やはりジーンズはこうでなくてはならない、みたいなポリシーをこのブランドが生みだすジーンズから感じる。
私が中学、高校生の時分に抱いていたジーンズへの憧憬は、バックポケットに両手を突っ込み、少し猫背気味に佇むジェームズ・ディーンそのものの姿であった。
真新しく真っ青なゴワゴワした生地が、履くにつれて身体に馴染んでいく過程は、とても時間がかかる分、そのジーンズへの愛着度と比例し、更に時間を経て履きこなしたイメージを膨らませ、まるで相棒のように感じることさえあった。
褪せた風合いに惹かれ、ユーズドやウォッシュ加工を施したものを履いてみた事もあったのだが、やはり時間を共有していない分、なんだかよそよそしい感が否めず、長く付き合うことは出来なかった。

く

G-Star Rawというジーンズに出会ったのは、6，7年前くらい。
ノンウォッシュのストレートタイプを購入し、気に入って履いているうちに、出来心でユーズド加工をしたモノに脚を通して、なんとフィットすることに驚いた。
とくにこの３Dという立体裁断された独特のデザインを持つジーンズは、試着した時点で更に長く履きこんできたかのような感じを受け、買ったその日から1カ月もの間、毎日履いている。
着たきり雀だと、昨日妻に指摘されたにもかかわらず、今朝もやはり脚を通してしまった。