レビューメディア「ジグソー」

復活したSteelSeriesの入門機。

 国内代理店のゴタゴタから、一時期店頭から姿を消していたSteelSeries社製品だが、ようやっと解決して国内販売が再開されたのは記憶に新しい。(2016年2月現在)

 

 そして、よりにもよってその国内販売停止の真っ最中に「日本以外の全世界でリリース」されたのが、このRival 100。

 

 39.99ドルという、昨今のゲーミングマウスの中では安価な値付けで話題になった製品だ。

 

 発表当初から割と高評価だったことや、SteelSeries愛用者から日本での販売が熱望されたこともあり、販売期間停止中は欧州からの直販(但し、マウスパッド付きだけど倍額)され、コスパを無視して入手した人も多いと聞く。

 

 今回、私が入手したのは元々SteelSeriesの代理店だったゲートの物でなく、サイズが代理店となっているものだった。

 

 なお、購入時に店員から「サポートが代理店のみとなるので、初期不良があった場合はサイズに連絡して下さい」と念を押されている。

 割とまだ面倒なゴタゴタが片付いていないのか、単にApple同様にダイレクト・サポートのみなのかは不明だが、いままで同様のサポートを望む場合は代理店がゲート扱いとなるAmazonかARKでの購入が良いかもしれない。

 

 

 まあ、製品自体にこの手のゴタゴタは関係ない。

 今回、初めて自分でカネを出してゲーミングマウスなるものを買ってみたが、確かにゲームを目的とした場合、違いが結構出ることに驚かされている。

 

  見た目は普通のマウスとそう変わらないが、入門機でもこれだけ「違う」と感じられるのだから、そりゃ高級機に万単位のお金を投じる人がいるのも頷ける。

 

  SteelSeriesが「安価な入門機だからといって、削った部分は一つとして無い」と言い切ったこの製品、さてどれくらい使えるものなんだろうか?

更新: 2016/02/02
デザイン性

大人しいデザイン、ケバケバしいの苦手な私は好み。

 

 ゲーミングマウスというと、結構デザインが突飛な製品が多い感じがする。

 

 SteelSeriesは、そういった製品を「光る必要なんかない」「マウスにCPUなど不要」「デザインはシンプルこそ正義」とか言って否定してきたメーカーらしいのだが、このRival 100というか最近の製品はがっつり光る。

 

 まあ、光るといっても「うすぼんやり」くらいの光り方で、部屋を暗くしても目に優しいレベル。

 光る場所も、このホイール部分とお尻のロゴ部分だけで、マウス自体から光が漏れまくるような傾向は無いのは好感触。


 なお、このLEDは色が変えられるようになっており、その辺りの設定は後段で説明する設定ツール(SteelSeries Engine)で変更可能。一度変更したLED設定は、マウス側で保持される。

 

現在、我が家ではこの色で運用中。
赤系の色だとね、気が昂っちゃうらしいので・・・・下手だから、勝てる確率1/10くらい→ムキー!とかなりがち。赤はそれを煽っちゃう模様。

 

今回、最大の購入目的がこのサイドボタン。
以前、AMDセットのオマケとして頂いたSteelSeries Kinzu v2は操作精度とか軽さとか、十分に満足出来る製品だったのだが、どうしてもサイドボタンがないと不便(特殊ガジェット操作をキーボードに振ってしまうと、左に動きつつ特殊ガジェット使用とか出来ない)だったのだ。

 

 今回、それが出来るようになったことで、割とゲームで「こうしたかったのに!」ってのが大幅に減っており、その点だけでもかなり満足していたりする。

 ああ、勝率ですか?・・・・以前と大差ないですよ、ええ(涙

 

 こちらは右サイド。スイッチなどは付いていない。
 そういう訳で、Rival 100はコスパを突き詰めた結果だけども、右利き専用設計。

 このサイド部分の滑り止めは樹脂製で、上位機などに見られるゴムは採用されていない。
 最も、滑り止めとしての機能は十分に確保されており、イボイボが適度に指への摩擦抵抗を増やしてくれるので、通常型マウスはつまみ持ち派である私としても、結構快適に利用出来る。

 

 ちなみに、個人的に最も設計面で評価が高いのは、デザインそのものよりも前後のバランスだ。
 マウス前後の重量配分、前後での摩擦が均等かつ重すぎないので、スッスッスッ、という感じで動かしたいと思った位置に追随する。

 

 全体的に「主張しすぎない、寂し過ぎでもない、使い勝手は良好」なデザインであり、手の大きさに関わらず的確に操作出来るよう設計されている。

 

 これで入門機というのだから、実に恐れ入る。高級機とかどんだけ凄いんだろうか。

更新: 2016/02/02
使用感

ゲーミングマウスって結構凄いかもしれない。

 本製品に採用されている光学センサーは、PixArt Imaging製の「S3059-SS」だそうだが、これは本製品専用に開発された新型とのことで、コストと性能の両面に優れるとの触れ込みである。

 

ちなみに、メーカーが公表しているスペックは以下の通り。

 

・ボタン耐久性:3000万回
・トラッキングスピード:140IPS
・最大加速G:20G
・解像度:250/500/1000/1250/1500/1750/2000/4000DPI
・ポーリングレート 1ms
・重量:120g

