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TASCAMのプロ用マイクプリアンプ搭載2chオーディオインターフェイス

前置き

初音ミクを筆頭としてボーカドイロドでメージャーになったDTM及び動画投稿サイトや生放送などで活躍の場を広げつつあるとはいえ未だそれほどメジャーな機器とは言えないオーディオインターフェイスをレビューするにあたり色々悩みに悩んだ末、3構成に別けてレビューします。

まずはメーカーが売りにしている特長やこのオーディオインターフェイスが他のオーディオインターフェイスと何が違うのか。

次に普段書いているレビューと同じく、実際に使った感想や印象、ソフトのインストールなどなど

最後にオーディオインターフェイスを含め機能などの解説

 

1. 特徴およびメーカー公表スペック

 

スペック※メーカーホームページより引用
•24bit/192kHzフォーマットのUSB伝送およびADDAに対応
•WindowsおよびMac OSに対応
•USB2.0接続 PCとのオーディオストリームは4IN/4OUTを確保
•ADコンバーターにBurrBrown PCM4220を採用
•DAコンバーターにBurrBrown PCM1795を採用
•EIN-128dBuを誇るHDIAマイクプリアンプ搭載
•ノイズ特性に優れた薄膜金属皮膜抵抗を採用
•歪みが少なく高音質が得られるフィルムコンデンサーを採用
•DSPミキサー経由の低レイテンシーモニタリング
•DSPミキサーはMultitrackモード/Stereo mixモードの切替が可能
•録音レベルとモニターレベルの個別調整を可能にするDSPミキサー搭載
•DSPミキサー上でライン出力およびデジタル出力のパッチング(出力ソース選択)が可能
•1系統のDSPダイナミクスエフェクトを入出力またはマスターにインサート可能(COMPRESSOR、NOISE SUPPRESSOR、DE-ESSOR、EXCITER、EQ、LIMITER/LOW CUT)
•録音時のモニタリングに最適なDSPセンドエフェクト搭載(REVERB:HALL、ROOM、LIVE、STUDIO、PLATE)
•パワードスピーカーを直接接続しての音量調整が可能になるリンクライン機能
•DSPミキサーをワンアクションで呼び出せるMIXER PANELボタン
•高い強度を持つアルミパネルを採用し優れた耐久性を実現
•緻密な入力レベル調節が可能な大径INPUTボリューム
•レベル確認を容易にする2系統の20ドットLEDレベルメーター(アナログ入力のみ)
•45mW/chのステレオ標準ジャックヘッドホン出力端子
•48Vファントム電源の供給が可能
•2系統のXLR アナログバランス入出力端子
•業務用機器に対応した出力仕様(最大出力レベル: +24dBu)
•2系統のTRS アナログバランス入力端子
•XLR デジタル入出力端子 (対応フォーマットAES3-2003/IEC60958-4:AES/EBUおよびIEC60958-3:S/PDIF)
•3Pインレットタイプの電源ケーブル装備
•ハーフラックサイズ
•主要DAWでの動作検証済み(SONAR X3、Pro Tools、Cubase、Live)

 

判りやすく纏めると
マイクプリを搭載していてマイクから直接録音する場合、他のオーディオインターフェイスに比べ高品質な録音が可能
プロが使っても耐えられる仕様になっている
24bit192KHzというハイレゾな仕様のAD/DAコンバーターを搭載
Windows及びMacに対応(MacはインテルMacでUSB2.0に対応した機種である事、WindowsはWidows7以降)

DSPを搭載しているので条件つきでCPUに負荷をかける事なくエフェクターをかけられる
これが主な特徴となります。

 

※マニュアルより引用

定格

サンプリング周波数
44.1K/48K/88.2K/96K/176.4K/192K Hz
量子化ビット数
24ビット

 

アナログオーディオ入出力定格
アナログオーディオ入力定格
ライン入力(ANALOG(BALANCED)LINE IN 1/2)
コネクター:6.3mm(1/4’)TRS標準ジャック(Tip:HOT、Ring:COLD、Sleeve:GND)
入力インピーダンス15KΩ
最大入力レベル:+26.5dBu
最小入力レベル:-38dBu
マイク入力(ANALOG(BALANCED)MIC IN 1/2)
コネクター:XLR-3-31相当(1:GND、2:HOT、3:COLD)
入力インピーダンス:2.2KΩ
最大入力レベル:+2dBu
最小入力レベル:-60dBu

