SSDの選定
選定の過程
M.2は規格上の問題や相性もかなり出るので事前に調査が必要です。
今回は「PCI Express 対応の M.2 PCIe SSD」を検討します。
容量は256GBとします。書き込み性能が高くなるのが256GB以上の為です。
マザーボードの候補としていた「ASRock Z97 Extreme6」のUltra M.2はSATAコントローラとではなく直接CPUと接続する事により、通常のM.2よりもパフォーマンスが良いという点からもUltra M.2を活かせるSSDを検討しました。
http://www.asrock.com/news/index.jp.asp?id=2145
ASRock Ultra M.2 は、M.2 インターフェースを CPU に直接接続することにより、レイテンシを低減させ I/O 速度を新たなレベルへと押し上げました。
以下2機種から検討を行いました。
・PLEXTOR PX-G256M6e
・Samsung XP941 (MZHPU256HCGL-00004)
その結果「PLEXTOR PX-G256M6e」を選定しました。以下が決定打になりました。
・5年保証
・TOSHIBA製NAND採用
・Marvellコントローラー搭載
・OROM(OptionROM)搭載
速度は爆速ではないもののSequentialは実運用にさほど影響がなく、実運用に注目するTOSHIBA/Marvellの安定感を選びました。
雑誌(DOS/V POWER REPORT 2014年07月号 P22-25)の検証では例に挙げた5つのマザーボードのうち、PlextorはOROM(Option ROM)搭載という事もあり全てがブート可能で、Samsungは2つのみブート可能でした。他レビュー等も見た上でASRockとMSIはブート可能なマザーボードが多いようです。
現状のPCIeネイティブSSDはAHCI接続ですが、将来的にNVMe(NVMe Express)接続の方がプロトコル効率化・レイテンシ減少でパフォーマンスが良くなるとの事でそれを待ってからでも良いかと思います。
選定の候補
① PLEXTOR PX-G256M6e
http://www.links.co.jp/item/px-g256m6e/
http://www.plextoramericas.com/index.php/pcie-ssd/m2/m6e-m2-2280
○ 内部接続はPCI Express 2.0×2(10Gbps)の高速 M.2 PCIe SSD
○ Seq Read770MB/s、Seq Write580MB/s
(128GB : 256MB DDR3 , Seq Read770MB/s , Seq Write 335MB/s)
(256GB : 512MB DDR3 , Seq Read770MB/s , Seq Write 580MB/s)
(512GB : 1GB DDR3 , Seq Read770MB/s , Seq Write 625MB/s)
○ Marvell 88SS9183、PCI-Express対応SSDコントローラー搭載
○ TOSHIBA製19nm Toggle NAND採用
◎ OROM(OptionROM)搭載
◎ 5年保証
・ フォームファクタ:M.2 2280
対応規格上からも爆速ではありませんがTOSHIBA/Marvellの安定感と5年保障が魅力。
OptionROM搭載なので(相性はあるとして)ほとんどのマザーボードでブート可能である事から使い回しも考えると安心感があります。
TOSHIBAはベンチより実運用に注目するメーカー(例えばSSDではNCQはかえって遅くなる事があるので採用しない、書き込み限度が来る前に読み取り専用モードに移行させデータを保護する等。このあたりはコントローラと一体となった話ですので本製品はその限りではありません)ですので、個人的には積極的にTOSHIBA製NANDを選んでいます。
Marvellもベンチ最速ではなく実運用としてメンテ不要かつ安定した速度というポリシーでTOSHIBAと相性の良いメーカーです。
Plextorは「M5P/M5S騒動」や「M6無償交換」など最近のクオリティに懸念あり。
PLEXTOR「M6 Pro」シリーズについて、障害および無償交換対応をアナウンス
http://www.gdm.or.jp/pressrelease/2014/0901/83928
② Samsung XP941 (MZHPU256HCGL-00004)
http://www.samsung.com/us/hpworkstation/
http://www.samsung.com/us/news/newsRead.do?news_seq=21047
◎ 内部接続はPCI Express 2.0×4(20Gbps)の超高速 M.2 PCIe SSD
○ Seq Read 1080MB/s、Seq Write 800MB/s
(256GB : Seq Read 1080MB/s、Seq Write 800MB/s)
