MSIが展開する「GAMING Series」マザーボードのうち、Intel Z97 Expressチップセットを搭載したMini-ITXモデル。
小型ながらハイスペックなゲーミングPCを組んでみようと思い、このモデルを選択した。
本当にマザーボードが入っているのかと思えてしまう程の極小サイズのパッケージ。
「GAMING Series」のトレードマークであるドラゴンがデザインされている。
赤黒の配色は、シリーズではお馴染みのカラーリングだ。
付属品には、PCケース用バッジやドアへ掛けておくサインプレートなどの特製アイテムもある。
裏面がウレタン製フォームで保護された特別仕様のI/Oパネル、無線LANモジュールも同梱されている。
「Z97I GAMING AC」の特徴は以下のとおり。
極小基板にこれでもかというくらいに数多くの機能が搭載されている。
■ゲームで威力を発揮するLANチップ「Killer E2200」搭載
ネットワークパフォーマンスを最適化するLANチップ Qualcomm Atheros「Killer E2200」を搭載。Advanced Stream Detect機能で優先すべきトラフィックを自動的に検出することで、オンラインゲームのカクつきや操作のタイムラグを低減することが可能である。
■ゲーマー向けの究極のオーディオソリューション「Audio Boost 2」
ヘッドフォンのサウンド環境を改善するテクノロジー「Sound Blaster Cinema 2」に対応。さらに、電磁波から独立したオーディオ回路を保護するEMIシールド、OPA1652ヘッドホンアンプ、ニチコン製オーディオコンデンサ、金メッキ オーディオコネクタを採用する究極のオーディオソリューションを備え、迫力のあるゲームサウンドを楽しむことができる。
■USB DACなどの安定動作を実現する「USBオーディオパワー」
USB端子へ供給する5V電源をUSBコントローラチップを通さずATX電源から直接生成することができる「USBオーディオ・パワー」に対応。USB DACなどの外部デバイスに安定した動作を提供する。
■高い耐久性を誇る「ゲーミングデバイスポート」
ゲーミングデバイス用のPS/2・USBポートを装備。高ポーリングレート(500~1000Hz)マウス使用時のレスポンスを向上させ、スムーズなゲームプレイと素早いリアクションを実現。また、端子内部の金メッキを通常の3倍まで厚くすることで、耐久性を大幅に高めている。
■充実した無線機能
Intel WiDiをサポートしたWi-Fiモジュールを搭載。市販のWiDiレシーバーとの組み合わせで、大画面TVやプロジェクター等にケーブルなしで画面を表示できる。また、最新のIEEE 802.11ac対応Wi-Fiに加え、Bluetooth 4.0もサポートしており、マウスやキーボードなどを接続し、遠隔操作も可能である。
■簡易オーバークロックユーティリティ「GAMING APP」
MSI製のグラフィックスボードとマザーボードの両方をコントロールできる簡易オーバークロックユーティリティ「GAMING APP」に対応。イージー・オーバークロッキング・モードや簡単に設定できる省電力モードのプリセットからワンクリックでチューンアップが可能である。
■MSI独自の品質基準に新たに加わった回路保護機能「GUARD PRO」
湿度、静電気、電磁波からハードウェア故障を保護する回路保護機能「GUARD PRO」を新たに加えた、MSI独自の高品質部品採用を示す称号「ミリタリークラス4」に準拠。耐熱性・対振動性などでアメリカ国防総省の定める軍用規格(MILスペック)をクリアし、一般的なチョークより効率よく大出力を発揮できるSFC(Super Ferrite Choke)、高い安定性と電源効率、長寿命を誇るDark CAPを採用する高品質な設計である。
メモリスロットは、最大16GBまで搭載可能なデュアルチャンネル対応の2スロット。DDR3 3,200MHzまでをサポートしており、オーバークロックメモリも搭載可能。
ストレージは、SATA3.0(6Gbps)を4つ搭載。RAID 0,1,5,10のRAIDアレイを構築可能。
拡張スロットは、PCI-Express3.0(x16)×1基のみ。
グラフィックカードを搭載すれば他の拡張カードは搭載不可となる訳だが、そこは優れたオンボード機能が補ってくれる。
ヒートパイプで繋がれたヒートシンクは、ATXマザーボードを思わせる。
チップヒートシンクは「GAMING Series」のエンブレムで装飾され、デザイン性も抜群だ。
龍の爪を模したドラゴンクローヒートシンク。
オンボードでありながらハイクオリティなサウンドを提供するオーディオ回路「Audio Boost2 」。
電磁波による音質の劣化を防ぐために、分離帯によって物理的に分離させた独立設計のオーディオ回路を採用。
メインチップは電磁波からオーディオ回路を保護するため、高品質のEMIシールドを装備。
また、ヘッドホンアンプ「OPA1652」やニチコン製オーディオコンデンサを贅沢に実装している。
USB DACの安定動作を実現する「USBオーディオパワー」を搭載。
多数のUSBデバイスを接続した時には、多くのマザーボードでは5V電源の供給が不安定になり、その影響でUSB DACの音質が低下することがあるという。
このUSBポートに接続すれば、USBコントローラチップを介さずにATX電源から5V電源を直接生成することができるため、USB DACが安定的に動作する。
多彩なバックパネルインターフェイス。USB 3.0×4、USB 2.0×4、eSATA 3.0(6Gbps)×2、PS/2×1、オーディオ端子×6、光オーディオ端子×1、ギガビットLAN×1、HDMI×2、DisplayPort×1を搭載。
