PCを持ち歩くにあたり、マウスの存在というのは割と悩ましいものである。
あれば確かに便利だが、無くてもどうにかなるからだ。

モバイルするPCというのは、それだけで操作が完結するよう作られているのが普通だから、要は人の方が「マウス以外の操作法」に慣れてしまえば、基本的に必要なくなる。

でも、あれば便利。

この、尽きぬ葛藤が生じる最大の問題点は、要するにマウスという物が割と嵩張る点にある。
マウスというのは手で握って使う道具なので、一定の大きさがどうしても必要になるが、その一定の大きさは、そこそこ嵩張る大きさになってしまう。

このマウスは、その「一定の大きさ」ギリギリのところを攻め、尚且つ持ち歩く際の大きさを更に縮めるギミックを持った製品だ。

ある意味、何で誰も思いつかなかったんだろうという類のアイデアなのだが、要はマウスを分割収納することで、持ち歩く際の嵩を半分にしている。

こちらが、収納状態。見事に全長が利用時の半分になる。
小さくなるだけでなく、マウスの主要メカがすっぽりとキャップに入るので、持ち歩く際の破損防止も兼ねるという、中々に秀逸なギミックだ。

充電コネクタとペアリング用スイッチは、ゴム製の蓋で保護される。
この部分、使用時は内側に来るのでゴムの蓋が操作の邪魔になることもない。

マウスとしての性能は普通だが、LEDはIR（赤外線）方式なので電力消費が少なく、充電式なので電池購入が不要、Bluetooth接続なのでUSBポートが要らないなど、モバイルPCとの組み合わせで重要なポイントは、全てきちんと押さえている。

結合部分の強度も、思ったより強い。
滑り止めゴム付きの本体をキャップに挿し、凸付きのクリップを段差にひっかけて抜けを防止するという単純な方式だが、かなりガッチリ嵌る。（むしろ固すぎて抜き難い問題がある）
この手の製品にありがちな、グラつきやガタつきは皆無だ。

電源スイッチは手動式だが、センサに反応がない場合は自動スリープする（キャップ装着状態だとスリープはほとんど解除されない）ので、切り忘れても多少は安心。

白や透明の板上では反応しないなど、赤外線センサーの弱点こそあれど、それを補って余りある機能やアイデア、そしてモバイルマウスとしては破格のお値段。

ギリギリを狙いすぎた小ささなので、評価が割れそうな製品だが、個人的には大満足。
タブレットのお供に、丁度良い相棒が出来た。