でした。 ちょっと感動。

 

iMacの浅いキーボードに慣れた身には、

 

オリベッティの機械式タイプライターの深〜いキーストロークに再び慣れるには時間がかかります。

 

ASDF ASDF HJKL HJKL ホームポジションと呼ばれる左右両手に振り分けられた

 

4つのキーを小指から人差し指まで、均等な力で押し込む必要がありました。

 

力に差があると、印字の濃さが目に見えて変わってしまいます。

 

ホームポジションに4本の指を乗せた状態を保ちながら

 

QWERT YUIOP QWERT YUIOP 

 

まで行ったり来たりを繰り返す練習をしていたことを思い出します。

 

動作の様子を動画に納めました。

 

 

タイプライターが効果的に使われている映画で

スティーブン・キング原作 スタンリー・キューブリック製作のシャイニングをご存知でしょうか?

 

ジャック・ニコルソン演じる小説家のジャック・トランスが、ホテルに住み着く悪霊の影響で、徐々に狂ってゆくさまをタイプライターが表現しているんです。

 

ずっと同じ文字を打ち続けるジャック。 その文字は「REDRUM」

 

鏡に写るREDRUM  逆から読むと、、、。

 

 

 

更新: 2024/07/12
デザイン性

MoMA

MoMA ミュージアムオブモダンアートの永久展示品として選ばれたオリベッティのバレンタイン。

 

今も色褪せることなく、機能美を越えた存在感が感じられます。

 

だから、使いみちの無い今も手元にあるのでしょう。 捨てられません。

 

 

 

¥キーが3の上にあるのは、オリジナルモデルの証らしいです。

 

Aキーの左にあるのはキャプスロックキーです。

 

 

 

キーの数に相当する打鍵。 キャプスロックに対応するように大文字と小文字が上下に並びます。

 

あまり早く打つと、打鍵同士が絡まります。

 

都市伝説的ですが、機械式タイプライター全盛時代に決定したQWERTY配列は、

 

キーが絡まらないように、少しだけ打ちづらい文字配列に落ち着いた先の事だとか。

 

 

 

2色リボンを使うと、この小さなレバー操作で文字色を選ぶことが出来ます。

 

真ん中の白位置では、リボンを介さずに印字することになります。 

 

修正シートやカーボンコピーを利用する為の工夫です。

 

 

 

オレンジのキャップを緩めるとインクリボンを外すことができます。

 

今も1,080円でリボンが買えますよ。

 

 

 

昆虫の触角のようなV字パーツは、折りたたみ式のペーパーホルダーです。

 

 

 

その左右にある四角いパーツはマージンセットスライダー。 印字範囲を指定するための部品です。

 

 

 

一般的なタイプライターは、横置きのまま収納ケースを被せるような構造ですが、

 

オリベッティのバレンタインは、赤いバケツ状のケースに挿入します。

 

 

この仕組によって持ち運ぶ事が簡単になりました。 持ち手ハンドルは収納式です。

 

本体は至って元気ですが、バケツ両サイドに付属しているゴム製のストッパーは断裂寸前でした。

 

そのストッパーに隠れる部分に

 

 

 

スペイン・バルセロナで製作された刻印が見つかりました。

 

 

  • 購入金額

    20,000円

  • 購入日

    1975年05月頃

  • 購入場所

    街のタイプライター屋さんから

27人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (16)

  • ぴょんきちさん

    2016/04/12

    REDRUM!!!!!!!!!

    こんなオシャレなものには一切縁がありませんでした…。
    メカニカルなタイプライターの音は心地いいですよね。
    PCのキーボードも本来の趣味はメカニカルキーで深く重いストロークのものなんですが、それはタイプライターへのオマージュだったりします。

    PEANUTS の大ファンなので、SNOOPY が操るタイプライターには小学校に上がる前からあこがれていました。

    高校で初めてタイプライターに触れたときはうれしかったなぁ。
  • タコシーさん

    2016/04/12

    確かにオリベッティのタイプライターCM有りましたね
    憧れでした 私には使い道が無いので憧れだけでした
    たぶん3万円位しました バイトで1200~1600/日 円時代でした
    今だと20万? 輸入品は高かったですね
  • Schrödingers Katzeさん

    2016/04/12

     楽器として使おう!(ぉぃ

     ルロイ・アンダーソンの曲は「忙しいけど充実したオフィスのひとこま」っぽくて好き。
     最後に指揮者の人にサインを貰いに行くのもお約束。

     実物のタイプライターで一番強いイメージはそれだなぁ。
     リズミカルに聞こえるならなかなか心地いい音だったりもするのですが。
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