(512GB : Seq Read 1170MB/s、Seq Write 930MB/s)
× バルク品として出回っている(=ショップ独自の保証)
× OROM(OptionROM)非搭載
・ フォームファクタ:M.2 2280
規格上からもですがベンチマーク(Seq)が爆速です。
M.2が1000MB/s(実際は900MB/s程度)なのでUltra M.2にする価値があります。
現状PCIe 2.0 x4の製品は本シリーズしか出回っていないようです。
OptionROM非搭載なのでブート可能なマザーボードが限られている。
ただでさえM.2対応マザーボードが少ないので使い回しが難しそう。
現状ではバルクしか出回ってない模様。
その為ショップ独自保証で1カ月~1年程度になっている。
製品内容
組み込み
Ultra M.2での接続です。
受け側のネジ穴をサイズに合わせて置き、SSDを差し込み、ネジ留めします。
尚、M.2 SSDは斜めに入れず真っ直ぐに入れる必要があります。(マニュアルに記載有)
その為、PCIeの間隔が狭いと抜くのが大変です。
Ultra M.2 接続の場合 → M.2 接続の場合
本製品はシーケンシャルでは6Gbps(600MB/s)以上出ているものの取り急ぎ移行するほどの必然性は低いかと思います。しかし4K(QD32)はかなり速くなっています。
またUltra M.2スロットとM.2スロットの両方で検証してみたがあまり変わりませんでした。しかし4K(QD32)はUltra M.2の方が速くなっています。
この構成でしたらM.2接続で十分です。
Plex Tool
PlexTurbo使用前→使用後
あまり変わってないような・・・
実際使っても違いが全く分かりません。
トラブル
現象:M.2 SSDをUEFIから見失う場合がある
電源を付けるOS起動しないのでUEFIで見てもUltra M.2を見失っており、M.2に繋いでも同様。
何度かリブートすると復活。リブートまでの秒数が短いと2度程度必要で時間をかけると1度で済む。
異常:OS起動しない / 異常:M.2認識してない / 通常:M.2認識している
対応策:UEFIの設定変更。
Windows8(64bit)の環境において、本設定とマザーボードのファーム、本SSDのファームを更新したところ問題なくなったようですが・・・
何件か問い合わせがあり、Windows8.1では以下設定とする必要があるそうです。
・Boot - CSM(Compatibility Support Module) → Disabled
・Boot - Setup Prompt Timeout → 5秒
ブートに正式対応してないM2でCSMをDisabledにするというのはあるけど、本SSDはそのためにOptionRomを搭載しているはずではないだろうか?
これだと7と8(32bit)等はCSM必要だから根本的な解決ではないんじゃない?
それに早いSSDにさせといてタイムアウト5秒ってのもねぇ・・・
こんな状態ではとても薦められないです。
ファームウェア
PX-GxxxM6e_1.04.zip
2014/02/24 1.01
- 1. Compatibility on ASUS, DELL, Acer, HP, Lenovo platform.
- 2. Read/Write performance on Windows 8.
2014/03/20 1.02
- Compatibility on ASUS, MSI, Gigabyte, ASRock platforms.
2014/07/01 1.03
- 1. GC executing flow and feature to utilize drive health during operation.
- 2. Feature of supporting Windows secure boot.
2014/07/30 1.04 → 購入時
- 1. Feature of windows secure boot which is not supported on some platforms.
- 2. Error which might occur when running some PCMark test.
2015/01/22 1.05
- 1. Drive stability under few heavy work loading conditions.
- 2. File format of updater changed to ISO.
- 3. M6e SSDs are supported by PlexTurbo 2.0 now.
To utilize your M6e SSD , it is recommended to update firmware to the latestver.
※ PlexTurbo 2.0 is only bundled in Plextool 1.1.6 or the above version.
