レビューメディア「ジグソー」

さあ、お前の罪を数えろ...

所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。子供番組と侮るなかれ。最近の主題歌は単体で聴いても十分鑑賞に足るものが使われます。そんな良質の主題歌を生み出し続けている、長寿シリーズ番組の主題歌の一つをご紹介します。

仮面ライダーW(ダブル)。二人で一人の仮面ライダー。変身前は二人だが変身すると一人がもう一人に精神が転送されるような形で一人のライダーになる(変身時は転送元となった方の人物は気を失うw)。それぞれが3つのメモリ(地球の記憶とされていてその記憶の能力を使うことができる)を持っていて、3✕3の9通りの変身形態があり、それぞれ能力が違って得手不得手がある、というのが面白かった(後に追加メモリや1つでも変身できるメモリが出てワケわからん感じになったけれどw)。

以前この直前の番組、「仮面ライダーディケイド」の主題歌「Journey through the Decade」

 

の時にも書いたが、最近仮面ライダーは主ターゲットたる子供(たぶん小学生男子)の他に低学年時は一緒に視聴する事も多いだろうその母親にもアピールするように?イケメン俳優を主人公に配している。音楽も凝っており、有名アーティストに依頼したり演奏も単体で楽しめるようなバンド調のものである事が多い。特に、2006年から2009年のあたりがピークで、YU-KI(TRF)⇒AAA DEN-O form(AAA)⇒Tourbillon(LUNA SEAの一部メンバー)⇒GacktとJ-POPやV-ROCKシーンで売れているメンメン。

そのあとを受けたWは少し知名度では落ちたが、それでも挿入歌

 

はAKB48のメンバー(当時)だったりとまだ力入っている。そしてその主題歌がこちら。

歌うは上木彩矢TAKUYAで、「上木彩矢 w TAKUYA」と名乗る。二人で一人の仮面ライダー、「仮面ライダーW」を意識してか、上木彩矢がメインヴォーカルだが、TAKUYAも単なるコーラスではなくて、ラップ調の対旋律を入れたり、ギターソロを弾いたり結構張ってる。結果、男女のデュエット、という珍しい仮面ライダーソングになった。

W-B-X ~W-Boiled Extreme~」。もともと「仮面ライダーW」は、ライダー以外の日常劇の部分は、松田優作の探偵物語(TVの方)をオマージュしたような雰囲気の作品。その造りに合わせてか、導入部分はやや物悲しげなイメージで、ミュートトランペットでハードボイルドに?始まるが、すぐハネるリズムでビートイン。メンツはドラムが「Love ♡ Wars」でもグルーヴィな爆裂ドラムを叩いていたMASAKI、ベースはToshiyanof the 3rdことTOSHIYAに、ギターはもちろんTAKUYA。これにキーボード系のプログラミングで、仮面ライダーの多くを曲を手がける鳴瀬シュウヘイが加わるという布陣。Aメロではバックビート4拍目を喰うという突っかかる様なリズムに、彩矢のドスのきいた声が乗り、その隙間にTAKUYAが割り込むという構成で、前へ、前へと引っぱるイケイケの曲に仕上がっている。

続く「W-B-X (Hard Boiled Jazz Edit.)」は「Jazz」と言ってもジャズ風アレンジを施した打ち込み中心のインストチューン。シロフォン系の音色になった主メロに、4ビート調リズムにしたサビ、オブリに入れられるミュートトランペットと物悲しく仕上げ、基本コミカルなんだけれど、どことなくうら寂しい色合いの街を舞台にしたこのドラマに合っているとはいえる。

付属のDVDは寸劇込みで「W-B-X ~W-Boiled Extreme~」が収められる(その後のクレジット部分のBGMには「W-B-X (Hard Boiled Jazz Edit.)」を使用)。寸劇にはメインキャスト、すなわちWに変身する左翔太郎とフィリップを演じる桐山漣と菅田将暉、ヒロイン?w鳴海亜樹子こと山本ひかるが出演する導入とエンディングが付いており、彼等のアジトで上木彩矢 w TAKUYAがライヴを行う、という感じの設定。途中に変身シーンがあるのだが、変身できず上木彩矢とTAKUYAの衣装の色が変わってしまうというのがポイント。ラストの方でライダーが出てきてスーツアクトを披露するのは定番サービス?w

上木彩矢の声は結構パワフル。
上木彩矢の声は結構パワフル。
 
TAKUYAのラップ調の合いの手もスピード感あってイイ!
TAKUYAのラップ調の合いの手もスピード感あってイイ!
 
そしてお決まりの変身シーンがww
そしてお決まりの変身シーンがww
 

このあとの平成ライダーの主題歌は(子供がほとんど見なくなったので、たまにTVつけたときに耳にするくらいだが)やや初期に回帰したみたいなヒーローもの系の曲作りで、ここまで楽曲のみで楽しめる造りではない。この曲のように上手く作れば、曲とドラマのマッチング取りながらも曲単体としても楽しめる造りにする事は可能だと思うのだけれど。それともこの仮面ライダーWは子供と一緒にほぼ全話見たために、思い入れがあるだけなのだろうか?

ディスクもトレーも仮面ライダーWを表すWマーク入り。
ディスクもトレーも仮面ライダーWを表すWマーク入り。
 

この曲を聴くと風都の風に流れるあの決めゼリフが耳に蘇ります...「さあ、お前の罪を数えろ...」

【収録曲】
<CD>
1. W-B-X ~W-Boiled Extreme~
2. W-B-X (Hard Boiled Jazz Edit.)
3. W-B-X ~W-Boiled Extreme~ (instrumental)
<DVD>
1. W-B-X ~Video Boiled Extreme~

「W-B-X ~W-Boiled Extreme~」

更新: 2021/06/20
必聴度

ぜひフルコーラスで聴いて欲しい

2番のAパートのアレンジがいい!

  • 購入金額

    1,890円

  • 購入日

    2009年頃

  • 購入場所

16人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • れいんさん

    2014/09/19

    サイクロン!
    ジョーカー!!

    この仮面ライダースキスキスー!
  • cybercatさん

    2014/09/19

    このライダーはカッコよかった気がする。
    前作がライダー自身は仮面ライダーバーコードwと呼ばれたピンクっぽいディケイドだったからか、キカイダーっぽいイメージもある左右が異なるこのライダーはとてもかっこよく見えましたね。
    何となく、石ノ森章太郎に通じる匂いがあって。

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