所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。時代不詳の歌というものがあります。流行廃りに影響されることなく、聴くと「その人の世界」に「その人の時代」に引きずり込むような作品があります。そんな懐かしくて新しいサウンドを詰め込んだ作品をご紹介します。
Donald Fagen。伝説のバンド?Steely Danのキーボーディスト兼ヴォーカリスト。Steely Dan解散後、不朽の名作“The Nightfly”
を成すが、その11年後。再び現れた彼はCOOLな温度感のない、昔のアメリカから見た未来、といった薫りの作品を放つ。それが“KAMAKIRIAD”。
その作品からのカット、「Tomorrow's Girls」。独特の乾いたサウンドがシブイ。
どこか未来的で、非現実感に溢れ、淡々と進む「Tomorrow's Girls」。ラストに収められる「Single Version」より1曲目のイントロが長いタイプの方が収まりが良いな。『くたびれた「I.G.Y.」(“The Nightfly”の1曲目)』(劣化した、ではない)、と言う感じのややヒト臭さを感じる造りなのは刻の流れか、歳の蓄積か。
東洋的なメロディと音色を持つ「Shanghai Confidential」。静かなるYMO、といった感じのテクノ的冷たさと、Donaldのセンスが入り交じり独特の風合い。実はこの曲は他者(The Manhattan Transfer)への提供曲のセルフカバー。だからかどうかは知らないが、この粋な曲はアルバム未収録。
「Century's End」はハーモニカ調の音が物悲しいスローシャッフル。イメージとしては昏い“The Nightfly”という感じ。どことなくあっけらかんとしていた「古き佳きアメリカ」のイメージが根底にあった1stソロの頃に比べると、このリリースの頃はアメリカも苦しんでいた時期。そういう意味では全体的に暗さが覆っている感じ。この曲もアルバムには入っていない。
実はこの“Tomorrow's Girls”、れっきとしたシングル盤もある。どうやら1~3曲目が収められていたらしい(なぜ「Tomorrow's Girls」に関して「Single Version」ではなく「Edit」の方が「シングル」に入っていたのかはナゾだが)。そして本作は「EP」。ただ本作はほとんどアルバム(“KAMAKIRIAD”)にはいっている曲がなく、アルバムのダイジェスト盤、というよりはシングルの「Extended Play」盤であり、まさしく「EP」。
でもやっぱりミニアルバムの方がわかりやすくね?←まだいう
【収録曲】
1. Tomorrow's Girls (Edit)
2. Shanghai Confidential
3. Confide In Me
4. Century's End
5. Tomorrow's Girls (Single Version)
「Century's End」
音の職人の凝り性が見える
隅々まで神経が行き届いた曲が、「噛めば噛むほど」。
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購入金額
2,000円
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購入日
1993年頃
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購入場所
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