レビューメディア「ジグソー」

「…日本は負け、そして武士道は亡びたが、堕落という真実の母胎によって初めて人間が誕生したのだ。生きよ堕ちよ、その正当な手順の外に、真に人間を救い得る便利な近道が有りうるだろうか。」

「若者達は花と散ったが、同じ彼らが生き残って闇屋となる。」

 

真っ直ぐに正面から切り込む様なメッセージに胸を貫かれる坂口安吾のエッセイ集。

選ばれた言葉で綴られた技巧的な文章ではなく、時にたたみかけるように語りかける文章は、兎にも角にもまずは生きてみないか、と読む者の心に響く力を持っている。

 

「文学は生きることだよ。見ることではないのだ。生きるということは必ずしも行うということでなくともよいかも知れぬ。」

 

「恋は必ず破れる、女心男心は秋の空、必ず仇心が湧き起り、去年の恋は今年は色がさめるものだと分かっていても、だから恋をするなとは言えないものだ。それをしなければ生きている意味がないようなもので、生きるということは全くバカげたことだけれども、ともかく力いっぱい生きてみるより仕方がない。」

 

  • 購入金額

    929円

  • 購入日

    2015年12月14日

  • 購入場所

6人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (4)

  • komegabrinnemeさん

    2015/12/15

     桜の森の満開の下 [Kindle版]を読みました。読めない漢字がたくさんあり,3回ほど読み返してやっと読めるようになりましたが,今ではまた読めないと思います。「女は櫛だの笄だの簪だの紅だのを大事にしました」という一節があり,どれかが「かんざし」と読むのですが,意味はどれもかんざしのようなものらしく違いがわからないまゝです。でもKindle版だと辞書を引くのが楽でした。
  • 北のラブリエさん

    2015/12/15

    安吾、お好きそうな印象がありました。
    優しい顔の裏に匕首を忍ばせて、でも取り出さないような。
  • vingt-et-unさん

    2015/12/15

    komegabrinnemeさん

    「桜の森の満開の下」は坂口安吾の小説の中でも、とくに好きな作品です。
    幻想的で美しくて儚い物語でした。
    「夜長姫と耳男」や「青鬼の褌を洗う女」などもおすすめです。
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