中高入学のお祝いが自分用のコンポだった時代がありました。
1981年。 CD(コンパクト・ディスク)が現れる前年のこと。
老若男女がFMエアチェックし、アナログレコードのレンタルショップがあった時代。
時代を先取りするようにTechnics(松下)からデスクトップスピーカーシステムが登場しました。
それがこのSB-F01。
少し前に一世を風靡したTechnics7と呼ばれた大型フロアシステムがありましたが、それをモチーフにミニチュア化したSB-007という格好良いシステムがありました。
それは高くて買えなかった。
その反動でこれを買ったように覚えています。
アルミダイカスト製 ポリマーコーン
ユニットは4cmフルレンジ。
特殊高分子フィルムポリマーフィルム振動板は、ヘッドフォン用を改造したものだと思われます。
4センチフルレンジと表記されていますが、再生周波数帯域等は記載されていませんでした。
聴感上、200Hz以下は再生されていないと感じました。
フェライトマグネットの6倍の大きさを持つサマリウムコバルトマグネットが奢られています。
エンクロージャはアルミダイカスト製。
バッフルとエンクロージャは、一本のネジで固定され、不要振動を排除する設計です。
完全密閉型で、接合面には樹脂パッキンが張り巡らされています。
エンクロージャ内にはグラスウール吸音材が充填されています。
既に紛失しましたが、ヘッドホン端子に接続する専用ケーブルが付属していまして、その入力は20Ωに設定されています。
通常のワンタッチ端子も装備されており、そちら側には抵抗が備わり耐入力70W(8Ω)が保証されています。
背面には壁掛けを想定した窪みがあり、底面には三脚等を前提としたネジ穴が用意されます。
深夜の小音量再生を前提とした設計
深夜リスニングに最適な小音量再生専用のスピーカーシステムとして販売されています。
つや消し銀色のアルミダイカスト製スピーカーシステムは、当時のTechnicsが得意としていた意匠。
ふたつある入力端子のどちらを選んでも、アンプのボリューム位置と出てくる音圧は同じようなものでした。
低音は出ません。 でも、Technicsらしい穏やかで綺麗な中広域が楽しめました。
軽量小型システムなので、横置き・縦置き・消しゴムを敷いたり、十円玉を敷いたり。
FMレコパルに挟んでバッフル効果を試したり、レコパルの並びを工夫してホーン効果を試したり。
スピーカーケーブルを交換して音の変化を楽しんだり、、、たくさん遊びました。
特に電源ケーブルをほどいて、螺旋状に編みこみ、それをライターで炙りほどけないようにした
自作ケーブルの効果が大きく、平行ケーブルに比べて1〜2割程大きな音圧を得ることができました。
ただ大きな音が出るという意味ではなく、歪まないで大きな音が出たんです。
オーディオの面白さ、ケーブルによって音が変化する事を実感したんです。
ただ、音圧を上げすぎて、片方のユニットは断線してしまいました。 残念です。
もうステレオシステムとして機能しないのですが、格好良いので、時にCDを挟む「CDエンド」として、時に飾りとして ずっと手元にあります。
今日はプレミアムレビュー:Edifier® R1100の選考を控えて、改めてデスクトップシステムを考える為に取り出した次第です。
まだ断線していない片チャンネルだけ音出しをしてみました。 30年ぶりやね。
全然低音は出ないけど、デスクトップで良い録音盤を聴いた時の「箱庭感」「奥行き感」「音像感」を楽しんだあの頃を思い出しました。
今はデジタル技術で、手軽に良い音が楽しめるようになりましたが、経験と知識、手順と愛情が必要だった、あの頃を思い出しました。
当時の15,000円って、今なら?
幅71×高さ109×奥行70mm
重量 約500g
アルミダイカスト製密閉型エンクロージャ
4cmフルレンジポリマーコーン振動板
サマリウムコバルト磁石採用
A端子(ヘッドホン端子):2W
B端子(スピーカー端子):70W(music、8Ω換算)
当時の販売価格 2本で15,000円。
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購入金額
15,000円
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購入日
1981年頃
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購入場所
ヒエン堂
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