アイテム登録は上海問屋の型番で行っていますが、正確には「SYBASONIC UAU19A」という型番であり、今回はセンチュリーの直販サイトである「白箱.com」の閉店セールで購入したものとなっています。
上海問屋DN-11674の他、AREA ハイレゾ USB DAC Kyo-On DSDなども同一のハードウェアで販売されているようです。
この製品の特徴は低価格でありながら32bit/384KHzまでのPCMデータ及びDSD 5.6MHzに対応しているということでしょう。DSD再生に対応したプレイヤーソフトも付属していますので、この価格でネイティブDSDを楽しむことが出来るというのが最大の魅力といえます。OPPO DigitalのサイトからDSDデモトラックを落としてきて、DSDネイティブストリーム及びPCM変換の両方で再生できることは確認できました。
この幅広い対応幅はコントローラーのSaviAudio SA9227の特性によるものですが、D/AコンバーターもCirrusLogic CS4392と、価格帯の割にはそこそこのもの(もっともピュアオーディオ用としての評判は今ひとつ)を搭載していて、なかなか力は入っているように感じられます。OPAMPはTI LM4562NAであり、これも悪くはないという水準のものが載っていますね。
PCとは標準的なUSBケーブルで接続します。原則的にはバスパワー駆動ですが、一応5Vの補助電源入力が用意されていて、バスパワーが不足する場合にはこちらから給電することも出来ます。
出力は6.3mm、3.5mmの各ステレオプラグによるヘッドフォン出力端子の他、3.5mm端子のデジタル・アナログ兼用の出力があります。試聴の際には本体のヘッドフォン端子以外にも、ライン出力からemagic emi6|2mに入力してemi6|2mのヘッドフォン出力からの音も確認しました。
この聴き方は、普段LINDEMANN USB-DAC 24/192Xを聴く際に使っている形となります。
ヘッドフォンアンプとしてはまずまず。DACとしては…
ヘッドフォンとしては、とりあえず2種類用意しました。
まずはちょっと良い程度のDAPでは全く本領を発揮できないSENNHEISER HD650です。実際に私が普段使っているSONY WALKMAN NW-ZX1やAstell&Kern AK100ではただ鳴っているだけであり、まるで本来の音にはなりませんからね。
そしてもう一つはSONY MDR-1Rです。こちらはNW-ZX1ではそこそこ鳴らせるという程度であり、クラス的にもこの辺りがマッチするだろうというところです。
まずはHD650ですが、自作の24bit/88.2KHzのハイレゾWAVを中心に聴いたのですが、意外と低域方向はDAPよりはきちんと出ます。ただ中高域方向の解像感に欠け、空間も狭くまとまってしまう傾向があります。LPから起こしたハイレゾWAVはそれなりに良さがあるのですが、その良さが感じ取れるような次元の音は出て来ません。
そこでMDR-1Rに替えてみると、先程よりは低域方向こそ薄くなるものの、解像感や質感は良くなります。ただ傾向自体はHD650と同様で空間が狭く解像感にも欠けるというところです。強いていえば、サンプルのDSDファイルをDSDネイティブで聞くと空間の密度が濃くなり、狭いながらリアリティーが感じられるようになります。PCM変換ではこのリアリティーが出て来ませんので、DSDネイティブ再生に対応している意義は感じられました。
一方、ライン出力時の音質ですが、意外にもヘッドフォン出力時の弱点がより強調され、全く良さが無くなってしまいます。LINDEMANN USB-DAC 24/192Xと比較してしまうと、本当に同じハイレゾWAVを再生しているのか疑問に感じてしまうほど、明らかに劣っています。空間が狭くまとまりすぎてステレオ感が乏しく感じられてしまうような音なのです。強いていえば光出力であればもう少し良くなるのかも知れませんが…。
USB-DACとしてよりも、USBヘッドフォンアンプとして使うのが正解といえる製品のようです。価格を考えればDSDをある程度の水準で楽しめるだけでも存在意義はあります。ただ、DACとして多くを期待するほどのものではありません。
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購入金額
14,800円
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購入日
2016年03月15日
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購入場所
白箱.com 楽天市場店
L2さん
2016/03/16
L2さんは、手持ちのヘッドホンやイヤホンでは、追加投資しないと差異が感じられないのだ、という本末転倒な理由での購入スパイラルに突入して、銭力の逐次投入する自分の未来を幻視しましたw
冷静になって、自分が本当に欲しいものに全銭力を投入する計画を立てます。
jive9821さん
2016/03/16
個人的にハイレゾ対応などという言葉にあまり意味はないと思います(スピーカーやヘッドフォン、イヤフォンで40KHzを再生できるという証明であるだけ)ので、安くても面白そうなイヤフォン等を用意すると良いと思いますよ。
ちなみに今私が最も愛用しているイヤフォンは、SENNHEISER IE80もどきの日本円で約3千円という製品だったりします…。
L2さん
2016/03/17
ヘッドホン、イヤホンの一万円を超えるような高級なものを視聴した事が無いので、
「ハイレゾ再生出来る! よし、違いがはっきり分かる様に高いヘッドホン買おう!」
と考え出すに違いないL2さん自身が、一番のブレーキポイントかもしれませんw
そのエスカレートを考慮すると、33800円で高いなあ、と思っているFRAMEマイスターを買える金額を投入するかもしれなくて、
「あれ、この金額使うなら、買えたよね? 欲しかった、アレ」
となる事が怖いのですw
ハイレゾ音源の曲を購入して、今の環境でどの位違って聞こえるのか、を比べてからでも遅くはないのかもしれませんね。
jive9821さん
2016/03/17
オーディオ沼は底なしですので、限度を弁えないと大変なことになってしまい、あまり気軽にお誘いできるものではないのですが…。
最近では郊外の家電量販店などでもヘッドフォン・イヤフォンの試聴機は置いていることが多くなっていますので、自分のプレイヤーを持参して聴き慣れた曲が快適に聴けるものを探してみると良いと思いますよ。
特にイヤフォンは同じ製品でも、耳の形状などで人によって聞こえ方が全く違う場合もありますので、他人の意見は気にせず自分が良いと思ったものが良いものと考えれば、価格に関係なくお気に入りが見つかると思います。