Amazonのタイムセールで見かけて、何となく目にとまったので買ってみました。
この製品の特徴はとにかく軽いこと。ケーブルや端子などを含んだ総重量が、何と8.5gしかないのです。
その重量を達成するために小口径のドライバーと、極細のケーブルを組み合わせています。オーディオ的な常識からいえば、音質には不利な条件が揃っているといえます。
主なスペックは以下の通りです。
・ドライバー径:5.6mm
・再生周波数範囲:20~20000Hz
・出力音圧レベル:91dB/mW
・インピーダンス:16Ω
・ケーブル長:約1.1m
聴かせ方の巧さが光る
今回は主にAstell&Kern AK100との組み合わせで試聴してみました。
実は最初はWALKMAN NW-A16と組み合わせたのですが、音の傾向からAK100の方が相性が良さそうだと思ったのです。
この製品を快適な音質で聴くためには少しコツがあり、あまりユニットを耳奥に押し込まず、ギリギリ密閉される程度の深さで使ってやると音のバランスが整うようになります。
まず Chicago XXXVI "NOW" / Chicago のハイレゾ音源(24bit/96KHz、WAV)を聴いてみます。
まずレンジは狭めです。ベースは一見厚めに出ているのですが、実は低い部分の音が少なく、ズンと来るような低音は出てきません。しかし、個々の楽器の質感やヴォーカル、音場表現などは思いの外良いのです。ハイハットの繊細さや質感まではそれほど出ませんが、これだけを聴いていると非常に良くまとまっている音です。
次に Nothing Like The Sun / Sting のLPから起こした16bit/44.1KHz WAV を再生してみたのですが、この作品はとにかく音場表現が命というものであり、この部分に長けているTH-LEC300は予想を遙かに上回る水準に鳴らしてくれます。本当に低い方は出ていませんし、ハイハットの質感も高くないのですが、それでもそれほど大きな不満を感じないのはトータルバランスの良さということなのでしょう。
強いていえば Get Lucky / Daft Punk feat. Pharrell Williams の24bit/88.2KHz FLACを再生した際にはあの分厚いベースラインが細身になってしまい、物足りなさを感じる部分はありました。
外観や構成、価格からすれば決して大した音は出てこないだろうと思っていただけに、予想以上にまともな音であったことに驚かされました。総重量8.5gかつ体積も小さいという、持ち運んでも全く苦にならない製品であるだけに、バッグの中に常備しておくような使い方に向いていそうです。
この価格できちんと音楽を聴けるというだけで、大いに評価するべき製品でしょう。もう少し高くても、買う価値は充分に感じられました。
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購入金額
980円
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購入日
2015年11月15日
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購入場所
Amazon
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