US 3。Jazzy-HipHopの先駆者にしてJAZZの名門Blue Note Recordsの音源の使用許可を持つ(現在は所属を離れているが、本作のあたりは所属もしていた)。DJのGeoff WilkinsonとエンジニアでキーボーディストのMel Simpsonを中心に組まれたバンド(ユニット)で、ブラス隊や複数のラッパーを抱え、JAZZの名盤をサンプリングし、ループし、スクラッチしてCOOLなHipHopに仕立て上げた。
最大のヒットはHerbie Hancockの「Cantaloupe Island」をサンプリングした「Cantaloop (Flip Fantasia) 」でこの作品をトップに据えたファーストアルバム“Hand On The Torch”はBlue Note Recordsで最大のヒット作となった。
それに先立つ本作こそ、Blue Note Recordsに注目されたきっかけとなった作品。
Grant Greenの「Sookie Sookie」をサンプリングした「Tukka Yoot's Riddim」。その名の通り、メンバーのラッパーTukka Yootフィーチャリングの曲でEd Jonesのサックスが差し込まれる。ノーマル版はTukkaの一本調子な?♪Wah, dah dah, dang, dah, dah, da(ワ・ダ・ダ・ダン・ダダ・デ)♪という掛け声と抑揚豊かなEdのテナーサックスの対比が面白い。
「Tukka Yoot's Riddim (Roberto's Riddim)」はRoberto...パーカッショニストRoberto Plaフィーチャリング。もともとこの「Tukka Yoot's Riddim」は音像両端のパーカッションが「立つ」ミックスだが、途中のティンパレスソロと強調されたドラムとリズムオリエンテッドになった曲をパーカッシヴな音色のオルガンが盛り上げる。
EdのソプラノサックスからJAZZYに始まるのは「Tukka Yoot's Riddim (Bu's Riddim)」。リズムは高速4ビートになりくぐもったような音でランニングし続けるベースにかなりスケールアウトしたピアノソロが載り左右チャンネルに時々ブラスなどが断片的に現れると行ったアヴァンギャルドなできあがり。とうてい同じ曲と思えないほどの変貌。
こういった1曲のミックス違いというのはどうしても単なるエクステンド(あるいは短縮版)だったり、楽器のバランスを変えたものにソロだけ差し替えた...というのも少なくない中、「Radio Edit」の2曲目を除いては同じ曲とは思えないほどの雰囲気の差。さすが、元曲がサンプリングで創っただけあってその影響を受けすぎていないというか。
JAZZとひとくくりに言っても広い。コレなんかはまさに踊るための曲。そういった曲をJAZZの名門Blue Note Recordsが寛容に受け入れる、というのもJAZZの懐の深さというか緩さというか...ジャンルって好みの音楽を探すときに検索範囲を絞れるメリットがある一方、ジャンルのエッジにはこんなヘンな(褒め言葉)規格外楽曲がたゆたっていることもあります。
...食わず嫌いになっていませんか?
【収録曲】
1. Tukka Yoot's Riddim
2. Tukka Yoot's Riddim (Radio Edit)
3. Tukka Yoot's Riddim (Roberto's Riddim)
4. Tukka Yoot's Riddim (Bu's Riddim)
「Tukka Yoot's Riddim」
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購入金額
1,200円
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購入日
1993年頃
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購入場所
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