所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。(一部の不摂生な例を除けば)アーティストが特に短命であるとか、病気が多いということはありません。ただ、表舞台にいる人が「消える」ことになるので、印象に残りやすいことも事実です。壮絶な闘病の末、若くして逝ったアーティストの作品をご紹介します。
川村カオリ(この作品を出した頃は「川村かおり」名義)。ハーフの女性ロッカー。歌としては、いわゆる「上手い」というよりは、印象に残るタイプ。ハスキーな声を絞り出すように歌うその姿はロック!ソ連(今のロシア)で生まれたロシア人とのハーフで、それをネタにいじめに遭い、他者と違う学区の学校に通うことになって音楽に出逢った。その後イギリスに渡り、クラブに通い詰めた後、帰国、デビューする。その後も結婚⇒離婚、闘病と決して順調な人生ではなかった。
彼女の歌は、その人生を映すような作品が多い。
「見つめていたい」。「翼の折れたエンジェル(中村あゆみ)」の高橋研が曲を書いたこの曲は、川村の曲の中ではデビュー曲の「ZOO」やヒット曲「翼をください」、「神様が降りて来る夜」ほどメジャーではないが、彼女の想いがつづられていて(作詞は高橋との共作)とても胸に刺さる。♪大切な僕らの未来/決めるのは僕らの今日/宝物が多すぎて/キリがないや/ポケットの砕けた/ビスケットだって/鳥たちの御馳走に/かわるんだよ/愛がなきゃダメさ/夢がなきゃダメさ♪
ブッ飛んだタイトルの「脳内テンションダダダァーン」。ちょっとサイケっぽい印象的なギターのリフと♪ダダダァーン♪というかけ声が印象的。曲はBARBEE BOYSのギタリストいまみちともたかの手による。BARBEE BOYSとは曲調は違うのだが、スネアが目立つドラムパターンはちょっとその雰囲気がある。かおりはぶっきらぼうな感じに歌うが味あるなぁ...
続く「脳内テンション <reprise>」は「脳内テンションダダダァーン」のインストヴァージョン。いまみちともたか(クレジットは通称のImasa)のカルイリズムがノリを出しているが、やっぱり特徴的なかおりの声がないと締まらないなぁ....
彼女は、後年母親と同じく乳がんを患い乳房切除手術を行ったが、見事芸能界復帰。トークショーではアツい想いを語り、いじめ撲滅や乳がん検診普及にも尽くしたが、音楽活動としてはペースダウン。ただその後乳がんが再発し、死の数か月前にすべてを注ぎ込んだ13年ぶりのオリジナルアルバムを上梓したが、まだ40前の若さで逝った。
その時7歳だった娘に宛てた手紙が泣かせる。
-ママからのおねがい(一部抜粋 抜粋はcybercatによる)-
~がまんをしないでください/強くあろうとしないでください~こうでなきゃだめというマイルールをつくらないでください/まちがってもまっいっかと思ってください~この世界は強くはできていないから/この世界は思ったよりきれいじゃないから
彼女が旅立ってすでに5年以上が経った。彼女は空の向こうでは強くきれいな世界に出会えたのだろうか。
【収録曲】
1. 見つめていたい
2. 脳内テンションダダダァーン
3. 脳内テンション <reprise>
「見つめていたい」この曲ほとんど音源がなく、インタビュー込みのライヴですが
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購入金額
1,000円
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購入日
1992年頃
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購入場所
北のラブリエさん
2015/05/13
あこがれつつも。
cybercatさん
2015/05/13