読むだけでも楽しめます。
メカトロニクスの定義から始まって、CPU(MPU)がどんなところに使われているか、その応用としてこんなものがある、などの例示を導入に、教育用の試作マイコンボードを使ったポート制御によるメカトロの制御などが書かれています。
以下に教育用マイコンボードの図を引用します。
大まかな絵。ワンボードマイコン部分がArduinoのATMega AVR CPUコアとフラッシュROM,SRAMで、入出力ポート部分がATMegaシリーズのポート駆動部、バッファ部分のデータシート部分と似通っているので、そんな感じでなんとなく脳内で互換性を取って読み解く、という感じです。
ちなみにこの学習ボードはROMがi2716を2個使用したの4kB, RAMがi2114の1kBらしいです。
#もはや希少品レベルの石です。
回路図も引用します。
PPI8255周辺詳細図。丁寧にプルアップ抵抗が使われています。
ポート回路周りには74シリーズがふんだんに使われています。筆者はかろうじて74HC04は1個持っていますが、74LS00,74LS32, 74LS373, 74LS139などは持って無いし、DIPなZ80-MPUも単体で販売されているところを見たことが無いので、このマイコンボードを作るのは難しそうです。
他にも、コンパレータやオペアンプ、電流加算型DAC,梯子型DAC, 逐次比較型ADC, 追従比較型ADC・・・など、メカトロ機器(ロボット的なもの)に必要なインタフェースについて重厚な説明がなされています。
4章のアクチュエータの章では、DCブラシレスモーターやステッピングモーターの動作原理、ACモーター、油圧差動モータ、ロータリーエンコーダー、フォトインタラプタ
例:
による回転方向の検出などについて書かれています。やはり2個使って90°ずらして配置すると検出できるようです。
随所に上図のような回路図が記載されているので、自分で何らかの回路を描いて試作する時に参考になったりします。
教科書にナウさをプラスしようとする試み
元々何かの教科書だったらしく、作りが丁寧です。
各々の説明は「フレーム」という枠の中でほぼ完結しています。(次のフレームにつながる場合もあり)
なので、1日1フレームで読み進むこともできます。
本の冒頭には、こんな言葉が記されています。
今回、我々は従来のプログラム学習書に教育工学的な検討を加え、これを計画して、世界でも珍しい新しい形式のプログラム学習書を編み出した。
それは名づけて
「家庭教師シミュレーション形式」
という。
(中略)
ここには、ふつうの回答のほかに、何人かの「家庭教師のことば」が記載されている。
あるいは叱ったり、時に褒めたり、場合によっては学習者の立場に立って共感をしたり、あたかも学習者のまわりを数人の先生や仲間がとりまいて授業をしているような錯覚を起こさせるほどである。
はい、非常に胡散臭いですが当時はこの方式がナウかったのでしょう…w
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購入金額
300円
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購入日
2015年01月22日
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購入場所
古書店
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