所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。人の声の持つ力。それまで関係のなかった人が声によって出会い、そして、結びつき、新たな世界を築くことがあります。そんな偶然から生まれたユニットのデビュー作をご紹介します。
CHEMISTRYは、テレビのオーディション番組「ASAYAN」で選ばれたコーラスデュオ。でもイカ天のように「バンド・グループが挑戦してデビューを勝ち取る」のではなく、ヴォーカリストコンテストで好成績だった二人が番組主導で組んだユニット、というのが異なる。
その二人とは川畑要と堂珍嘉邦。コーラスデュオというとどうしてもどちらが主旋律でどちらかが対旋律、またはAメロ担当サビ担当と決まってしまうことが多いが、その成り立ちからか、比較的イーブンなパート担当となっている。新世代コーラスデュオとしてポップ~ソウル系の楽曲を多く発表してきた。
そんな彼らのデビューシングルにして最大のヒット曲。徐々に火がつく、という長い息の売れ方をしたこの曲は、ひと頃とてもよく街に流れたので、21世紀初頭の暗明るい?世相とリンクしている。
藤本和則の書くライトソウルなポップでキャッチーな曲と、打ち込みだけれども刺激的でない音が、川畑と堂珍の粘りながら互いに絡み合うヴォーカルを支える表題曲「PIECES OF A DREAM」。唯一の生楽器?ともいえる渡辺貴浩のローズのやさしい調べが、無機質な打ち込みのアコースティックギター音と絡んで独特のメロウかつポップな雰囲気を出している。
「TWO」はブラコン系の打ち込み曲。こちらはその後の成長を識っていると、ハーモニーやヴォーカルパートの受け渡しがややカタいな、と言う感じですこしこなれていない感じだが、個々人の技量はすでに結構完成されている。多用されるリバースサンプリングのシンバルなどに若干古さを感じるが、福原将宜のギターがいいオブリを入れている。
あとは「PIECES OF A DREAM」のMIX違いとカラオケ。「PIECES OF A DREAM (OLD SCHOOL MIX)」は当時流行ったhip hop系のOLD SCHOOL風味..という事だがちょっと彼等の粘る声、比較的長音が多い曲とは合ってないカナー。すこしとってつけた感w
今(2014年現在)は、CHEMISTRYとしての活動を休止し、ソロとして活動する二人。ただそのソロに入るときのメッセージに「個人としての成功や充実がない限り、CHEMISTRYは輝かない」というくだりもあって、しばらくすると活動再開と二人の声によるさらなる化学反応が見られるのだろうか。
ソコ期待で!
【収録曲】
1. PIECES OF A DREAM
2. TWO
3. PIECES OF A DREAM (OLD SCHOOL MIX)
4. PIECES OF A DREAM (LESS VOCAL)
「PIECES OF A DREAM」Official MV
コーラスを聴かせるのにあえて無機質なオケ
音色は生っぽいのに、あきらかに打ち込みというフレーズ。二人のヴォーカルとの化学反応が面白い。
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購入金額
1,223円
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購入日
2001年頃
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購入場所
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