1ヶ月ほど前、何故か無性に万年筆が気になった。それまで本屋で万年筆が特集されたものを見ても何も感じなかったし、たまに行く本屋の傍に併設された文房具屋だと思っていた店が実は万年筆専門店だったことにも全く気づかなかったほどだ。
それなのに気がつくと、万年筆が欲しくて欲しくてどうしようもないほどの状態にまでなってしまった。理由は今でもはっきりとしないが、とにかく何かを書きたかった。それも万年筆で。万年筆じゃないといけないくらいの勢いでそう信じていた。
最初に買ったのは、ラミーのサファリというドイツ製の万年筆。入門用として有名で、しかも安い。買い物を失敗できる金額だ。買って早々、カートリッジインクが2日ともたなかった(普通に使えば1ヶ月以上はもつ)。これはいける!何がどういけるのか不明だが、もっと良い万年筆を買っても大丈夫、という確信を唱え、このセーラー製プロフィットスタンダードを手に入れた。結論を言うと、人生を大きく変える買い物のうちの一つになった。もちろん良い意味で。
万年筆は敷居が高い、扱いが難しそう、すぐに壊れてしまいそう、たかだかペンにそんな金額は出せない、色んなネガティブな意見を、実際に自分も持っていた。
今になって言えることは、自分の言葉に責任を持って接する最善策は、良いペンを使い、そして良い言葉を選び書き記すことだと思う。SNSの良さもあると思う。でも言い捨てになってしまってはいけない。一度発した言葉はずっと自分の言葉だ。インクがなくなったら使い捨てて新しい別の使い捨てのペンを買うよりも、自分でインクを吸入して使い続けられるもので、しっかりと文字を書く。誤字脱字も楽しめる。そして何より、万年筆は書くのが難しいどころか、字が綺麗になる、ような気がする。
一番のおすすめの使い方は、自分との対話。
自惚れまくれる秘密のノートを、一緒に買うと良い。
文句無し
国内ブランドはどこもそうだが、14金ニブ(万年筆のペン先をニブという)が一万円代前半で買えてしまう。海外ブランドなら2〜3倍以上する。ペン先の細さはメーカーにもよるが極細から太字まで数段階あり、国産は日本語を書くことが前提で作られているので海外のものより細めの文字が書ける。
入門用としても一生モノとしても最高の万年筆。
どこまでも深い青
黒と見間違うほどの深い青。
暗すぎるかな?と思ったが、同メーカー製のインク「青墨」のボトルとほぼ同じ色味。並べるとよく似合う。
このインクは乾くと赤味がかった紫色に光を反射するので、書いた文字が本当に美しい。
脳直結
ペン先が紙の上を走る音、ペン先から伝わる紙の質感、思いついたことをペン先からインクで書き記していく快感。脳のアウトプットとして最高。
より長く使い続けるために
人によっては手間と感じるかもしれないが、各メーカーが推奨している万年筆の手入れはとてもシンプル。
1、できるだけ毎日使う。2、1〜2ヶ月か長くても半年に1回程度ペン先を水洗いする。これだけ。
インクを手動で吸入するコンバーターを使っているのであれば、きれいな水を何度か吸い上げて出すのを繰り返し、時間があればぬるま湯に一晩ペン先をつけておいて水気をよく拭き取り自然乾燥させる。
これだけで子や孫に「万年」残せる品になる。
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購入金額
12,960円
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購入日
2016年03月03日
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購入場所
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