 

アナログオーディオ出力定格
ライン出力(ANALOG(BALANCED)OUTPUT L/R)

コネクター:XLR-3-32相当(1 :GND、2:HOT、3:COLD)

出力インピーダンス:100Ω

最大出力レベル:+24dBu

ヘッドホン:6.3mm(1/4’)ステレオ標準ジャック

最大出力45mW+45mW以上(THD+N 1%以下、32Ω負荷時)

 

デジタルオーディオ入出力定格

デジタルオーディオ入力定格

DIGITAL(AES/EBU)IN

コネクター:XLR-3-31相当(1:GND、2:HOT、3:COLD)

フォーマット:IEC60958-3(S/PDIF)/IEC60958プロユース(AES/EBU)

サンプリング周波数: ×1:44.1KHz/48KHz

                               ×2:88.2KHz/96KHz

                               ×4:176KHz/192KHz

 

コントロール入力定格

USB

コネクター:USB Bタイプ 4ピン

転送速度:USB 2.0 HIGH SPEED (480Mbps)/FULL SPEED (12Mbps)

 

オーディオ性能

 EIN:-128dBu (un-weigighted) .60dB,40Ω

ADCチップセットダイナミックレンジ:123dB(A-Weight)

DACチップセットダイナミックレンジ:123dB(A-Weight)

 

周波数特性

MIC Preamp:20KHz-80KHz、+0.005dB/-0.16dB(FS=ALL)

 

S/N比

117dB(MIC→AD)

歪率

0.0009(MIC→AD)

 

2.レビュー

 

 

(1)外観

 多分TASCAMから出ているオーディオインターフェイスの中で一番こだわってるんじゃないかと思われます。

まず大きなダイヤル式の入力ボリュームが目を引きます。このボリュームはスムーズに動かす事ができ細かい音の調整が出来るようになっています。

次に目を引くのが、センターのレベルインジケーター。

レベルインジケーターも大きく非常に見やすくなっています。

 

現在のサンプリング周波数がどのモードで作業しているかとLINK LINEというヘッドホンのレベルのつまみで後ろにあるアナログ出力のレベルコントロールできるようになっているかという機能がONになっているかというLEDと電源スイッチのランプとファントム電源が入っているかというだけの随分思い切りのいい構成になっています。

 

 

 

 

 

リアパネルにはTRS標準ジャック、カタログやHPではXLRなんちゃらって書いてますが、普通キャノンコネクターとか言われるアナログの入力と出力が2つづつ、そしてそのTRS標準ジャックも含めて全部バランス方式になっているというのが大きな特徴、あとは電源コネクター、LINEレベル用のUSB、DIGITALのIN,OUTです。

 

実際に結線された状態がコチラ

スピーカーアウトはつなぐと後ろを写す事が困難なので外してあります。よくありがちなキャノンコネクタがぐらついたり、なんども付け替える事を意図していない作りにはなっていません。

しっかりと固定されて、外すときもスムーズで好感が持てます。USBケーブルもなんらかの方法でロック機構があるといいと思います。まあ他のオーディオI/Fにも無いですが、USBケーブルが録音中外れたりすると目も当てられないのでやっぱりロック機構は欲しいです。

そして付属品はというと

 

 

 

販売されている状態だとクイックマニュアル的なものと保障関係の書類、USBケーブルと電源コードのみだそうです。今回モニターということで最新のものがつけられるという事で紙のマニュアルとドライバのディスクがついていました。

個人的思うのですが、マニュアルとかドライバディスクが販売モデルについていたとしても、外箱が大きすぎる。

ご覧ください。多分、皆さんも突っ込みを入れたくなるサイズ。写真は全部リンクされてるので小さい写真も大きくできます。

 

 

 

