森広隆。何度かご紹介している、
インディーズシーンのシンガーソングライター。でも彼はメジャーレーベルと契約していた時期があった(2001年~2004年頃)。その時期の最後に出たシングル。
それまでの森はファンキーでカッコイイ、というイメージ。出逢いの曲「ゼロ時間」も疾走する喰い喰いのリズムや硬派な詞がそうだったし、どファンクも含むメジャー時代唯一のフルアルバム“並立概念”も若さ溢れる硬派な作りが、ホントに21世紀かい?という感じだった。
しかし、彼の中にはとびきりポップな一面もある。後のシングル“MY☆GIRL”や最新アルバム“いいんです”でもその一面が見られるが、表に出し始めたのはこのシングルから...とも思う。
そのポップな「Rainbow Seeker」。キメが多くてリズムの喰いが多い森の曲をサポートするのがベース岡雄三、ドラムス髙田真のベテランコンビ。岡は金子マリやJOHNNY吉長との共演、髙田真は平井堅やMisia、Chemistryなどのサポートで識られるが、この曲はなんと言っても元ギタリストの岡が奏でる忙しいベースライン!!!cybercatは元ドラマーwなのでベースラインを無意識によく聴いているのだけれど、この曲は万人にソコに注目して聴いて欲しいw 森のエレキギターソロはポップな曲に似合わず?かなり攻めた音使い、それに対して続くソロは村田陽一のホンワカとした音色のトロンボーンソロ、という対比も良く、イイ曲だな~
つづく「白日」は一転、アコースティックでフォーキィなミドルテンポの詞を聴かせる曲だが、なんとベーシックなメンツは「Rainbow Seeker」とほとんど同じ。ラッパ隊が抜けてアコギで米米CLUBの“ベー”こと林部直樹が加わるくらい。「Rainbow Seeker」イントロで頭の中を駆け回るRhodesをプレイした河野伸も控えめなコードワークで、森と林部のアコギで形作られるちょっと懐かしめのフォーク~ニューミュージック系の路線を支える。
ラストの「Trickstar」はインスト。以前インディーズでの再デビューアルバム1曲目(Desperado)がインストかよっ、と書いたけれど、よく考えればメジャーシングルラストのこの曲もインストだった(^^ゞ メンツは前2曲と違って、キーボードは西脇辰弥、ベース種子田健、ドラムス村石雅行というのでミニアルバム“CYCLONE”
の頃に録られたのかもしれない。この手のバンドメンバーが集うとよくやるようなジャムセッション風で(メンツ的には少なくともギターは多重録音だが)、森のファンキィなギターカッティングに乗せて森のディストーションギターと西脇のエレピ、ハーモニカがソロを取り合うという楽しさ溢れるチューン。ただ種子田+村石のスペシャルリズムユニット、当然リズムを刻むだけでは終わるハズもなくw
ポップな1曲目、フォークな2曲目、ファンクな3曲目とあまり統一感はないけれど、森の様々な一面が見えて面白いシングル。特に「Rainbow Seeker」の突き抜けたポップさは、それまでその方向の印象がなかっただけにインパクトがあった。
しかし、このシングルで彼はメジャーとの契約を終える。
その時は「ポップな作風への方向転換が上手くいかなかったのか」「レコード会社からの要求でポップな曲を創らされたのが意に染まなかったのか」などと思ったけれど、その後の展開を見るとむしろこのポップさは元々彼の中にあった。
むしろステレオタイプな「ファンク」以外にこの面も追求したくてインディーズに居を移したのか、とも思えるくらい。
東京以外ではあまりライヴしていないのでチャンスは少ないけれど、今度生の彼を聴いてそれを確かめてみたいと思います。【収録曲】
1. Rainbow Seeker
2. 白日
3. Trickstar
「Rainbow Seeker」
-
購入金額
1,260円
-
購入日
2004年頃
-
購入場所
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。