レビューメディア「ジグソー」

PCM to DSDとはどういうものか?

DAC179X-2.1の音は自分をかなり満足させるものでした。

また、最近のオーディオ環境はRaspberry Piをネットワークプレイヤーとしたデジタルオーディオ環境がすっかり定着しています。

 

こうなると、Raspberry PiとDAC179X-2.1を繋いでみたいと思うようになりました。

 

そこで、

 

SCKを生成して多くのDACにI2S接続可能な中継基板の導入となったわけです。

 

そして、妄想はどんどん膨らみw

以前から気になっていた、この基板を導入しようということで検討を始めました。

 

とある方から、FN1242Aを譲っていただけることになり、思いっ切って導入に踏み切ることに。

とても人気があるのですぐに頒布が終了してしまったものの、作者に連絡をとってみたところ、幸運にも頒布いただけることとなりました。

 

まだ、手元に届いていませんが、6月中旬には入手できると思います。

 

 

<概要>ーーやなさんのHPより引用

 

この基板は、FN1242A DACチップを使ってI2S信号(PCM)をDSD信号に変換(P2D)して出力します。
I2S信号(PCM、DSD)のSCLK(MCLKと同意)をジッタークリーニングして、そのSCLKのクロックで、他の信号をリクロック(整頓)します。
P2D処理を行わず、I2S信号をジッタークリーニングとリクロックして出力することも出来ます。
その時は、INコネクタから入力されたPCMまたはDSD信号を、ジッタークリーニングとリクロックをして、OUTコネクタから出力します。
SCLKを使わず、BCLKをn逓倍(サンプリング周波数を判断して自動で倍率を決定)してSCLKとして使えますので、ラズベリーパイのI2S出力信号を入力して、SCLK(MCLK)を生成出来ます。
ジッタークリーニングは自動で位相差修正を行います。
リニューアル版として、PCM 48KHz以下でノイズが出る問題やFN1242Aのテストモード固有の同期ずれによるノイズ対策等を行いました。

 

ーー以上引用おわりーー

 

特徴を整理すると、

 

・MCK GENと同様にSCKを生成してくれるので、DACとの接続の中継基板となる

・加えてジッタークリーニングとリクロックが可能

・I2S接続され、Raspberry Piから送られるPCM信号をDSDに変換する

 

と、まぁそういうことです。

 

調べてゆくと、FN1242AというDAC-ICは面白いICで、IC内部のロジックが以下のようになっているそうです。

 

PCM入力の場合:PCM->デジタルフィルター->DSD変換->アナログ変換->アナログ信号

DSD入力の場合:DSD->[上記をパス]->アナログ変換->アナログ信号

 

一部のサイトで話題になりましたが、PCM入力時テストモードを使うとDSD信号が取り出せる「隠し技」があるそうで、

 

2つのFN1242Aを使って、前段のDSD変換と後段のアナログ変換をそれぞれのICに役割分担をさせてあげると高音質が得られるとのことです。

 

この基板は、この「前段」の役割+ジッタークリーニング+リクロックを行う基板ということになります。

 

後段の処理はDSD対応のDAC基板であれば、通常のDSD->アナログ変換でアナログ信号を取り出せるということになります。

 

ちなみに、PCM->DSD変換基板はエレアトさんのP2D基板が有名ですが、こちらはFPGAを使って変換しています。

(こちらは既にディスコン)

 

http://fpga.cool.coocan.jp/electrart/pcm2dsd.html

 

 

話しは戻って、このP2D基板+DAC179X-2.1の組み合わせを実現してみようという今回の試みです。

PCMをDSD変換する方法は、

 

1.CDリッピングしたWAV、FLACなどの音源データを変換ツールでDSDデータに変換し、DSD再生する。

2.この基板などを使ってリアルタイム変換し、再生する

 

があると思います。

 

PCM2DSD変換する再生がどれほど効果が認められるものかは、聴いてみないとわかりません。


 

