SandyBridgeは良いCPUでした。2012から約2年ほど使っていました。
IVYが出てから、Haswellと発売されていましたが、スペック的には満足できないと思っていました。がしかし、X99シリーズが出てきたので、8コアの5960Xに魅力を感じ検討しだしました。
しかし、ネットでみる情報ではもともとクロックが低かったため、あまりクロックが上がらないということで、冷却その他についても難しい印象でした。そんな中で、4790Kも殻割すればある程度OCができるという話がレビューなどで、散見されたため、急遽4790Kを検討した次第です。
やはり、マルチコアも良いですが、シングルで既存のCPUのトップレベルではないと気がすみません。
条件としては
○Sandyが5Ghzだったので、同じ5GHzで使いたい
○殻割するんだから、それを活かしたい
○シングルスコアでSandy、Hawell-E よりも高性能にしたい
他の目標
- πで7秒切ること
- cinebenchのシングルスコアが200超え
ということで、まずCPUは4790K、マザーは”ダイガード”がついているMSIのZ97 XPOWER-ACに決定し、購入しました。 これにあわせてメモリをTEAM TZRD38G2133HC11ADC01へ、残りは既存のパーツ流用です。
まずは、殻割から
万力を用意して 机に固定 ホームセンターで手ごろなサイズが売ってました
CPUを万力で挟みますが、片方は基板側に、もう片方はヒートスプレッダにと
互い違いではさみます
このような状態
真横から
真上から
ここでドライヤーをしたからヒートスプレッダに向かって当てます
反対側からも ヒートスプレッダに触るとちょっと熱ってなるくらいまで
両方からあてて、1~2分くらい当てて続け、一旦数分休み、ゴムが少し柔らかくなった
ところでまた当てます。2回~3回くらいこれを繰り返します。
終わったところで、一気に万力のネジを回して力を加えます。
ある程度加えたところで、力が急に緩んだらヒートスプレッダがずれたことになります。
あとは外して
ゴムの部分を無水エタノールと爪で丹念に剥がしていきます。
綺麗にはがれました。 これで完成です
CPUをセットし、ダイガードを装着
一折完成
水冷配管も完成
一通り、組んで始動しました
が、しかし、他のサイトでこのメモリはOCが結構できるということだったんですが、まったくできませんでした。
CPUのほうのOCも殻割までしてやりましたが、1.4Vかけても48倍にすらいかず・・・
最初から難点がたくさんありそうです
メモリを比較的ここのところは安定していたg.skillのTrident-X 2666 8GB×2へ変更しました。
しかし、これも2666ではまったく動作せず、2400程度までしかダメでした。
2400でもPrimeやOCCTを回すとすぐにSTOPエラーが発生し、ここで一旦検証中止
メモリを更にTEAM TXD38G2666HC11CDC01 へ変更しましたが、やはりまったく同じ現象。
レイテンシ等を緩めたり、電圧いじったりしましたが、まったくいうことを効かない状態でした。
4790Kを更に追加してやってみましたが、結果は同じ、このときは殻割する前に試しました。
マザーボードをAsrockの Z97M OCFORMULAへ変更してみました。
同じようにテストし、両方のマザーを同時にテストしながら検証しました。
が、やはりここでも同じ現象でした。Haswell自体とメモリの相性はどうなのかこの時点ではまったくわかりませんでしたが、ここでMSIのQVLを見るとZ87時代のものばかりの羅列で、売られているものがほとんどない状況でした。この時代にメモリの相性があるとは思いにくいので、なんらかの設定あるのかもしれませんが、無理でした
他のサイトでこのメモリはOCが結構できるということだったんですが、まったくできませんでした。やはりマザーを疑うべきでしょうか。
CPUのほうのOCも殻割までしてやりましたが、1.4Vかけても48倍にすらいかず・・・
最初から難点がたくさんありそうです。
久々に他社のマザーでいろいろ検証しましたが、大苦戦ですね。
ここで、考え方を一度改め、今使っているASUSの慣れたマザーへ変更すべきだと思いました。
ただし、メモリの相性などがないように、Z87を使うことにしました。
Z87のチップセットはエラッタがあるようで、これの対策された後期モデルを検討。
候補がMaximus-HERO。 これはBIOS更新も簡単にできる上で値段も安かったので購入しました。
一通り組んでテスト稼動
BIOSを見てみるとすんなり読み込み、メモリもXMPで認識し2666まで簡単に認識しました。
レイテンシを少しつめつつ、CPUの設定へ
ある程度検証しながら、OCしていきましたが、CPUのOCが1.4Vで48倍程度にまでしか伸びず断念する結果に。ここで再びCPUを再度購入。