フルサイズの3Uの物でも入ってるじゃないかと思うくらいの箱のサイズです。もしお店で買って帰ることを考えたら、あまりにも大きすぎるサイズです。TASCAM様これは是非改善していただきたいところの一つです。あとUSBケーブルも電源コードもグレードがかなり低いとりあえずつけた感じの印象を受けるのですが、折角ここまで質感にこだわっているなら、数千円のアップで済むならもう少しグレードの上のものがついているか、それともUSBケーブルはつけないで電源コードだけで少し値段を下げるかプロ機材であれば、その2択がベストだと思います。

今回のテストで使った電源コードはいわゆるホスピタルグレードの手持ちの物と、USBケーブルは付属品を使いました。

そしてこだわりの質感といっているのはコチラを見てください。

天板

高級感のある塗装がされています。

側面

分厚い多分アルミ板を使った高級オーディオを思わせる仕様になっています。

裏側

ここは見えない部分ということもあり、コストを出来る限り押さえた仕様?になっています。

 

足の部分は見た目高級ぽいような感じに見えるものになっています。ただ、ちょっとスベリやすいかも知れませんマイクコードを少し引っ張ったら机の上に置いてあったUH-7000がずれてヒヤッとしました。ここも改良をして欲しいところの一つ。

 

 

(2)ドライバのインストール

①言語の選択

 

 

 

②メニュー

 

 

③使用ライセンス許諾契約の確認

 

④インストール中の画面

 

 

 

 

そしてここに罠が・・・。

オーディオインターフェイスは外した状態で先にソフトウェアをインストールしてから使うように書いてあるんですが、オーディオインターフェイスをここで繋いでくださいって出るんですが、急いで繋がないとエラーでインストール中止になってしまう仕様になっています。オーディオインターフェイスとかはハブなどは使わないで繋ぎたいのでパソコンの裏側に接続する事になると思うんです、それなのに急いで繋がないとエラー。マニュアルに先に繋いでからインストールするように書き直すか、繋いでいなくてもソフトウェアをインストールする事ができるように改良して欲しいです。そしてOSの再起動を要求されるのですが、絶対必要なのでしょうか?再起動をしなくてもできるように変える事はできないのでしょうか?最近のこういった機材はOSの再インストール無しのが普通なので、うーんと思わず思ってしまいます。

studio one 2 professionalをメインのDAWとして使っているので、DAWとUH-7000のソフトウェアが立ち上がってるところ。

DAWとUH-7000のソフトウェアが立ち上がってるところと書いたのには意味があって、studio one 2 professionalだからなのか、イメージ的にはインプット側がUH-7000>UH-7000のソフトウェアのミキサー>DAWという感じでアウトプットがDAW>UH-7000のソフトウェアのミキサー>UH-7000という感じで、それをどうしても意識しざる終えない仕様になっているところ。

なんか周りくどい感じで、設定も一般的なオーディオインターフェイスを接続した場合、オーディオインターフェイスを選べば、そのまま使えるのが最近の普通で、UH-7000の場合、設定をしっかりしないとUH-7000のミキサーの状態に左右される部分がある。

DSPのエフェクターがUH-7000には搭載されているのですが、DAW側から操作が不能。UH-7000のソフトウェア上で操作しなくてはならず、例えばエフェクターのアウトをDAWの特定のチャンネルに割り振るとか、DSPのエフェクターのINにDAW側から入力することもできない・・・。そしてこのソフトは常駐タイプで常に起動しっぱなし、そしてそしてUH-7000のフロントパネルのサンプリング周波数のモードの示すLEDの下にあるLINK LINEのとなりの数少ないボタンの一つがこのソフトをUH-7000側から表示するというもの。

何故あれだけ少ないボタンでこのミキサーを表示するボタンにしたのか意味不明です。本体側からミキサーを操作できるならわかりますが、マウスに持ち替えて操作するのが必須で、ミキサー画面だけだすボタンをつけられても・・・。

それならファントム電源をONするボタンとか、他のボタンをつける工夫をして欲しかった。

この一連の専用ソフトウェア絡みとDAWとの連携の使いづらさは、このオーディオインターフェイスを購入する事を考えるにあたり、厳しい評価をしざる終えません。

実際に録音するときはDAWの操作をするので、一番前にはDAWが表示されるため専用ソフトは見えない状態になります。はっきり言ってあれだけ専用ソフトが操作に絡んでくるのだったら表示されっぱなしにする必要があるかも。

