990FXA-GD65 は、MSI(Micro-Star International)が2011年6月に発売した、AMDのプラットフォームであるソケットAM3/AM3+に対応するマザーボードだ。
なんとこの製品、発売から5年近く経った2016年3月現在でも新品が流通している。
これはMSIの問題というよりは、長らくFXシリーズに更新がないAMD側の問題であるのだが、日進月歩の自作PC界隈において5年もの間生産(あるいは市場在庫)が継続するマザーボードというのは近年なかなか見ないのでは無いだろうか。
USB3.0 x 2ポート PCI-Express GEN2までの対応であるなど、発売当時は新しかった各種の装備も流石に5年の歳月が流れれば陳腐化する。
今となっては別段新しいものでは無いが、最新のPCゲーミング用途として使うなどの場合を除けば、過不足のない装備が成されていると言えよう。
尚、本製品には姉妹品としての上位モデル(990FXA-GD80)が存在し、OCを前提としたハードウェア装備が成されているが、本マザーにおいてはそれらの装備を省略する事で価格を抑えており、そういった面もあり世代を感じる構成となっている。
さて、本マザーはソケットAM3+に対応している為、現行のFXシリーズである建設重機4姉妹CPUを使用する事が可能なのだが、筆者は購入時期もあり前世代のCPUであるPhenomII X6 1055Tを組み合わせて使用していた。
何度かの軽微な不具合をパーツ交換等で乗り切りつつ、延命を続けていたのだが、ある日唐突に起動しなくなり短いビープ音が3回鳴り、それを繰り返すという症状に見舞われる。
当然BIOSにも到達せずにビープ音がしていると言う事は、マザーの初期起動において何らかの不具合が発生しているという事だ。
搭載BIOSからビープ音が示すエラーを探ったところ、メモリ周りのエラーであろうという当たりをつけた。
ここからメモリを交換したが症状は改善せず、ではマザーの問題かと思い別のマザーに交換したのだがそれでも症状は改善しなかった。
結果的にはCPUが不具合の原因で、CPUを交換したところ問題無く起動した。
ここは筆者の推測であるが、CPUに統合されたメモリコントローラに不具合が起きたのではないかと考えている。
そしてマザーそのものは恐ろしい事に交換したCPUでも動作し、生存が確認された。
自作PCに明るい諸兄ならば一度や二度の経験はお持ちでは無いかと思うが、久しぶりにパーツ交換の泥沼にはまったというのが今回のオチである。
さて、新規に購入したパーツはメモリ、マザー、CPUであり現在は交換したパーツで運用しているが、メモリもマザーも生きている事が確認出来たため、新規にCPUとビデオカードを調達できれば、このマザーをベースに復旧が可能になってしまった。
機能を省いた廉価版とはいえ本マザーはMSIの独自規格ミリタリークラスに準拠しており、堅牢である事を見せつけた格好だ。
もちろん個体の当たり外れはあろうが、このマザーはまだまだ十分実使用にも耐えそうだ。
ZEN世代の登場を控えたこの時期になんという事かとも思うが、建設重機4姉妹の最後の勇姿をこのマザーに見せてあげたい気持ちもある。
余裕があればFX-8320Eあたりで復活をさせたいものである。
発売時期を考えると良好
本文中でも触れているが、本製品の姉妹モデルと比較してOCを目的とした機能が省略されている。
だが、定格ベースで運用するのであれば問題は無く、電源周りやコンデンサも耐久性の高い部材が使用されており質実剛健な作りと言えよう。
流石に新しさはないが、実使用には十分に耐えうる
これも本文で触れているが、もう5年も現役で戦っているマザーであるからして、新鮮みがないのは致し方のない所。
だが定格、安定運用を目指した場合は枯れたプラットフォームの方が安定しているとも取れる。
カリカリにチューニングを施して遊んだり、今時のPCゲーミングには向かないが、一般用途には全く問題なく使用する事が出来よう。
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購入金額
13,000円
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購入日
2015年04月02日
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購入場所
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