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Ultra M.2 SSDを試してみたくて…


Haswell Refreshの発売に合わせて登場したZ97 Express搭載マザーボードは、基本的に来年5月頃に発売が予定されている、第5世代CPUである、Broadwellにも対応するということから、長く使えるマザーボードとして興味を持っていました。
Broadwellでは、Intel Iris Proを搭載したCPUもソケットタイプとして発売が計画されているということで、Intel Quick Video Syncのパフォーマンスが上がるのではないかと期待しています。
Z97 Express Chipset搭載マザーボードの仕様を見ていると、Broadwell対応、SATA Express搭載、M.2ソケット搭載辺りが目新しい機能ではないかと思います。
SATA Expressは、対応機器が未だ入手できないことと、10Gbps帯域ということなので、SATA Expressを2本 RAID-0構成できるマザーボードでも出てこないと、Z87 Express搭載マザーで、Z87 ExpressのSATAポートに、最新2.5inch SSDを2碁 RAID-0構成のドライブとさして変わらないことになります。

各社のZ97 Express搭載マザーボードの仕様を眺めていると、ASRockのマザーボードZ97 Extream 6/9で、Ultra M.2という ASRock独自仕様のM.2ソケットが目に留まりました。
理論上、32Gbps=4GB/sの帯域があるのです。
ASRock独自で、PCI Exress 3.0 x4の帯域をM.2ソケットに割り当てているものです。
独自仕様という面白さはありますが、対応SSDが出現しないことには、無駄に帯域を消費するだけの仕様となってしまいます。

今後、どの位この仕様に対応したSSDが登場するかわかりませんが、現在、PCI Express 2.0 x4対応のM.2 SSDがSamsungから発売されています。
それでも、PCI Express 2.0対応なので、Ultra M.2の帯域を使い切るSSDではありません。
このSSDは、本来PCI Exressソケットに挿すタイプのカード型SSDなのですが、このボードに使われているM.2仕様のSSDをバルク販売しているものです。
ラインアップとしては、256GB,512GBの2タイプがあるのですが、現時点(2014/6)で秋葉原で入手できるものは、512GB容量のものだけです。
バルク販売なので、M.2 SSD本体が、エアキャップの袋に入っているだけで、パッケージや取扱説明書等一切付属していませんでした。
今回このマザーボード購入の最大理由であるM.2 SSDのレビューは、Samsung XP941 512GB M.2 NGFF PCIe SSDをご覧ください。
今回購入したPCI Express接続SSDは、1GB/sec近くの速度が出ます。
正直、現状の2.5inch SSD x2のRAID-0と速度は大きくは変わりませんが、M.2 SSDは、1基でこの速度が出るので、RAID-0よりはドライブが壊れる確率が半分になります。(個々の故障率が同一と仮定した場合)
このマザーボードに、Ultra M.2 SSDを使って、システムをインストールすると、数多くの追加フォントをインストールし、通常使うアプリを全てインストールした状態でも、電源ボタンを押してから、約13で起動します。


更に、M.2ソケットに挿す高速SSDは、AHCIモードで動作するため、インテル ラピッド スタートテクノロジーも使うことができます。
スリープからの起動は6秒掛からず、ハイパフォーマンス デスクトップPCでありながら、Ultrabook並の起動が可能です。

M.2 SSDは、このほか、インテル製のSATA 6Gbps対応SSDとPLEXTOR製PCI Express 2.0 x2 SSDが秋葉原では入手できるのですが、Samsungほど高速ではないのではないかと思いSamsung製を購入しました。


今回購入した、Z97 Extream9には、Ultra M.2と通常のM.2ソケットが搭載されています。

通常のM.2ソケットは、Z97 ExpressにつながっているSATAポート/SATA Express(SATA 2ポート)と共用になります。
従って、M.2ソケットにSSDを搭載すると、Z97 Express接続のSATA Express1系統若しくは6GbpsのSATAポート2つが使えなくなります。

Z97 Expressにつながっている6つのSATAポートは、RAIDにも対応しているのですが、ASMedia ASM1061につながっている4つのSATAポートは、RAID非対応です。
ASMediaのSATAポートは、バックパネルのeSATAに対応しているので、外部HDDドライブである、HGST G-RAIDドライブと繋いで、高速読み書きが可能です。
そのほか、光学ドライブもASM1061につなぎました。
先日購入したSSD Crucial M500 960GBを繋いでみましたが、ASMediaのチップは、Z87 Expressほどの速度は出ませんでした。
Z87 Express
Z87 Express

ASM1061
ASM1061

勿論、HDDを繋ぐ分には十分なパフォーマンスを持っているのですが、SSDを繋ぐ場合は注意が必要です。
6Gbps対応のSATA3 SSDであれば、Windows 8以降の場合、ASM1061につなぐより、UASP対応USB 3.0 SSD/HDDケースに入れて、USB 3.0で繋いだ方がパフォーマンスは発揮できると思います。