そして一番がっかりした部分。

これですよこれ。マニュアルを見て初めてわかりました。ずっと24bit192KHzで作業していて、全然エフェクターが使えないなと試行錯誤してたら、24bit192KHz時は使用できない。そして更にサンプリング周波数のモードによって色々制限がある。それならDSPのエフェクター無しでいいです・・・。と私は思います。エフェクターに関しては次に書きますが、DAWと連携できないところとこの制限があるので、使える?使えない?これは生放送用のオーディオインターフェイスなの?とか疑問符が大量に頭の中を埋め尽くされました。

 

(3)DSPエフェクター

種類は以下の通り

 

コンプ。音を設定以上の音量になったら押さえこむためのエフェクター、基本的な機能はありコンプレッサー自体の音質に関しては可もなく不可もなく悪くはないんだけど、DAWやプラグインエフェクターのが音がいいと思います。CPUリソースを消費しないのはいいがやはりサンプリング周波数の制限があるので使えないと言いざる負えません。

 

ノイズスプレッサー。一般的にはノイズゲートという方が普通だと思いますが、ある一定の音量以下になった場合、入力をカットしてノイズ成分が目立たなくするエフェクター。これも使わないです。というかコレを使わないとダメなくらいのS/Nにしないでくださいと言いたい。

 

ディエッサー。サシスセソなどの高音域に特化したコンプ。歯の隙間から吐き出すような風切り音のような音を抑えるエフェクターです。でも、このエフェクター使った感じ印象が良くない。効果が薄いというか音不自然になってしまう印象。まあ、サンプリング周波数や使えるエフェクターの数の制限も厳しいので使う人は多分居ないと思います。

 

エキサイター。エレキギターをやってる人なら多分御馴染みのエフェクター。音の倍音成分を強調して派手な音にするエフェクターですが、これも使った印象が良くない。音が不自然になり華やかというよりは安っぽい印象になってしまっていると私は感じました。

 

3バンドパラメトリックイコライザー。音色を操るエフェクターで低音、中音、高音で周波数を設定してあげたり下げたりする事ができるエフェクターですが、音は悪くないです使えるエフェクターだとは思いますが、レンジ幅や細かい設定が出来るイコライザーが今の一番高いグレードのDAWには標準搭載されていますので、機能的に不十分なので使わないと思います。

 

リミッターとローカットエフェクター。リミッターというのは要するにオーディオインターフェイスの許容外になりそうな時、レベルを抑えるエフェクター。コンプレッサーと同じような機能ですが、コンプレッサーの効果が自然なのに対してリミッターがかかると不自然な感じになるのでいざというときの為のもの。ローカットエフェクターは設定した周波数以下をバッサリとカットしてしまうエフェクター。

 

リバーブ。空間エフェクターで要するにエコーや響きをつけたすエフェクター。個人的にプレートとスタジオエフェクターはそれなりに使えると思いますが、他の3つはあまり出来が良くないと思います。

 

(4)まとめ

UH-7000自体の音質には満足なんですが、値段が6万円以上する製品ということを考えるとこれを買うならTASCAMから出ているものならDA-3000の方を買います。

実質DSPエフェクターは使えないですし、操作がしづらい。ソフトウェア部分の出来なんでしょうけど致命的。もしかしたら動作確認済みのDAWなら出来るのかも知れませんが、DAWと連携と親和性があまりにも低い。そしてレコーディングや音づくりのことを考えるとアナログ2chだけだと足りない。もちろんデジタル2chアナログ2chで4chあるんですが、デジタルじゃなくてアナログ4chで、そしてアウトは8くらい欲しい。6万円という値段を考えるならですけど。そしてDA-3000ではある、DSDフォーマットの対応が無いのも魅力減。

