レビューメディア「ジグソー」

クラシックPCの救世主。多くの機種に対応するCFアダプタ

Compactflashメディアを、SASIやSCSI機器に接続出来るようにする、変換アダプター。

レトロPC界隈で、ここ数ヶ月話題になっている製品。

 

変換番長本体。CFは付属しない。
ネジ配置は2.5インチHDDの下部ネジに準拠。

というのも、既にレトロPC・・・特にSASIしか載っていないような端末には、接続可能なストレージを探すだけでも不可能に近く、あったとしても既にプレミアが付いているため、ベラボーな高値で取引されるのが常。

 

SCSI機器なら比較的まだ安価に入手可能だが、それでも既に20年近く前の製品が大半なので、いつ壊れるか知れたものじゃない。

静音なんてもの考慮すらされない時代の製品だから、動作音もハンパなく五月蝿い。

 

 

本製品は、そうしたレトロPCの維持に勤しむ人々にとって、福音とも言える代物だ。

今でこそ8GBのCFなど、手軽に買えるお値段であり、少し不足気味な容量とも言えるが、20年前の8GBといえば、そりゃもう大変な大容量。

 

なにしろ、FD一枚でグラディウスが遊べた時代なのである。

ちなみに、当時購入した1GBのHDDは5万円くらいで、システム一式ぶち込んでデータ類も叩き入れ、ファイラーその他もぶち込んであるが、普通に300MBくらいしか使用していない。

1GBのHDDは、当時「どうやって埋めれば良いのか迷うくらいの大容量」だったのだ。

 

その大容量HDDが、本製品では最大10基分確保することが出来る。

ちなみに、今回ウチで搭載したX68000-XVIの場合、7基分確保が最大。

 

何でCF一枚しか搭載できないのに、最大10基分確保という話になるのかというと、このアダプタはSCSI信号なら最大8基分、SASI信号なら最大10基分のHDDとして、CFを容量分割・別ハードウェアとして認識出来るから。

基盤横にあるディップスイッチが、そのへんの設定用。

左のDIPSW1の設定は下記の通り。なお、初回ロットのみ7と8の機能がない。

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1.SCSI/SASI切替(ONでSASI、OFFでSCSI)

2.物理セクタ長切替(ONで256、OFFで512)

3.98番長モード切替(ONにすると、設定如何に関わらず先頭ドライブが500MB制限)

7.NECモード切替(ONにすると機器番号の先頭にNECが付く。PC98用設定)

8.バスパワー切替(ONにするとターミネーターパワーで駆動)

 

5~6は、1ドライブあたりの容量設定用で、組み合わせで20MB~制限無しが選べる。

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ちなみに、ターミネーターパワー線で供給する仕様の関係で、バスパワー駆動モードをX68000で使うと確実に故障するため要注意、とのこと。

どーしても使いたい場合、チップヒューズを1.5A以上のものに交換することでOKだそうだが、内臓HDD用の電源コネクタを変換して利用するほうが手っ取り早いだろう。

 

右のDIPSW2はSCSI-IDの設定用で、右からID0~7に対応する。

ONにすると有効、OFFで無効。

X68000は、本体SCSIチップでID7を使うため、7は使用できない。

 

そういうわけで、上掲の写真は「SCSI利用、非NEC向け設定、1GB容量制限」のドライブが、SCSI-ID0~6に一基ずつ接続されている、という設定になる。

 

ちなみに、このSCSI-IDはいつでも有効・無効にすることが出来、無効化した場合でも基本的にその中身は維持される。

まだ試していないが、この性質を利用して「ID0にファイラー、ID1にSX-Window」環境を作って、ID0をON/OFFすることで環境切替とか出来るかもしれない。

 

こちらは、X68000-XVIに内臓してみたの図。

元々HDDを内臓していたタイプなので、内臓HDD用の配線が全て揃っていた関係から、内臓に必要なのはペリフェラル4PIN→小4PIN変換ケーブルだけだった。

 

なお、HDDを内臓していないX68000の場合、ミニ3PINからミニ4PIN変換するコネクタを自作する必要がある。(確か内臓SCSIケーブルは配線されているはず)

 

上掲の写真では、IntelのSSDに付属している3.5-2.5マウンタ(daiyanさん謹製ジャンク箱から拝借)に、5ミリのジュラコン・スペーサーを噛ませ、10ミリ長ネジとナットで基板を固定。

更に内臓3.5インチ用マウンタへ、同じネジとナットを使って2.5マウンタを固定している。

 

基板のネジ穴位置は2.5HDD/SSDに準拠するが、内臓ターミネータ用抵抗ソケットに近い側のみ、かなり小さい頭のネジでないと干渉する。なお、3ミリ径でも片側だけ干渉した。

 

正常に認識した場合、こういう具合になる。
X68000ではHDD搭載数制限=SCSI機器接続制限なので、本体IDと被る7を除く0~6が利用可能だから、最大7基の1GB-HDDを本体に内蔵したのと同じ状態だ。

これで外付機器の喧騒ともオサラバできる。
出来れは次は、5インチFDDのスペースに収まるFDDエミュレータとか欲しいなあ。

  • 購入金額

    13,800円

  • 購入日

    2014年11月29日

  • 購入場所

    三月兎

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