ウィトゲンシュタイン後期ともいえる時期に行われた講義録のまとめ。しかしその内容は中期におけるアリス・アンブローズの講義ノートに書かれていたことと共通しているものもいくつか見受けられる。(手と星形の例、四角のなかの丸の例、矛盾のとらえ方等)計算を一種の恣意的な適用とみなすウィトゲンシュタインの思想は、後期の「文の意味とはその使用にある」という考えが下敷きなっているのではないか。そえゆえ彼にとっては矛盾というものがなんら恐るるに足らぬものになる。矛盾が生じた場合、それを避けるような規約を設ければよいからである。規約や規則を作るのはいつもわれわれなのである。
本書はウィトゲンシュタインの著作というより講義録であるので、分厚くてとっつきにくいように感じるが実はかなりわかりやすいほうだと思う。講義の出席者にはかの高名なチューリングも出席しており、時に鋭い質問を浴びせ授業をよりスリリングなものにしている。
ともかく、彼が後期において数学、無限、矛盾、否定をどのように考えていたのか知る良い手がかりになると思う。
っていうか今まで翻訳出てなかったのなんなの。
プリンキピアが前提されている…?
ラッセル・ホワイトヘッドのプリンキピア・マテマティカをある程度読んでることが前提であり、それゆえ難易度(難解さ)が高い。(プリンキピアは完全な翻訳がないのも原因)
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購入金額
1,814円
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購入日
2015年06月16日
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購入場所
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