じゃあ果たしてターゲットとして想定されているユーザーは一体どういう人かと考えました。

歌ってみたとか、生放送とかを安物のオーディオインターフェイスで満足できないユーザー向けなのかなと。そう考えるとソフトウェアの仕様もある程度、納得がいく。

そして検証するのには難しい事なのですが、何も繋がないでマイクの音量を全開にすると、ノイズが・・・。私の家の空間の電磁波の状態が原因か、パソコンに近いところにオーディオインターフェイスを置いて操作していたのが原因か、それとも電源から来るノイズなのかわかりませんが、せっかくマイクプリを搭載しているのに、ノイズがある。もちろん音が入力されてしまえば一切気にならないですが6万円の2chのオーディオインターフェイスとしては比較的高級な物としては落第点かも。これは実はアンケートを書いた後になって気づいたぐらいなので、実際使ってみても気づかない人もいるかも知れませんが。

このオーディオインターフェイスでまだ書いていない部分で特徴があるのですが、内部のクロックの精度を高める工夫をしているので、録音、再生ともクロックジェネレーターが無くてもシャッキとした音に仕上がってると思います。

 

3. 解説

 

 

(1)マイクの種類

 

マイクには大まかに分けるとダイナミックマイクとコンデンサーマイクに分ける事ができます。

 

ダイナミックマイクは昔もしくは今、理科の実験で電気を発電させるのにコイル(銅線などを何かを芯にして巻いたもの)の中に磁石を往復させて電気が発電される実験をされたと思いますが、それと同じような構造で振動板が震える事によって微弱な電気が発電され、それをマイクプリやヘッドアンプで増幅してから使います。

それ自体で発電する構造になっている為、電池やファントム電源は必要ないという大きなメリットがあります。コンデンサー式に比べ丈夫です。

 

コンデンサー式は、まずコンデンサという電子部品を知らないと理解ができないかもしれませんが、コンデンサは電極の距離が変化すると静電容量が変化するという特徴があります。それを利用して振動版が震えると電極の距離が変化して静電容量も変化するので、それをマイクプリやヘッドアンプなどに通して使います。コンデンサー式には動かすのに電力が必要となる為、電池かファントム電源で電気を供給して使用します。

またコンデンサーマイクの取り扱いはダイナミックマイクに比べ非常に繊細なので、保存には湿度と温度の管理されたケースが望ましいというか、最低でも防湿ケースなどで保存をしないと故障や音質の劣化につながります。また濡れたり落とすと壊れやすいですし高価なので丁寧に扱う必要があります。

もしレンタルでプロのコンデンサーマイクを使う事があるかもしれないので値段を言っておくと1個安いものでも3万くらいから80万位で、中にはビンテージがついているものがあり、とんでもない値段のものも存在します。よくスタジオ録音とか公開収録とかで見掛けるノイマンのU87iシリーズは20万円くらいします。

ダイナミック式に比べ繊細な音まで拾う事が出来るものが多く、スタジオ録音のボーカルマイクなどにはコンデンサー式を使われる事が多いです。

 

 

(2)マイクプリアンプ

 

マイクプリアンプの効能は簡単にいうと音質の向上です。

マイクの作り出す電気は非常に微弱なので、増幅してやらないと使用できないんです。

その一番初めに増幅してやるものが、マイクプリアンプやプリアンプ、ヘッドアンプというものです。マイク用はマイクプリアンプ、それ以外やそれも含めたものがプリアンプ、ヘッドアンプというのはミキサーや普通の何も表記のないオーディオインターフェイスの中に組み込まれているアンプです。

結局、オーディオ機器も電子楽器もマイクもオーディオインターフェイスに入る段階で、増幅し調整して適正なレベルの信号にするんです。その中でも一番増幅量が大きいマイクのプリアンプの与える影響は大きいので、マイクプリアンプを入れると音質が一気に良くなったり、音の個性に影響を与えたりします。

信号レベルの変化(単位はdB)

プリアンプでノイズが乗った場合と理想的なプリアンプ

大げさに表現してますが、左側がプリアンプでノイズが乗ってしまった場合の状態で、右側が存在しないですが理想的なプリアンプ(全く信号にノイズが乗らず癖も一切無いもの)の状態。

例えばプリアンプで信号を増幅した後、左側と同じレベルのノイズが乗った場合の信号の状態を一番奥の緑で表示しています。いかにプリアンプの存在が大きいかというのがわかると思います。

何度も書きますが、非常に大げさに表現しているので実際は、ここまでの変化はありません。

 