これを何回か繰り返しました。
何個か買ったあとで、数個目のCPUで、装着後、VIDが1V前半のものがあり、ちょっと他のと違う引くい電圧のものでした。※この時点ではまだ殻割していません
メモリは低めに設定し、一旦48倍まで回せるようにセットしていったところ
→殻割前
■動作クロック : 4.8GHz
■BCLK : 100MHz
■CPU倍率 : 48倍
■Vcore : 1.196V
■Cache : 44倍
■CacheVoltage:1.331V
■MEM:2800Mhz
■Core温度:75 78 76 70
いままで1.4V近く盛っていたものが、わずか1.2Vにもいかない状態で殻割もせずOCCTが完走
温度も低い状態でしたので、これは50倍に希望が持てました。
続いて殻割し、メモリクロックを調整してみました。
メモリはTEAM TXD38G2666HC11CDC01を使用し、このマザーの耐性がいいのか2933まで回せました。温度は殻割前に比べて温度が極端に低くなりました。
■動作クロック : 4.8GHz
■BCLK : 100MHz
■CPU倍率 : 48倍
■Vcore : 1.196V
■Cache : 44倍
■CacheVoltage:1.331V
■MEM:2933Mhz
■Core温度:56 63 69 60
引き続いて今度はPrime
いままでは、数秒でアウト。46倍でも数分で温度オーバーでしたが、なんなくクリア
普通は、OCCTよりもいくらか盛らないとSTOPエラーが起きるんですが、1Hのテストでは
まったく問題がありません。そのままの設定で通りました。温度もまったく同じような状況です
さて、ここからはいよいよ50倍です。
50倍の起動には1.24Vで十分でした。
が、普通はこんなVcoreでは今までは起動すらできませんでした。
この状況を考えて、Haswellも石の特性に左右されると結論づけられます。
また同じロット番号付近のものを盛っていましたので、ロットによる偏りはなく
同じロットでも個体差が大きく生じているといえます。まさに完全なくじ引き状態です。
設定をつめた結果のOCCT
メモリは一度つめたら、ほとんど変更せずそのままOCが可能でした。
■BCLK : 100MHz
■CPU倍率 : 50倍
■Vcore : 1.296V
■Cache : 44倍
■CacheVoltage:1.31V
■CPU Input Voltage :1.89V
■HTの有無 : 有
■メモリクロック 2933MHz(1463.2MHz 12-14-13-35-1 1:11)
■コア温度(Max) :69 78 89 78
■室温 : 20℃ 水温22.5℃~24.5℃
■温度計測方法 : HWMonitor CPU-Z
さすがに温度上昇がきつい状態になりました。
この状態でPrimeを回すとやはりSTOPエラーが発生しだしました。
またVcoreも若干盛らないと、だめなようです。しかし、温度的に見てこれ以上盛るのは無理でしょう。4790Kの場合、Vcoreは1.3V程度でまでが殻割しても限度になると思います。これ以上は温度が上がってしまい常用は不可能でしょう。
再び、それ以外の設定をつめる作業です。
最終的にいろんなところをコツコツ詰めていくことで、Prime1Hで50倍通過となりました。
どうもキャッシュに電圧を盛るとOCしやすいようで、ここに電圧を盛ってもあまり温度変化は極端にならないようです。 以下設定
■AI Overclock Tuner:XMP
■CPU Strap:100Mhz
■PLL Selection:AUTO
■Filter PLL:AUTO
■BCLK Frequency:100.0
■MultiCoreEnhancement:AUTO
■CPU Core Ratio:SyncAllCores
■CPU Core Retio:50
■CPU CacheRatio:48(Min&MAX同じ)
■Internal PLL Overvoltage:Disabled
■BCLK Frequency-DRAM Frequency Ratio:AUTO
■DRAM Frequency:DDR3-2933Mhz
□DRAM Timing Control 12-14-13-35-1
■Extreme Tweking:Enbled
■CPU Level UP:AUTO
■EPU Power Saving Mode:Disabled
■DIGI+ Power Control
□CPU Load-Line Calibration:LEVEL7
□CPU Power Phase Control:Extreme
□CPU Duty Control:Exterme
□CPU Termal Control:130
