福耳というグループは、元BARBEE BOYSの杏子の「星のかけらを探しに行こう」をリメイクした「星のかけらを探しに行こう Again」をイベントのために歌った、杏子と山崎まさよし、スガシカオという(当時)オフィスオーガスタ所属のアーティスト3人によるスペシャルユニット。その後、その「星のかけらを探しに行こう Again」でグループデビューする。しかし、その後まず元ちとせが加わり、他のオフィスオーガスタ所属のアーティスト(COILやスキマスイッチ、あらきゆうこ(mi-gu)、最近では秦基博など)も合流する一方、忙しくなってきたオリジナルメンバーの3人が全員は関与しないこともあったりして、現在では「オフィスオーガスタ所属アーティスト同窓ユニット」という形となっている(そのためオフィスオーガスタを離れたスガは現在加わっていない)。
オフィスオーガスタは売れりゃイイ、と言うような日本のポップスミュージック界において何か共通のカラーを持ったアーティストが多い。特に声に特徴を持つアーティストが多く属する。ハスキーな杏子、上品な?ダミ声の山崎まさよし、民謡系こぶしの元ちとせ、透き通る秦基博、七色の声さかいゆう...彼等が渾然一体となって一つの曲を形作っている。
本作は福耳名義の3作目で、参加アーティストは杏子、山崎まさよし、スガシカオの元祖?3名と存在感のある声で彼女のパートが独特の世界に変わる元ちとせと、2作目以降特に楽曲制作の面で欠かせないメンツとなったCOILにサンプリングサンやあらきゆうこといった顔ぶれ。
聴くと夏の抜けるような空が思い起こされるような作品。
「杏子 with 山崎まさよし」とクレジットされた、杏子主体ながら山崎の味のあるハモリが気持ちイイ「SUMMER of LOVE」。うねりのあるベースを弾くザザンの関口和之が病気療養中に代役を務めた根岸孝旨が奏でるシタールが異国的なスパイス。カタカナ英語を使った歌詞が杏子のハスキーな声に合う。♪マナツ ノ ヨル ノ ユメ/ロック・スターが/空を翔ける/クラッピョハン/胸焦がせば/あり得ない/恋にだって落ちそう♪
「ALL OVER AGAIN」は夏の終わりを感じさせるレイドバックしたロックチューン。Aメロ以外に比較的大きく入るストリングスがThe Beatlesっぽくてチョットノスタルジックな「ALL OVER AGAIN」。この曲はなんといってもブリッジ部分の元ちとせの独唱による「ちとせわぁるど」。「Associate Vocal」とクレジットされているのは世界が違うから?w
福耳としては現在も3~4年に1度周期で集まってはなんか出してる。メインヴォーカルの杏子の存在感が強いので、メチャクチャとっちらかった感じはしないんだけれど、特に元ちとせが入ってからはなんか「おもしろい」。杏子のロックな声と元ちとせのこぶし、ガンガンロックなリズムにシタールの調べ...ミスマッチの妙?異文化の出逢う化学反応?「福耳とは」と「型にはめて」は考えられない、イヤ、考えてはいけない、そんな「一時集合のユニットだからこその」おもしろさを感じさせるユニットの作品です。
【収録曲】
1. SUMMER of LOVE
2. ALL OVER AGAIN
「SUMMER of LOVE」
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購入金額
1,050円
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購入日
2004年頃
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購入場所
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