(3)オーディオインターフェイス

DTMとか、動画サイトに歌とかを投稿しているような人達以外、あまり馴染みの無い人だとパソコンのマイク端子とかと何が違うのか理解に苦しむ部分だと思うので説明すると

簡単に言ってしまえば、より高品質な音で録音できる環境を欲しい人の為ものです。

大分類というかオーディオインターフェイスという言葉自体に実はUSBオーディオとかパソコンのマイク端子とかも入っていますが、通常オーディオインターフェイスと言ったらUH-7000を含めたこういった機材の事をさします。

中にはパソコンでクオリティの高い音を求めて録音ではなくDACとして購入される方もいらっしゃるようですが、基本的には録音するための機材で、パソコン売り場というより楽器売り場やプロ機器の置いてあるお店にあります。

オーディオインターフェイスの主な機能は、

マイクやオーディオ機材からの信号をヘッドアンプで信号を調整した後

アナログ信号からデジタル信号に変える(ADコンバーター)

その信号をパソコンに送る機能と

パソコンからデジタル信号をアナログ信号に変える(DAコンバーター)

後はデジタル機材からデジタル信号のまま入力し、パソコンに入力する機能

パソコンからデジタル機材にデジタル信号のまま出力する機能などがあります。

 

UH-7000はプロ向けと書いてありますが、オーディオインターフェイス自体が既にプロかプロのクオリティが欲しい人向けの機材なので、一般的な機材ではないともいえます。

 

(4)プロ向けとアマチュア向けの違い

プロ向けの機材というのは、基本的にAという信号があったらAを正確に再生したり録音してくれう事を意図しています。アマチュア向けであれば、その聞く人が心地よい音で再生してくれればいいですが、もしプロ向けの機材でAという音がA’になってしまうと何を信じて音作りをすればいいのか解らなくなってしまい困ってしまいます。

例えばAという音がA’で再生する機材で音作りをしたとします。A’は低音と高音が強調される、いわゆる日本人が好きなドンシャリというものになっていると仮定すると。

A’で再生されるときは低音と高音が強調されている為、音作りでは低音と高音を控えた状態で作ってしまいます。

それをCDなどにして販売するとCDの音を忠実に再現する高価なオーディオセットで聴いた場合、低音も高音も少ない音なので、残念なCDになってしまうのです。

なので録音も再生もできる限り忠実に録音され、さらにノイズの少ないものがプロ向けには求められます。

他にもプロ機材は信号のレベルの違い、入力の端子の違い、規格の違いなど大きな違いがあります。

例えばプロの機材を民生用のオーディオ機器につないだ場合、信号のレベルが高いので破損の危険性があります、逆に民生用のオーディオ機材をプロの機器につないだ場合は、ものにもよりますが民生用をつないでも大丈夫なように作られているものも多いので機材を壊す危険はないですが、クオリティという部分では落ちてしまったり、信号のレベルが低いのでノイズ成分が多くなってしまったりとあまりいい結果にはなりません。あと信号のレベルの他にインピーダンスに違いがあるので信号の伝達効率が良くなかったりという問題もあります。(インピーダンスの説明をすると多分理解してもらえるにはwikiなどに書かれている以上に説明をしないとダメなので省きます。もし興味をお持ちでしたら電気回路の設計関係の本とかwikiなどをなどで調べてみてください。プロでも間違えて理解してる人も多いというか説明できない人のが多い気がします)

 

(5)クロックジェネレーター

デジタル信号には基準となる時計というか信号があります。UH-7000では他のオーディオインターフェイスに比べこの基準になる信号にこだわっていて他にクロックジェネレーターをつけなくても、それほど酷い状態にはならないようになっています。

じゃあ、この信号が一定でなかったらどういう音になるのかというのを解りやすく言葉で表現するなら、「なんかぼんやりした音」になるんです。防音と空間の調音などがしてある部屋でないと聞き比べてハッキリとこっちとはわからない位の差なんですが私の家の環境で(周りが静かなところで一戸建て、電源部分にはノイズ対策をある程度行ってる)試すとUH-7000とUA-25EXで比べるとUH-7000のが明らかに音が鮮明でシャッキとしている(もちろん他の要因もあるんですが)

(6) デジタルオーディオとアナログオーディオの大きな違い

 