 

 一部、なんのこっちゃ的な数字が並んでいるが、トラッキングスピードは「マウスを動かした速度をどこまで検知出来るか」で、これが低いと大きく早くマウスを動かしたとき、自分の意図した動作にならない可能性が出てくる。

 

 解像度は「マウスを動かしたとき、どれだけ細かく検知出来るか」で、数値が高いほど高速にマウスカーソルが動くようになる。

 ゲーム上手過ぎというか、私から見ればどこぞのニュータイプみたいな人たちは、この速度が遅いと自分の脳の反応速度にマウスが追い付かなくなるらしい。

 

 ポーリングレートは、マウスの操作をどれだけ高速かつ多くPCに転送出来るかで、1ms=1000MHz

に該当。ASRockのFatal1tyシリーズ・マザーボードに搭載されている、Fatal1ty Mouse Portなどでマザー側でも引き上げられる機能があったりするが、基本的にはマウス側で対応しているほうが、より高い精度の操作を期待出来る。

 

 最後に最大加速度だが、これはマウスを素早く大きく動かしたときに「マウスカーソルの速度が加速する機能」を、どこまで加速出来るかだ。

 Windows系OSのマウスは、小さく遅く動かすと低DPIに、大きく早く動かすと高DPIへと段階的、自動的に切り替える機能を持つが、この切り替えの加速度が最大でどこまでの倍率を持っているかが、加速度として示される。

 

 これらの数値は、基本的に高くなればなるほど高性能ということになるそうだが、高すぎる解像度だと操作が困難になるという弊害もあり、闇雲に数値が高ければよいという物でもないらしい。
 実際、使い勝手が良いのは250~2000DPIあたり迄での駆動で、それ以上のDPIは「某パンチのニュータイプさん」のように、自分の操作にマウスが追随しないと感じたあたりで解禁していけばよいとのことだ。

 

 この辺りの設定は、メーカーサイトにてDL出来る SteelSeries Engine によって、自分の好みで変更が可能。
 この設定だが、ゲームごとに設定出来る上に「マウス側が記録する」ので、ソフトの介在による遅延が発生しないようになっている。

 

 こちらは、ゲームごとの設定登録画面。
 ゲームだけでなく、どのようなアプリにでも起動中の設定を追加することが出来る。

 そのため、ブラウザで使うときは高DPIで素早く選ぶ、写真編集操作やCG作成などの細かい作業のときは低DPIかつ加速度低め、もしくは無しといった設定が可能。

 ゲーム以外でも色々と使える機能な上に、アプリごとにマウスの光り方を変えるといった登録も可能で、中々に弄り甲斐のあるツールとなっている。

 ちなみに、複数起動している場合はどのように切り替わるか不明なので、複数起動が必要な作業の場合は、一つのアプリのみの登録にしておいたほうが良い気はする。

更新: 2016/02/02
総評

ゲーム用以外でも使える。FPSやるなら、入門用として完璧。

 正直、FPSを始めるまでは「ゲーム用だけに、あんな高いマウスを買うとかマジか」と本気で思っていた訳だが、自分で初めてみると「いや、ゲーミングマウスまじ必須だわ」とか思ってしまう訳で、何というか「今まで有り得ねえとか言ってて、マジでゴメンなさい。オイラが間違ってました」としか言いようがない。

 

 

 特にFPSのように操作追従性が生死を分けるようなゲームには、こうした「自分が思った通りに、思った位置へエイミング(照準)出来る」こと、「トリガーを押した回数通りにタマが発射される」ことは非常に重要な点であり、これらが正しく反映出来ないマウスを使うというだけで、相当に不利であり、ゲーム中のストレス増加に繋がってしまう。

 

 Rival 100は、比較的ゲーミングマウスとしては手が出しやすい価格帯ながら、ゲーミングマウスが必要とする機能が余すことなく実装されており、最初に手を出すゲーミングマウスとして最適な特性を備えた製品と言える。

 

 つーか、騙されたと思って買ってみりゃ解る。
 ほんとにゲームやるとき、操作した通りにちゃんと動いてくれるだけで、これだけストレスが減るのかとガチに実感できる。

 

 実売5000円ちょっとという価格を、高いとみるか安いとみるかは人それぞれだろうが、私は少なくとも「価格に見合っただけの満足感はある。買って正解」だと感じた。

 

 ・・・・・まー、操作のストレスが減ったところで、私のように腕がヘボいと勝率は上がらんのですけども、最初に始めた12月末と比べりゃ結構上達(あれだけ勝てないと叫んでいたRainbowSixも、対人でたまにKill出来る程度にはなった模様)したし、道具に不満を覚え始める、こうした道具が必要と感じるくらいにはなる訳で。

 

 ほら、赤軍から「白い死神」と恐れられ、某所においてムーミン谷のゴルゴ13と評される、

狙撃だけで確認戦果505名という伝説のスナイパーさんも、こう言ってるじゃないですか。

 

「狙撃の秘訣? 練習だ。」 By.シモ・ヘイヘ

  • 購入金額

    5,340円

  • 購入日

    2016年02月02日

  • 購入場所

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