オーディオテクニカの新ギミック搭載のカナル型イヤフォンです．
ダイナミック型ドライバを2基/ch搭載していますが，帯域分割ではなく，同期駆動させるデュアルシンフォニックドライバ方式．

もう，これ以上イヤフォンを増やすことはないと思っていましたが，どうしても気になるATH-IM50とATH-IM03．
ATH-IM03は，高価なので，簡単には買えませんが，ATH-TM50は5000円以下と比較的安価．

ボディーはプラ製ですが，リケーブル対応で，コンプライも付属．上位機種のATH-IM70は，同じドライバ構成で，ボディがアルミ/プラのハイブリット．
これ以外は，基本構成は同じで，付属品も同じ．価格が倍程度違うので，どうしても気になる下位のATH-IM50．

そのATH-IM50ですが，なかなかネット上での評判もいい．ここでのNanaMinoさんの評価も高い．
でも，”９”が付かない型番のオーテクの音は，あまり信用できない（9が付いても信用できませんが)．


どうしようか？　・・・・・・・・　と，悩んで数ヶ月．
そろそろ忘れかけた最近，ADL H128のレビューをさせていただき，大変気に入ったiHP-35Xを探しているとき，偶然に見つけてしまった．．．
3000円でコンプライ無しのATH-IM50．


そして，気がついたら，ポチっていました．
コンプライは，好きではないので，あっても使わないしと思った瞬間，意識が無くなりました．．．


相場5000円以下で，プラ製ボディーですから，高級感こそありませんが，見た目はそこそこ，ケーブルは意外に立派．
コネクタが，オリジナルな点が，気に入りません（自作できないので）が，ケーブル自体は上位機種と同じなので，コスパは高そう！


装着は，耳掛け（Shure)式になります．ケーブルにワイヤが仕込んであり，自分で形状を整える方式．これは，意外に大変．

そして，音出し．
期待はしていませんでしたが，やはりエージングは必要．
しばらく放置．


3日後くらいに聞いてみると，別人．
久しぶりに感じる，"ドキッ！”感．

ダイナミック型の音で，低音よりのフラット気味．
BAみたいな解像度はありませんが，丁度いい感じのバランスで，モニタ用途向きではなく，明らかにリスニング用．
カナル型にしては，そこそこの拡がりと奥行きが感じられる，オーテクらしからぬ音．

低域は，質のいい低音で，無理に出している感じが無く，気持ちいい．
中域は，聞きやすく，低域との分離もいい．温かみのある音質．
高域は，価格なりですが，刺激的ではなく，やや抑え気味．

トータルバランスでは，とても5000円前後とは思えない音です．
ATH-CKS90より，遥かに質の高い音を出します．よほどの低音スキーでない限り，ATH-CKS90よりATH-IM50を気に入ると思います．

SE215より，全然オススメです（SE215は長時間聞いていないので，実力が把握できていない可能性はありますが）．

モニタ用途なら，ATH-CK90PROMK2には全く歯が立ちませんが，価格差を考えれば，当然の結果．しかし，リスニング用なら，むしろATH-IM50のほうが適していると思います．心地いい音です．

そんな非常にコスパの高いATH-IM50ですが，一つだけ難点があります．これは，個人差があるので，全く問題にならない人もいると思います．
それが，フィット感．
比較的大きなボディーのカナル型のため，耳の大きさや形状によっては，フィット感がイマイチになる可能性があります．私の場合も，どうも合わない．指で補助しないとベストポジションが得られません．これは，イヤーピースやShure掛けの問題ではなく，形状の問題です．ATH-CK90PROやATH-CKS90では全く問題無くても，ATH-IM50はフィットしません．
もし，試聴できる環境があるようでしたら，事前に試聴してから購入することを強くオススメします．

5000円以下でカナル型イヤフォンを探しているなら，絶対に外せない一品です．
特に，オーテク嫌いな人にも一度聴いてもらいたいと思えるATH-IM50です．

ただし，フィッティングだけは要確認です．