デジタルオーディオはADコンバーターでデジタル化される事はご存知の方も多いと思いますが、デジタルオーディオの場合、桁数以上の音は無いんです。24bitだとそれほど気にならない事ではあるんですが、プロ用ということで書いておくと普通は何ビットだろうが使い切るのが普通で、リミッターやコンプが最高の音質の設定にすると使えない為、マージンをUH-7000の場合取る必要性にせまられてしまう。

どういうことか解りやすく説明すると

5桁の電卓があるとします、5桁以上の結果になる計算はできませんよね?それと一緒でデジタルオーディオは数値として記録するのである一定の桁以上は音が無いんです。通常リミッターとかでそうならないように強制的にします。でもサンプリング周波数の制限で使えないかもしれないUH-7000の場合はコレを意識する必要があります。

もちろんアナログオーディオも制限があり、ある一定以上になると音が歪みます。しかし音が無いということにはならないのがアナログオーディオの特徴。またその歪みがいい感じということもあり、このデジタルオーディオ普通の世の中で、アナログのテープレコーダーを使っているプロの方もいるそうです。

 

 

(7)DSDフォーマットとPCMフォーマット。

 

一般的にデジタルオーディオといえばPCMフォーマットです。これはある一定間隔でサンプルをとりそのサンプルの音量をそのADコンバーターの性能の分解能で数値化する方式です。

CDでいえば、一秒に44100回サンプルを取り16ビット65535段階に分けて記録しています。サンプリング周波数の半分までの周波数の音まで録音する事が可能ですが、ギリギリまで使うと折り返しノイズが発生するためハイカット、ローカットフィルターをかけてそれを防いでいます。CDは20Hzから20KHzまでが人間の聴ける周波数だと想定しているのですが、近年の実験結果からたとえ音として感じなくても、その上の周波数成分があると無いとでは、音の印象が異なることからより高い周波数で録音をするようになりました。また、サンプリング周波数を増やすのは音質の再現性も高めるので192KHzという高い周波数を使っています。

一方DSDフォーマットはSACD、スーパーオーディオCD、ソニーの提唱する次世代CDだったのですがCDよりも音が悪いMP3などの不可逆性の劣化した音で楽しむ人が増え、更にネットやレンタルCDをコピーして聞く人などの原因やオンライン販売などの普及からCDの売り上げが下がりDVDオーディオ(これも次世代CDの規格)は、早々に撤退を表明し、幻になり、SACDも一部の愛好家の間ではまだ売っているところもあるため聞くためのプレーヤーもCDも販売されていますが、いつまで続くか・・・。

DSDフォーマットはPCMと違い、1ビットオーディオ、つまり一桁0か1のフォーマットでサンプリング周波数が非常に多いのが特徴で、どうやっているかというと一個前の音より高いか低いかでジグザグしながらアナログレコードを超えていると私は思う音を作り出します。SACDを聞くと、その場の匂いまで聞こえてきそうなリアルな音、楽器の胴の部分の残響や息遣い、録音されている空間の音まで再現されているような音です。TASCMAのDA-3000とかだと10万円超えますがDSDとPCMに両方対応、それ以外にもDSDとPCMの両方対応の機種は各社から色々でています。

 

4.最後に

 

TASCAMのブランドにもっと頑張ってもらいたいと思いとプロ用ということで評価としては厳しく見ていますが、TASCAMのオーディオインターフェイスの中では群を抜いて音がいいのは確かです。

価格比較サイトを見ると6万前半で購入が出来るので、使い方次第ですが買って不満が出るとしたら私の書いた事を少し思うくらいで満足いく製品には仕上がってると思います。

確か8月末までモニターキャンペーン中の筈なので気になった方は、申し込んで実際自分の耳で確認する事をおすすめします。

貴重な新製品を試す機会をくださったティアック様、丁寧かつ迅速な対応も含め本当にありがとうございました。

 

製品リンク

http://tascam.jp/product/uh-7000/

ONKYO ダイレクトオンラインショップのリンク(特徴がこっちのがよくまとまっていると思います)

http://onkyodirect.jp/pc/shop/g/g09UH700G01/

 

 

  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    2014年07月18日

  • 購入場所

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