久保田利伸。言うまでもなく、日本のJ-POP界にブラック系の音楽を持ち込んだ男。ファンク、ソウル、ヒップホップ..彼がわかりやすく解釈し、日本のポップス界にに根付かせたジャンルは多い。
もともと「Just the Two of Us」など本場のソウルを自身のアルバムに入れたりもしていたほど本場ブラックミュージックをリスペクトしていた彼だが、そんな彼も一時期アメリカで活動した。1995年から約10年間がその時期で、その中のほぼ中間点の2000年発売の3rdシングルが本作。
表題曲「Nothing But Your Love」だけのシングルだがミックス違いが4曲収められている。
最初はシングルなのに「ALBUM MIX」から。妙な感じがするが、これはこれが久保田セルフプロデュースのもので、一番ノーマルといえるから。大きめに録られたシンベの長音のモジュレーションが気持ちイイ、ファンキーチューン。ただサビの部分はややJ-POP系。その分親しみやすいとはいえるがブッ飛んではいない。ある意味安心して聴ける。
続く無印「Nothing But Your Love」は無印なだけに、これをシングル表題曲に持ってきたかったのだろう、実はhip hop系の有名トラックメーカー故Jay Dee(J Dilla)がリミックスしたもの(それともアメリカではこちらがシングルカットされたのかもしれないが)。これはブッ飛んでる!!不協和音直前のピアノのコードと静かなリズムループでグイグイ押す。静かに押す。狂おしく押す。元アレンジのサビの日本風メロディラインなど消し飛んでしまっている。自分が持つのは日本正規盤だが、少なくともこの日本盤でこれが一曲目に来なかったのは分かる気がする。
ラストの「DATCYDE JUNGLE REMIX」はモジュレーションのかかったスペーシィな?久保田の声が速めに流れる中、パーカッションがパコパコ、ポコポコと忙しく刻む確かに「ジャングル」な感じのミックス。ちょっとディスコチックで懐かしい感じもあるが、久保田の声は加工されすぎていてよくわかんない。
久保田はアメリカで比較的長く活動したし、レコーディングだけでなく、積極的にプロモーションもして黒人音楽専門TVへ出たり、ライヴも積極的に行い、チャートこそあまり賑わせなかったが、ブラック系の音楽界に根付いた活動をした。近年では日本での活動が主で、海外にはあまり目を向けていないようだけれども、あのころ彼は確かにそこにいた、そう感じさせる作品です。
【収録曲】
1. Nothing But Your Love ALBUM MIX
2. Nothing But Your Love
3. Nothing But Your Love RICK PIER O'NEIL MIX
4. Nothing But Your Love DATCYDE JUNGLE REMIX
「Nothing But Your Love(無印=Jay Dee版)」
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購入金額
1,260円
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購入日
2000年頃
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購入場所
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