SONY Walkmanシリーズのうち、WM-PORTを採用していてハイレゾ出力に対応したモデル(NW-ZX1、NW-F880シリーズ、NW-A10シリーズ)は、WM-PORTからのデジタル出力に(一応)対応しています。
ここで何故一応と書いたかと言えば、ここからデジタル出力を取り出すことが可能なのは、SONY製のポータブルヘッドフォンアンプPHA-3添付の専用ケーブルか、このWMC-NWH10で変換して取り出すUSB出力かの2択であり、一般的なS/P DIF準拠のような形では取り出すことが出来ないためです。そのため、公式情報ではWMC-NWH10の接続可能機器は「SONY製のUSB DAC機能搭載オーディオ(UDA-1、SRS-X9、MAP-S1)」のみとなっています。
そのため私も当初はNW-A16からのデジタル出力には興味を持っていませんでした。しかし、Impress AV Watchに掲載されたとあるレビューで、このケーブルとセルフパワーUSBハブとの組み合わせで、汎用性のあるUSB出力が得られるというものがあり、それを検証するべく私も入手してみることにしたのです。
ある程度の品位が保たれた出力
今回は私が常用しているLUXMAN DA-100でNW-A16からのデジタル出力を再生出来るかという点について検証してみました。
WMC-NWH10は「WM-PORTオス-USB 標準Aメス」という変換ケーブルですが、このケーブルのUSB Aメス側に直接USBケーブルを繋ぎ、DA-100と接続した場合には一切出力はされません。
そこでセルフパワーのUSB 2.0対応ハブを用意して電源を供給した上で再度実験をしてみました。
ここではAdaptec製のAUH-4400を挟んでいます。
すると、今度はきちんと出力されるようになりました。
この状態での音質ですが、さすがに普段のCard DeluxeからのCOAXIAL DIGITAL入力には及びませんが、NW-A10の音質傾向がよりはっきりと表れたものとなりました。
高域方向の繊細さや緻密さはハイレゾを意識して作ったモデルだけあり、かなりの水準に達しています。しかし低域方向の力感や解像度はやはり乏しく、ここでより高価な機器との差がはっきりと表れます。またスピード感が失われてしまい、主にロック系の曲では妙に味気ない印象が残ります。この辺りは水準こそ上がっているものの、昔からのWalkmanの特徴をそのまま引きずっていると感じます。
それでも高域方向の質に限っていえば、これが2万円程度のDAPから出ている音だとは信じられません。DA-100の新たな楽しみ方を見出せたことを考えれば、このケーブルで得られるものは価格以上ではないかと思います。
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購入金額
2,553円
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購入日
2014年12月27日
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購入場所
eBEST 楽天市場店
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