上田正樹。今も活動を続けるが、主な活動フィールドを東~東南アジア方面に移しているシンガー。日本においては何度かピークがあり、1970年代のフォーク系の名盤“ぼちぼちいこか”での1stブレイク(楽曲としては「大阪へ出てきてから」など)、1980年代初頭の「悲しい色やね」の大ヒット、その数年後の「TAKAKO」のヒット、90年代に入ってからの佳曲「わがまま」など..
誰もが知る大ヒットは「悲しい色やね」だけかもしれないが、気がつくとじわじわとくる根強い人気で特に20世紀に存在感を示した。
代表曲「悲しい色やね」。...もうなにもいうことはない。泣きのギターとドラマチックなサックスソロが盛り上げる曲に乗る上田のブルージィな歌声が沁みる。関西弁のブルースと言えば...の感じで定番中の定番。♪HOLD ME TIGHT/大阪ベイブルース/今日でふたりは/終わりやけれど/HOLD ME TIGHT/あんたあたしの/たったひとつの/青春やった …♪ハスキーな彼の声が、話しかけるような関西弁が愛の終わりを切なく歌う。
「ミス・ユー・ベイビ 〜 Miss You Baby」は桑田佳祐の曲。自身の独特の歌声と歌い方があることが前提で?造られる桑田の曲は、曲自体が佳曲でも他者が歌うとコレじゃない感が漂うものが多いが、これはあってる。上田のかれた声とブルースをベースとする曲調、彼のまとう雰囲気がいい味出してる。桑田の方向性とは60度くらいの開きがあるのがつかず離れずでまた、いい。
8曲目以降は「English Side」と名をつけられた上田が好きな洋楽が並ぶ(英詞のオリジナル曲である「愛の翳り」を除く)。その中ではやっぱり名曲「我が心のジョージア(Georgia on my mind)」か。Ray Charlesで有名なこのスタンダードナンバーをローズ+フルアコっぽいエレキギター2本で歌うのが心に沁みる。フェイクの仕方が日本人離れしていてさすが。
ヒット曲と彼のルーツが同時に味わえるベスト盤。過去の名盤をパッケージなどを簡略化して廉価に出す「CD選書」シリーズに属するが、これはCD選書オリジナル企画。最近ではブルース...というよりソウル調の歌い方をしていてちょっと路線が違ってきたかな...と感じるが、この頃の上田が一番輝いていた。そんなことを想いつつ一人で聴きたい作品です。
【収録曲】
-Japanese Side-
1. 悲しい色やね 〜 Osaka-Bay Blues
2. 人知れず恋
3. TAKAKO 〜 Takako, My Love
4. レフト・アローン 〜 I Miss You All
5. ミス・ユー・ベイビ 〜 Miss You Baby
6. たぶんボサノヴァ
7. 思いでが降る夜 〜 Elegy
-English Side-
8. 男が女を愛する時
9. 我が心のジョージア
10. ユー・アー・ソー・ビューティフル
11. マイ・ガール
12. マリー
13. スタンド・バイ・ミー
14. 愛の翳り
「悲しい色やね」
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購入金額
2,000円
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購入日
1993年頃
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購入場所
jive9821さん
2015/04/03
昨年末に地元のホテルでディナーショーをやっていて、ちょっと見てみたいと思ったのですが、ディナーショーのお値段では厳しいと思って結局あきらめたという思い出も。
cybercatさん
2015/04/03
しかもそれが自分のやっている音楽の中央の曲だけでないとなるとなおさら。
最近の彼はブルースというよりソウル調の歌い方なのがしっくりこないんですが…