このうち、PS/2と直下にある赤いUSBポートは「ゲーミングデバイスポート」で、高ポーリングレート(500~1,000Hz)をサポート。ハイエンドゲーミングマウスのスピードを最大限に引き出せるように最適化されている。
また、端子内部の金メッキを3倍の厚みにすることで、耐久性を大幅に向上させている。
ここからは付属ソフトウェアについて触れていく。豊富なソフトウェアの中から代表的なものをピックアップしてみた。
■Killer Network Manager
Qualcomm Atheros Killer E2200のドライバをセットアップすると、専用ソフト「Killer Network Manager」がインストールされる。
初回起動時には、ネットワークスピードテストを行うように求められる。
テストを開始すると、IPアドレスとプロバイダ名が表示され、速度計測が実施される。
その結果を基に、Killer E2200が帯域幅制御を行う。
アプリケーションごとの帯域や優先順位は、手動でも割り当てを変更することができる。
■Sound Blaster Cinema 2
リアルなサウンド体験を実現するCreativeのソフトウェアスイート「Sound Blaster Cinema 2」。SBX Pro Studioオーディオテクノロジーにより音楽や映画、ゲームのサウンドに更なる迫力と臨場感を提供する。ヘッドホンやステレオスピーカーであってもバーチャルにサラウンドスピーカーを作り出すことで360度の3Dオーディオの世界観をリアルに実現する。
・SBX Surround
バーチャルサラウンドサウンドチャネルを作り出すことによって、音の自然な深みと広がりを向上させて臨場感のある再生を実現。ステレオスピーカーやヘッドホンであっても、マルチチャンネルコンテンツの左右バランスと音質はそのままに、人の会話はフロント中央から、その他の音はそれぞれの発生源から聞こえる。
・SBX Crystalizer
MP3等の音楽を圧縮した際に失われる自然なダイナミックレンジを適切に最適化。これによりアーティストが意図したサウンド表現を最高レベルの品質でリスニングすることが可能となる。映画やゲームであれば、そのリアル感がさらに向上する。
・SBX Bass
欠如した低周波トーンを加えることにより、さらなるインパクトを与え、エンターテインメント体験を向上する。サブウーファーが無くても音響効果を大幅に改善、2.0チャンネルスピーカーやヘッドホンなど低音が不足しがちな機器の迫力を補う。
・SBX Smart Volume
曲ごとに異なる音量レベルの違いを自動測定し、音量の変化に対して自動的に最適なレベルへ調整する。
・SBX Dialog Plus
映画の音声パートの出力を向上して会話をクリアに表現する。BGMや音響効果があっても会話をクリアに聴き取ることが可能となる。
Creative社製のヘッドフォンに個別に調整されたプリセットが用意されている。
■Command Center
マザーボードの性能を最大限に引き出すためにMSIが独自開発したオーバークロックツール。
CPU/メモリの動作クロック・電圧の調整、システムファンの手動/自動調整、OC GENIE 4の設定が可能である。
■Live Update 6
ドライバやBIOS、ユーティリティソフトのアップデートツール。
ダウンロード速度が遅いため、更新に時間が掛かる点は今ひとつではあるが、ドライバ等を常に最新バージョンに保つことができるので、使い勝手が良い。
ケースに組み込んでみて感じたことや使用感について。
使用したケースは、 Fractal Design の Node 804。Micro ATXに対応しており、かつ電源やHDDをマザーボードとは別空間に設置する特殊構造のケースであるため、ケース内部にはかなりの余裕空間がある。
ケースに組み込み、すべてのケーブルを設置すると、ATXサイズとの違いが見えてくる。
SATAポートとメイン電源コネクタの位置が上部に配置されているため、ケーブルマネジメントがしにくい。
特にケース上部にファンを設置する場合は、SATAポートとメイン電源コネクタに干渉する可能性大なので要注意だ。
Z97I GAMING ACを使用して最も気になっていることは、画像が多用されていたり、flashが使用されているような重いWebページにアクセスした際に、読み込みに時間が掛かることが頻繁に起こっている点にある。
長年にわたりIntel社製のNIC Intel Gigabit CT Desktop Adapter (EXPI9301CT) を使用してきたこともあり、オンボードLANの性能がいかほどのものなのかを理解できていない状況ではあるのだが…。
だが、NICと比較すれば、体感できるレベルで読み込み遅延が生じているのは確かなことである。
オンボードLANの性能からすればこの程度のものなのか、ドライバが不出来なのか。
高性能のLANチップを搭載していることを売りにしている製品だけに、腑に落ちない。
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購入金額
21,625円
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購入日
2014年08月07日
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購入場所
TSUKUMO
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