補足:追加アイデアなど

 

本基板は、176.4KHzのPCM信号を入力した場合は、DSD512の出力が行えるので、

 

CDリッピングデータ->44.1KHz->SRCによるアップサンプリング(44.1->176.4)->DSD512

 

のようにサンプリングレートコンバータ基板を挟み、176.4KHzにアップサンプリングしてDSD512を得ることができそうです。

そこまで組み合わせる意味があるかどうかは「?」ですけど。


 

 

補足2:追加アイデア

 

良く考えてみたら、

 

DAI基板もあるので、これをI2S接続すると

 

S/PDIF入力->(I2S)->P2D->アドオン基板->(I2S)->DSD-DAC

 

つまり、CDプレイヤーなど接続してもDSD環境として使えるということですね。

 


2015.07.01

 

基板到着

 

うーん、これは難物です。

基板が小さいうえに、表面実装パーツがかなり細かい。

特にジッタクリーナーICが難しそうです。

困ったな。


2015.07.04

 

ひゃあ、辛かった・・・

何せ細かいパーツが多くて。

で、完成しました。

アドオン基板と合体の図

明日は、動作確認です。

眠い・・・


2015.07.05

 

さて、一夜あけて動作確認に入ります。

まず、接続構成を考えながらジャンパー設定などの確定をすすめます。

備忘録として

 

今回、RPiとI2S接続を考えています。

 

・電源

 

RPiとは別で独立電源を使用します。(3.3V)

仕様書によれば、本基板で500mA必要です。

さらに、アドオン基板、その先にHDMI転送基板がつながるので、これらへの給電もシリーズ化します。

→JP2をショートしOUT9ピンに3.3V出力をできるようにしておく

 

・SCKの考え方

 

RPiは、SCKを生成しないので、本基板でBCKから生成します。

→JP5をショート

→設定ピンP2をショート

 

BCLK逓倍クロックの同期調整については仕様書通り、S2ショートで始めてみます。

また、ジッタークリーナーの自動位相差修正用P4も自動修正ON(ショート)しておきます。

 

このあたりのパラメーターは動作確認しながら最終的に調整してゆきます。

 


 

 

電源投入の前に、電源入力端子をテスターにつなぎショートしていないか確認します。

 

次にRPiのピンアサインを確認しておきます。

 

 

【RPi -> P2D基板】

 

12pin -> BCK    --> 5pin

35pin -> LRCK  --> 3pin

40pin -> DATA --> 1pin

6pin -> GND -> 2pin 

 

では、いよいよRPiと接続し確認作業に入りましょう。


2015.07.13

 

ハンダ不良のショート問題で、暗礁に乗り上げていました(汗)

 

これから製作する方、製作中の方、

 

パーツの取り付けを終えて基板に電源を印可する前に、PWRピンの±にテスターをあててショートしていないか確認してみてください。

ここでショートしているとどこかにハンダ不良があるはずです。

 

もっとも可能性が高いのはICのハンダ不良です。

 

特にヤバいのは、ジッタクリーナーのSi5317です。

私も最初、これのショートを疑って一度、基板から外しました。

ただし、外す時にうまくやらないとランドがはがれてOUT!です。

 

裏面パッドからコテをあてて、ハンダを溶かしこて先をパッドの穴に差し込み、一瞬ガマンして

そのままこて先をクイっとICを裏側から押すようにすると、ポロっと剥がれ落ちます。

ハンダが十分溶けないうちに、これをしますとランドごとはがれてあの世行きです。

 

私の場合、ICは問題なく基板裏面のパスコンが原因でした。

 

やなさんが調べてくれて発覚しました。

(これは、設計者本人の好意によるものです。基本は掲示板でのサポートに限りますのでくれぐれも)

 

P2D基板が動かないと、その後のDSD原理基板、ハイブリッドIV基板が宝の持ち腐れになるので、

とにかくヤレヤレです。

 

