DAWに内蔵されているプリセット音色や市場に散乱する豊富なプラグインソフトやMIDI音源なんかを使用してもそれなりにというか、かなりハイレベルな分野での楽曲制作をカバー出来るとは思うが、個人の嗜好とかもあってKomplete10を導入するユーザーも多いと思う。自分もその中の一人なのだが。

このKomplete10 ULTIMATEに含まれる75製品、全てを使用する必要はない、使用する機会もないといった感じで、要は自分の気に入ったソフトを徹底的に追究して音作りを楽しむ面白さがある点が最大の魅力だと感じる。

何となくDAWで打ち込んだドラムトラックの音色をBattery 4やPolyplexの音色に差し替えるだけで音の個性がガラリと激変したり、豊富なキットを次々に聴き比べながら最適なトラックに仕上げる作業に対してのモチベーションが格段に向上することは間違いない。

またKomplete10 ULTIMATEはシネマティックサウンドが多数収録されているのが特筆すべき点でもあり、特に「Damage」や「Kinetic Metal」「Action Strikes」等を駆使して本場のハリウッド映画さながらのサウンドを構築することも可能。

専用キーボードである「Komplete Kontrol Sシリーズ」や「Maschine」等を併用することで、この一連のワークフロウが最適化されるのでそちらの導入も非常におすすめ。

「快適」と言えばその最たるものがブラウジング。

Komplete Kontrol Sキーボードの導入により無償提供されるソフトウェア「Komplete Kontrol」を使用すれば、膨大な音色の中から目的のサウンドにショートカットで辿り着け、ブラウザの開閉も非常にスムーズで、作業中のストレスをほぼ感じさせない秀逸なシステムと言えるだろう。

予算が許す限り、これら一体となった「Komplete」の世界を味わってみるのも決して無駄ではないと思う。