ロミュランが24世紀中盤に完成させたディダリクス級大型巡洋艦は、非常に強力な戦闘力を誇る反面、その巨体が災いして機動性に欠けるという問題があった。
ただ、ロミュランではこの点を問題視する勢力は少数だった。
ディダリクス級は完成当初、アルファ宇宙域において最大・最強の軍艦であり、仮想敵であった連邦宇宙艦隊の最新鋭艦を戦闘力で凌駕し、クリンゴン帝国のあらゆる艦艇より圧倒的に高性能であったため、「圧倒的攻撃力で機動性の不足はカバー出来る」と考えられていたからだ。
しかし、ドミニオン戦争が全てを変えてしまった。
鈍重で機動性に欠けるディダリクス級は、オマリオン星雲の戦いにおいてドミニオン艦隊の小型艦を多用する起動戦術により、全方位からの同時攻撃で滅多打ちにされ、40隻以上(同行したカーデシア艦隊を合せると100隻弱)の大艦隊が全滅。
ロミュラン星間帝国軍はこの戦訓に鑑み、ディダリクス級の問題点を補う機動性を兼ね備えた新型艦の開発に着手する。
その結果として生まれたのが、このヴァルドア級である。
ディダリクス級を、かつて運用していたクリンゴンのD-7級の設計に近づけて焼き直し、その強力な攻撃力を出来る限り残したまま高機動化させたもので、性能はほぼ期待通りとなった。
ドミニオン戦争が二年で終結したため、対ドミニオン戦には間に合わなかったものの、ロミュランの次期主力艦として開発は続けられ、シンゾンの政変(劇場版:ネメシス-STX)の際には少なくとも二隻が完成している。
なお、ヴァルドア級の名称由来は、22世紀に特殊作戦を指揮したヴァルドア提督。
地球・ロミュラン戦争でも活躍した人物だが、特殊作戦の方は惑星連邦誕生のきっかけ作りをしたような恰好(ENT88話:バベル一号星)になっており、むしろ処分されててもおかしく無い気がするのだが、よほどその後に大きな功績を挙げたのだろう。
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購入金額
2,495円
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購入日
2015年10月13日
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購入場所
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