所持する音楽データに対する私利私欲．．．イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。視覚と聴覚からの刺激。ライヴ（映像）で受ける曲のインパクトは、その会場の盛り上がりも含めて、印象深いものです。他のアーティスト目当てで入手したフェスのライヴ映像でそのライティングも含めたステージングに魅せられ購入することにした楽曲をご紹介します。

fripSide。キーボーディスト&コンポーザー＆プロデューサーの八木沼悟志（sat）を中心とするユニット。初期は女性ヴォーカリストnaoと活動していたが、彼女の脱退に伴って2009年から声優の南條愛乃を新ヴォーカリストとして迎えて活動。初期はシングルも少なく「アルバムアーティスト」という感じだったが、現在はシングルのアニメタイアップも多く、アニソン界隈では大きなセールスを上げているトップアーティスト／グループのひとつ。

音楽的にはキーボード&打ち込みを中心としたユーロビート系やエレクトロ系のもので、割に抑揚が少なめのメロディラインは、かつての小室節（小室哲哉～TM NETWORK、globe等～が創るような曲）を彷彿とさせる（事実小室は八木沼が影響を受けたアーティストの筆頭にあげられることも多い）。

自分は基本こういった打ち込み系の曲はあまり聴かないのだが、ヴォーカルのナンジョルノこと南條愛乃の声質が好きなことと、以前購入したライヴBD

で、全体の2曲目に流れたこの曲の、サイバーな感じのライティングや挟まれたCGのジングルなども含めたステージ構成力ですごく印象に残った（もう一曲の「black bullet」の方は天誅ガールズのダンスが入っていたので、fripSide側の印象はやや下がってしまったけれど）。そこでCDショップで見かけてつい購入してしまったのがこちら。

表題曲「Luminize」は「フューチャーカード バディファイト 100（ハンドレッド）」というトレーディングカードゲーム由来のアニメの主題歌らしい。バトル系アニメの主題歌らしく、キャッチ―でビートが効いたドラマチックな曲で、ビームサーベルのような？、あるいはレーザーガンのような？SEも多用され、激しい曲。ナンジョルノのヴォーカルラインも高めで、構成的にも「サビ前」の曲、ということでかなり盛り上がる（事実前述のライヴではかなり盛り上がった）。♪空を駆ける／2つの夢／挑み闘う輝きが／導いた／この絆で／強く照らし出す未来(あした) ♪という出だしのサビフレーズに続くsatのキーボードのオブリも頭抜きのトリッキーな譜割で印象に残る。

カップリングの「unlimited destiny」もブラウザゲーム（超銀河船団）の主題歌だけあってキャッチ―だが、最初のひとフレーズだけはスローな無伴奏で入るところがロマンチック。常に出だしが高いメロディライン（必ずフレーズの最初の音が高くてその後下に展開する）がいつの間にか耳に残っている感じの静かなインパクトの曲。

このシングル、3形態で販売されたが、この「初回限定盤A」のすごいところは、シングル（通常盤）に表題曲PVを加えた「初回限定盤B」の内容に、さらにトータル2時間40分近いライヴ映像を付けたものであるということ。これは2014年に行われたツアー、「infinite synthesis 2」のセミファイナル、舞浜アンフィシアターでのステージがほぼフルセットで収録されているため。

この手法はスガシカオで過去にも紹介したが

旧譜も含めて最新のライヴアレンジで楽しめるので、ライヴや他の曲にも興味がわき、「広がり」を見せる余地があるのは、好きな曲つまみ食いのダウンロード販売にはない良さ。まぁ、スガのに比べると本品の価格は順当に高いので、ちょっと「オマケ」としてのインパクトには欠けるが、ナンジョルノの衣装チェンジも3回行われたステージング／パフォーマンスも込みで味わうというなら、アリ、かな。前述の合同ライブでは観客全てが自分たちのファンではないし、たった2曲（コラボ曲合わせても3曲）では会場の「支配」とまではいかなかったけれど、この自分たち自身のライヴではsatの「せーの！」という掛け声で会場がコールを返したり、サイリウムのカラーも会場全てがぴったりと合っていたりと「わかっている」ファン相手の「濃く」て一体感のあるステージが繰り広げられる。

曲としては「only my railgun」や「black bullet」というヒット曲もさることながら、アルバム収録の沁みる曲がイイカンジ。

そのひとつ「whitebird」はしっとりとしたバラードで、かなり「ニューミュージック系」というか「J-POP」と称する前の、懐かしめの日本の流行歌の風情があっていい。ナンジョルノの衣装的には「black bullet」で着替えたゴシック感のある衣装なんだけれど、大正浪漫的ゴージャスな雰囲気が切ない感じのこの曲に合ってる。自分はfripSideのこの手の曲は聴いたことがなかったのでこういうのも演るんだ、と意外だったけれど、すごくよかった。曲想的にも通常のシングルには選ばれそうにもないし。

しっとりしたこの曲にゴージャスなゴシック調の衣装が合ってる

 

合同ライヴでのパフォーマンスに魅せられ手を出したシングルだけれど、予想以上に楽しめた。表題曲よりもむしろ好きな系統の曲がライヴでは演られていたので、得した気分。あんまり興味のあるアーティストではなかったのだけれど、他もあたっても良いかな、と（特に「whitebird」のスタジオ盤は聴いてみようかな、と）。

想刻騎龍メモリー・グレイブのカードや超銀河船団の優待コードも封入

 

スガのときには、彼の曲はほとんど識っていたせいもあって、シングル曲＜＜オマケライヴDVDと主客転倒しているようなその内容に「？」という感じもしたけれど、ダウンロード販売ではない物理CDの「売り方」としてはこの方法、実は理にかなっているのかな、と感じた作品でした。

【収録曲】
<CD>
1. Luminize
2. unlimited destiny
3. Luminize (instrumental)
4. unlimited destiny (instrumental)
<DVD1>
【fripSide LIVE TOUR 2014 -infinite synthesis 2- (舞浜アンフィシアター/2014.11.3) part 1】
1. opening
2. fermata 〜Akkord:fortissimo〜
3. pico scope -SACLA-
4. MC
5. scorching heart
6. waiting for the moment
7. I'm believing you
8. Secret of my heart
9. only my railgun
10. lost dimension
11. rain of tears
12. band performance
13. black bullet
14. eternal reality
15. MC
16. future gazer
17. endless memory 〜refrain as Da Capo〜
18. late in autumn
19. whitebird
20. dancer performance
21. fortissimo -from insanity affection-
22. before dawn daybreak
23. glow in the darkness
24. MC
25. Hesitation Snow
26. LEVEL5 -judgelight-
27. MC
28. infinite synthesis
29. true resonance
<DVD2>
【fripSide LIVE TOUR 2014 -infinite synthesis 2- (舞浜アンフィシアター/2014.11.3) part 2】
1. encore
2. way to answer
3. MC
4. trusty snow
5. MC
6. sister's noise
7. ending
【Luminize PV】
8. Luminize
9. PV making
10. SPOT (Now On Sale ver.)
11. SPOT (Special ver.)

「Luminize」MV short ver.