これでようやくP2D->DSD環境に向けて一歩前進です。

先達の経験したP2Dの世界に近づきました。


 

閑話休題

 

本基板は、既にディスコンになりました。

また、この基板の製作に必要なFN1242も入手困難です。

 

私もかろうじて入手が間に合った次第でして、今ようやく製作しているという顛末です。

そういう意味では、あまり参考にならないレビューだと思います。

 

しかし!やなさんが新P2D基板の設計中です。

 

「新たなP2D基板、AK4137EQ」

http://zigsow.jp/?m=pc&a=page_fh_diary&target_c_diary_id=95150

 

旭化成のサンプリングレートコンバーターIC、AK4137EQを使った新基板です。

通常のサンプリングレートコンバーターは、PCM->PCMですが、このICはDSDにも対応しています。

つまり、P2D機能が実装されているわけです。

 

この7月から出荷開始となる新しいICですので、どなたも入手できる可能性があります。

 

もう、FN1242の時代は終わりです。

秋月電子で800円で売られていたのに、今ではヤフオクで7,8千円の値が付くICですが

無理に入手する必要はもう、ありません。

さっさと忘れてしまいましょうw

 


2015.07.17

 

やなさんのドックから帰ってきた基板をさっそく通電。

おっと、うまく動いている様子。

RPiと接続して信号入力すると、うまくロックした。

 

DAC1242-2.1をセットして、DSD入力してみる。

問題なくあっさり音がでた。

正直、ちょっとホっとした(笑)

 

ちなみに、Volumioの設定で24bit/44.1KHzにアップサンプリングして聴いている。

これだと64fsとなるのでうまくLOCKしてくれる。

 

さて、出音したファーストインプレッションですが、

期待値が大きすぎたのかw 劇的に変わったということはなく、

無音時の静粛性とか透明感が心なしか加わったように感じます。

今までより自然な空気感が増した印象です。

 

ちょっと気になるのはジッタクリーナーがLOCKする時のノイズが目立つこと。

曲の始まりがバッファリングしているせいなのかどうかわかりませんが、立ち上がりに少しタイムラグが発生します。

 

他のサイトで報告があったように、常時チリチリという小さなノイズが混じることもあります。

これは、アドオン基板で解消できるかどうか試してみたいと思います。

 

申し少しVolumioの設定をいじるなど、調整を進めてゆきたいと思います。

 


2015.07.18

 

一夜明けて朝からいじっています。

 

まずは、アドオン基板を取り付けます。

 

 

あれ?音でない(汗

W1のジャンパーを短絡し忘れていました。

 

 

ジャンパーの処理を済ませて再チャレンジしたところ、出音できました。

 

しかし、相変わらず44.1KHzの音源再生はチリチリとノイズが出ます。

曲間とか、ピアニシモのときなど耳につきますね。

FN1242テストモードの使用では避けられないみたいです。

 

 

今のところ、具合が良いのはVolumioのPlaybackメニューにあるリサンプリングメニューで、

24bit/96KHzにしてアップサンプリングしてあげるとノイズが目立たなくなるので、これでまずは設定完了。

 

本当は、88.2KHzにしたいんですが、なぜかVolumioのメニューで選択できないんです。

 

この設定だと、192KHZの音源もダウンサンプリングされてしまうんですが、そもそもCD音源しか聴かないのでまずは良しとしましょう。

 

曲の切り替えノイズはジッタクリーナーのLOCK時に発生するようなので、これはどうやら避けられないようです。

一度、曲が始まってしまえばとても快適♪

 

以降も、まだ調整が入るかもしれませんが一旦、本製作は完了とします。

あとはDSD原理基板とハイブリッドIVアンプだぁ

<了>

 

  • 購入金額

    7,000円

  • 購入日

    2015年05月30日

  • 購入場所

    やなさんの頒布

18人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (25)

  • mr_osaminさん

    2015/07/05

    とりあえず完成したものの、ハンダ不良が怖いです。
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