「源ノ角ゴシック※1」は、AdobeがGoogleと共同開発した多言語オープンソースフォントです。先日レビューした仮名書体「こうぜい」も、巷で話題になっている美しい書体でしたが、「源ノ角ゴシック」は、今、世界でもっとも注目されている書体と言っていいと思います。
WEBフォントやAndroid OS搭載を目的に作られたフォントということで、最初はまあ要らないかなぁ?と思っていたのですが、よくよく調べてみると、ヒラギノや小塚ゴシックに負けないくらい美しい書体で思わず入手してしまいました。
※1 「源ノ角ゴシック(げんのかくごしっく)」は、権利関係の絡みでAdobeではSource Han Sansと呼ばれているのに、GoogleではNoto Sansと呼ばれていたりと、微妙に名前がややこしい事になっています。
「源ノ角ゴシック」は、オープンソースとしては世界初となる日本語と韓国語および中国語で用いる繁体字と簡体字のグリフに完全対応したサンセリフゴシック体で、日中韓に加え、欧文としてSource Sansファミリーのラテン文字、ギリシャ文字、キリル文字にも対応しています。
フォントファミリーは、ExtraLight 100、Light 200、Normal 300、Regular 400、Medium 500、Bold 700、Heavy 900の7ウェイト(文字の太さ)。DTP的にはこれで十分ですが、イタリック(斜め文字)が無いので、Wordなどのオフィスで使うには少し扱いづらいかもしれません。
この日本語フォントの基本デザインを担当したのはAdobeのフォント開発チームで、シニアデザイナーを務める西塚涼子氏。「かづらき」「りょう」「りょうゴシック」など有名書体をデザインした人物として有名な方で、「源ノ角ゴシック」をデザインするにあたって、Andoroid OSに搭載されいている書体Droid Sansとの親和性と、印刷及びディスプレイ、スマートフォンなどのモバイル機器での可読性を重視されたそうです。
文字の雰囲気を掴むために、少し文章を書いてみました。(芥川龍之介の羅生門)
比較用に小塚ゴシック / 游ゴシック / ヒラギノ角ゴ / MSゴシックと、ビジネス&プロフェッショナルユースでよく使われる代表的な和文ゴシック体を並べています。
是非、画像リンク先を開けて原寸大で比較してみてください。
(スマートフォンで観て頂けると特に分かりやすいです。)
源ノ角ゴシック:
メリハリがあってスッキリした印象を受ける。縮小表示でも文字が潰れにくく読みやすい。
小塚ゴシック:
丸みを帯びモダンな印象を受ける書体。縮小表示でも懐が深いため読みやすいが、源ノ角ゴシックほどではないか。
游ゴシック:
古典的な書体で涼やかなで柔らかな印象を受ける書体。落ち着きのある良い書体ですが、文字が細いため、ディスプレイや縮小表示での可読性は低い。
ヒラギノ角ゴ:
MAC OSにも搭載されている定番モダン和文書体。懐が大きく取られており可読性は高いが、文字間が狭い為、長文になると少し窮屈に感じる。
MSゴシック:
定番中の定番PCディスプレイ表示用書体。さすがに液晶ディスプレイ用書体だけあって読みやすいが非常に硬い印象を受ける書体。当たり前だが、前述のプロフェッショナル書体と違って、illustratorの文字レイアウト機能(プロポーショナルメトリクス/自動カーニング処理)を受け付けてくれないので、文字間が隙っぱになりがちで少し不細工に感じる。
こうやって有名書体を並べてみると、文章の雰囲気が全く変わってしまうので楽しいですね。その中でも、源ノ角ゴシックは、視認性、可読性、判読性の全てが高い次元に纏まりつつ、癖が少なくスタンダードな印象で非常に扱いやすい書体となっています。
数字なども半角英数字が等幅ではなくプロポーショナルなので、欧和混植でもバランスが崩れることなく美しい文章を作成することが出来ます。
ポスターなども7ウェイトもあるので、見出し専用書体に比べると多少インパクトが弱いものの十分使えます。(勿論、Zigsowのレビュー見出しにも十分!)
Download方法はいくつかありますが、
WEBフォントとして使いたいならAdobe Typekitから。
とりあえず、7ウェイト全部Downloadしたいなら Google「[link:Noto Sans Japanese:http%3a//www.google.com/get/noto/#/family/noto-sans-jpan]」から。
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購入金額
0円
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購入日
2014年07月27日
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購入場所
Google
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