M.2 とは
M.2は当初「NGFF(Next Generation Form Factor)」と呼ばれていました。
M.2 は以下のように表記されます。
Type [幅] [長さ] - [厚み] - [Key ID]
(例)「Type 2280-D2-B-M」
「22」:幅(mm)
「80」:長さ(mm)
「D2」:厚み(mm)
「B-M」:コネクタ形状(Key ID)
PC用として一般的なのは以下のものです。
・SSDはType2280の幅22mm x 長さ80mm
・マザーボードはSocket3(Key M)
厚みやKey IDは表記されているケースが少ないようです。
サイズ
カードの幅(mm)
・12/16/22/30 mm の4種類。
カードの長さ(mm)
・16/26/30/38/42/60/80/110 mm の8種類。
マザーボードは30/42/60/80/110に対応したものが多い
カードの厚み
・S(片面実装)はS1~S3の3種類。
・D(両面実装)はD1~D4の4種類。
確認出来たのはS2:2.75mm、D3:3.85mm、D?:4.85mm。
コネクタ形状(Key ID)
A~Mの12種類。
コネクタ名称 : インターフェース
・Key A : PCIe x2/USB/I2C/DP x4
・Key B (Socket2) : PCIe x2/SATA/USB/PCM/UIM/SSIC/UART
・Key E : PCIe x2/USB/I2C/SDIO/UART/PCM
・Key M (Socket3) : PCIe x4/SATA
Intel9シリーズのマザーボードではSocket3採用が多い。
注意点
・市販されているM.2 SSDには、内部接続が従来のSATA3.0ものがあるので、高速なPCIe接続のものを選ぶようにしたい。※Ultra M.2は内部接続がPCIe専用でSATAは使えません。
・マザーボードとM.2 SSDとOSの組み合わせによってはOSをブート出来ない。マザーボード側がM.2 SSDからのブートに対応していないケース、M.2 SSD側にOption ROMを搭載している為にブート出来るケース、など事前に組み合わせを調査しておく必要がある。※OSインストール時に別途ドライバを読み込ませる事で可能な場合もあります。
・ブートするにはUEFIセットアップを行う必要がある。そのためOSはWindows7/8となる。
・マザーボードとM.2 SSDともに規格があるので合うものを選ぶ事。選択肢が少なく相性問題の出やすい現状ではマザーボードのサポートリストに掲載されているものを選ぶのが最善。
・Ultra M.2の帯域はPCIe 3.0 x16から使うのでVGAがPCIe 3.0 x8となるマザーボードがあります。マザーボード(およびCPU)のランクを上げて影響無いものを選ぶか、Ultra M.2優先にしてVGAは遅くするか、VGA優先にしてM.2にするか、あらかじめ考えておく必要があります。※通常のM.2はVGAに影響しません。
その他
理論上限値:
・PCIe 1.0 x1:2.5Gbps(250MB/s)
・PCIe 2.0 x1:5Gbps(500MB/s)
・PCIe 3.0 x1:[10Gbps(1GB/s) , 8Gbps(800MB/s)]
・SATA 3.0:6Gb/s(600MB/s)。
・SATA Express (PCIe 2.0 x2):10Gbps(1GB/s)
・M.2 (PCIe 2.0 x2):10Gb/s(1GB/s)
・Ultra M.2 (PCIe 3.0 x4):[40Gbps(4GB/s) , 32Gb/s(3.2GB/s)]
理論上限値と実際の速度:
プロトコルによるオーバーヘッドやCPUの処理速度などもありSATA 3.0では9割程度が上限。
Crystal Diskinfo
Sequencial (1MB):ベンチマークとして評価される事が多いが実運用ではそれほど意味はない。
512K:
Random 4K (Queue Depth=1):NTFSのクラスタサイズが4KB。OSの起動が早くなる。
Random 4K (Queue Depth=32):NCQ機能を使ったランダムアクセスの速度。
SSDでもNCQを使うことでアクセスが整列されキャッシュ効率がよくなり、メモリの並列書き込みが効率化されるので更に性能向上が見込めるそうです。
参考
DOS/V POWER REPORT 2014年08月号 P50-55
DOS/V POWER REPORT 2014年07月号 P22-25
【Haswell Refresh徹底紹介(4)】M.2の実力は?
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/dosv/20140603_651074.html
PlextorからM.2対応のSSDが3モデル登場、内部PCIe接続
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/20140511_647714.html
「PCI Express M.2」新インターフェイスの実力は?
http://www.pc-koubou.jp/blog/m2.php
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購入金額
26,800円
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購入日
2014年09月06日
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購入場所
sofmap.com
daiyanさん
2014/09/15
このSSDだとどちらに接続しても大体同じ結果でしょうね。
↓AsrockのZ97Ex6ページより
※ウルトラ M.2 (PCIe Gen3 x4), 1 M.2 (PCIe Gen2 x2 および SATA、30mm、42mm、60mm、80mm、110mm M.2 デバイスに対応),
なので、このSSDであれば通常利用ではM2側に挿しておいた方が
GPUの帯域食わないで済むと思います。
ぱずるさん
2014/09/15
日記でのメッセージ助かりました。あらかじめ情報があってそういう視点で記事等見るとよく理解できました。・・・まだまだ書き間違いがいっぱい・・・
仕様的にはただのM.2のASRock Z97 Extreme4で良かったのですがHD_AUDIO端子の位置が気に食わなくて6にしました。
daiyanさん
2014/09/15
という結論に出来そうですねw
SAMSUNGの方はZ97の帯域にはオーバスペックなので
X99くらいのレーン数は欲しいですねぇ。
ぱずるさん
2014/09/15
久しぶりに通販ショップに電話で在庫確認しました。
M.2 SSDの方は在庫僅かだったらしく何とか間に合いました。
X99とかDDR4もまだまだ未知の世界です・・・