□DRAM Current Capability:100%
その他すべてAUTO
■CPU Core Voltage:Manual Mode
■CPU Cache Voltage:Manual Mode
CPU Cache Voltage Override:1.315V
■CPU System Agent Voltage Offset Mode Sign:+
CPU System Agent Voltage Offset:0.230V (表示1.064V)
■CPU Analog I/O Voltage Offset Mode Sign:+
CPU Analog I/O Voltage Offset:0.170V(表示1.189V)
■CPU Digital I/O Voltage Offset Mode sign:+
CPU Digital I/O Voltage Offset:0.160V(表示1.189V)
■SVID Control:disabled
■Intial CPU Input Voltage:1.900V(表示1.920V)
■Eventual CPU Input Voltage:AUTO
■DRAM Volatage:1.65V(表示1.668V)
他全てAUTO
■CPU Power Management
□Enhanced Intel SpeedStep Technology:Disabled
□Turbo Mode:Enabled
□CPU Integrated VR Fault Management:Disabled
□CPU Integrated VR Efficiency Management:High Performance
50倍時のスペック
■BCLK : 100MHz
■CPU倍率 : 50倍
■Vcore : 1.312V
■Cache : 44倍
■CacheVoltage:1.31V
■CPU Input Voltage :1.89V
■HTの有無 : 有
■メモリクロック 2933MHz(1463.2MHz 12-14-13-35-1 1:11)
■コア温度(Max) :69 78 89 78
■室温 : 20℃ 水温22.5℃~24.5℃
■温度計測方法 : HWMonitor CPU-Z
これでとりあえず通過し、常用できると思いました。
ただ、温度が89℃と高めで室温が低いため今後は夏場については冷却装置を増やす必要があると思います。私はエンコードやゲームをしないのでまず100%負荷で使い続けるということはありませんが。
一通りメジャーなベンチを実施
シングルで200超え、合計でも1000を超えました。
スーパーπにおいてはそのままでは7秒は切れず、結果53倍までの倍率が必要でした。
しかし1.378Vで53倍までいってしまうところが凄いです。いったいどこまで倍率を上げられるのかわかりませんが、これ以上は耐性落ちも含めて怖いのでやめています。
ちなみにこのCPUクロックとメモリクロックを活かしてSumsungのEVOを搭載し、RapdモードでRAMキャッシュの速度を測ってみました。
10000超えのハイスコア達成です。
しかし、実測はRAMの効果のある1GBまでです。もうひとつEVOを用意してコピー速度を測りましたが、1GBだと1秒もかからないスピードでした。4GBファイルだと初期が800MB秒、数秒たつと400~500MB/Bへ低下します。
編集後記
ベンチやテスト検証を何回か行いましたが、ヒートスプレッダを外してダイに対して直接クーラーを当てる冷却の場合、80℃付近から使い続けると段々冷却能力(グリス)が落ちてくるようです。
半年使ったあたりで5℃くらい上昇していました。
改めてグリスを塗りなおし、今度は一般使用ができるように、EISTと電源管理を省電力にして設定を再度行いました。
普通OCをやるときは不安定になるため、このような設定は行いませんが、余裕のあるCPUだったのでできると思い、設定と検証を繰り返し結果、可能でした。
アイドルでは800Mhz、VCore0.8V台まで落ちます。これで普段使いもかなり省電力です。
このままクロックの上げ下げにも耐え、40倍~50倍をメインでOCCTの通過が可能でした。
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購入金額
35,980円
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購入日
2014年09月30日
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購入場所
ツクモ通販



























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