所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。現在のJ-POPの源流は西洋音楽にあります。それが独自の発展をとげ、今では海外音楽ソフトのジャンル分けにも「J-POP」と言う項があるくらい独自なものとなっています。でも時に源流に還るような洋楽の薫り高い作品が生まれることがあります。そんな洋楽の薫りのする作品をご紹介します。
平井堅。久保田利伸の露出が減ってきているので、現在第一線で活躍するJ-POP系ヴォーカリストとしては、最も黒人音楽系のアプローチをするアーティスト。しかもそのクロさはソウル一辺倒ではない。ラップ、ヒップホップ、ゴスペル、アフリカンなど黒人系のさまざまな音楽のテイストのバラエティがスゴイ。その逆の一面として彼には、童謡っぽかったり、完全に和風の叙情的なメロディだったりする部分もあるのだが、この作品はかなりクロい。
出だしの「Sing Forever」からまっクロ。AFRAのボイパと12人からなるコーラスのみの1コーラス目、2コーラス目との間奏の♪Sing Forever♪というかけ声?が黒人音楽。1コーラス目サビからパーカッションが入り、最後にはオルガン風音色でキーボードが、クリアなカッティングでギターが入り、ハンドクラップでもりあげる。ラスト1回の♪いつもギリギリ届かぬLIFE/だからこそ君と...♪を一人で歌い、♪ラ~ァァ~イフ♪とフェイクするところは日本人離れしている。
「太陽」はこのシングルで最も日本的。絢香やmiwaなどとも関連の深いキーボーディスト、松浦晃久のピアノのみをバックに平井が歌う。どうやら「ゴッホ展」のテーマーソングだったらしく、平井の叙情的なところがでている。♪自由と孤独の波間で/もがきたどり着く岸辺に/真実の色があるなら/目を逸らす事は出来ない♪ゴッホの挫折と周囲の無理解の中で「自分にとっての」真実を掴み取ろうとする探究心に平井は共感したのだろうか。
「HOTEL VAMPIRE」は「Sing Forever」とは全く曲調が違うが、別の方面にクロい。アフリカン的テイストを持つ、B-BANDJのラップフィーチャリングの曲。バックは一聴して打ち込みと分かる音色、ノリだが、生のストリングスが入っているのがちょっと潤い。でも全体としてはアフリカの風を想い出させるような乾いたチューン。
あとこのCDはCD Extra仕様になっていて、1995年から2010年までの歩みを纏めたものと15周年記念ライヴの映像再生ソフトが収められている。ただ画面小さすぎー。Win PCかMac用なんだけれど、サイズが320✕240のQVGAと4年前としても小さすぎ。せめてVGA(640✕480)にして欲しかったな..
この手のクロい作品がシングルとして出せるほど日本に黒人系の音楽が根付いてきたんだなぁと。ま、売れているからこそ、の一面もあるんだろうけれど。そんなことを感じたシングルです。
【収録曲】
1. Sing Forever
2. 太陽
3. HOTEL VAMPIRE
4. CANDY -Suspicious Remix-
5. Sing Forever -less vocal-(4:55)
<CD EXTRA部分>
・Ken Hirai 15th Anniversary Live Digest Movie 1995-2010
「Sing Forever」
AFRAのボイパとクロいコーラスの上で歌う平井の声が心地良い
日本人離れしているテイストは、平井ならでは。
同じクロめでも、元祖?のクボタとは違う方向性が良いな。
2020年代の4Kがだいぶ浸透した時代には...
QVGAはお呼びでない。
4K画面に敷き詰めると108窓分....
コンテンツの中身は良いのだけれど。
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購入金額
1,223円
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購入日
2010年頃
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購入場所
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