Ultra M.2ソケットは、前述の通り、ASRock Z97 Extream 6/9に搭載されているのですが、Extream6では、Ultra M.2ソケットを使用すると、グラフィックボード用 PCI Express 3.0 x16が、x8動作となってしまいます。
Extream 9は、ブリッジチップを搭載していて、Ultra M.2ソケットを利用しても、グラフィックボード用に、PCI Express 3.0 x16速度で2レーン(SLI)確保できます。3~4way CrooFire/SLIの場合は、PCI Express 3.0 x8動作で4レーンとなります。

nVIDIA TITANを接続して、PCI Exress 3.0 x16で動作していることが確認できました。
ゲームをする訳ではないのですが、Adobe Creative Cloudを良く使うので、グラフィックボードの帯域は確保したいと思い、Extream9を選択しました。
Broadwellでは、Iris Pro搭載のCPUもソケット1150で発売されるようなので、本当にPCI Exress 3.0 x16が2レーンも必要かわからないのですが、拡張性を優先して購入しました。

このマザーボードには、mini PCI Exressソケットも搭載されています。
残念ながら、ボード上のレイアウトの関係なのか、ハーフサイズのmini PCI Expressカードしか対応していないので、フルサイズのmSATA SSDが動作すのか分かりません。
取扱説明書には、WiF-モジュール向けに使用する。と記載されていました。
今回、私はこのポートに、Intel Centrino Wireless-N 1030を挿しました。
Windows 8.1インストール時に、LANポートが使えない(ドライバーがインストールされていない)と、Windows 8.1は、ローカルアカウントでインストールされ、後でLANポートをアクティブ(ドライバーインストール後)にしたのち、Microsoftアカウントに設定変更するのですが、この無線LANカードを挿しておくと、OSインストール時に、WiFiカードのドライバーが自動でインストールされるので、この状態でセットアップを行うことで、Microsoftアカウントのみを使ってOSをクリーンインストールできるため、挿してインストールしました。
今後、スマホとの連携等で、Wi-Fi/Bluetoothを使いたいと考えています。

個人的には、Ultra M.2 SSDを使ってみたいというのが、このマザーボードの最大の購入理由ですが、ゲームをされる方には、PCI Express 3.0 x16接続で、2枚のグラフィックボードをCrossFire/SLI接続可能なことも魅力的だと思います。
(PCI Express x16 1,4)
勿論、4way CrossFire/SLI接続も可能なので、ゲームパフォーマンスを極めたい方にもおすすめです。
(PCI Express x8 1,2,4,5)
PCI Express 3は、x2動作のため、グラボを挿すことは推奨されません。(私は、Capture Boardを挿しています)
ASRock Extreamシリーズ中、現時点ではハイエンドのExtream9ですが、これ迄は、本格的な外部SATAコントローラーを搭載した Extream11が伝統的に発売されているので、更にSAS/SATAポートが拡張されたマザーボードが発売されるかもしれません。

バックパネルには、PS2ポート(今となってはOC用?),USB 2.0x4,USB 3.0x4,インテルLANx2、eSATAx1,MDMI,DisplayPort,SPD IF,ADUIO IOが並びます。
現在私が使っているモニター、DELL U2711に、WQHD(2,560x1,440)解像度で表示させようとすると、DualLink DVI若しくはDisplayPortしかないのです。
残念ながら、U2711に搭載されているHDMIは、Full HDまでの対応となっています。
将来的に、4Kモニターへの接続も考慮すると、4K 60fps対応可能なのDisplayPoryは必要と考え、今回のマザーボード選択の中ではDisplayPort搭載は必須項目としました。
勿論、外付GPUを搭載し、そのビデオカードからDisplayPortに繋いでも良いのですが、低消費電力での運用も可能なように、マザーボードにDisplayPort出力が欲しいと考えました。

現在、micro ATXでもZ97 Express搭載のものを探しているのですが、DisplayPort出力搭載が減ってきていて、選択肢が少なく、いまいち踏み切れません。


今回、このマザーボードにセットアップしたのは、
CPU Intel Core i7 4790K
Memory DDR3-2666 4GBx4
SSD Samsung XP941 512GB M.2 SSD
VGA GIGABYTE GV-NTITANOC-6GD-B
HDD HGST 2TBx4(RAID-0) 8TB
HDD Seagate 3TBx2(RAID-0) 6TB
Optical Drive Pioneer BDR-206MBK
CPU Cooler Hyper 212 EVO
Power Supply ENERMAX Platimax EPM1000EWT
Thermal Grease ナノダイヤモンドグリス JP-DX1
Capture Board SKYHD Capture X HDMI
Case Antec P280
OS Microsoft Windows 8.1 Pro update x64


このマザーのUEFIは、アクティブな画面を明確にするため、背景画面は、"ぼかす"という凝った意匠となっています。



カーソルを合わせると、搭載/接続されているハードウェアの詳細情報が確認できます。
ペリフェラル関連は、シリアルナンバーも見ることができます。
また、UEFI BIOS画面で、USBメモリにLANドライバーをコピーしてインストールすることで、LANポートをアクティブにして、最新ドライバーをインターネット経由でインストールする機能が搭載されています。
この機能を使えば、光学ドライブがなくても、付属DVD-ROMに収録されている各種ドライバーやアプリケーションをインストールすることができます。

現状、まだオーバークロックに関しては詰め切れていないので、基本的に標準状態でのパフォーマンスです。
先ずは、CPU-Z

Intel Extream Tuning Utilityを走らせてみました。

デフォルトでは、クロックは、800MHz-4.4GHzですが、4コア同時動作の場合は、4.2GHzとなっています。
WinScore Share

次にCrystalMark 2004R3

最後にCineBench R15.R11.5

デフォルトの状態ですが、Core i7 4770Kからは、確実に進歩していますね。
ストレージ系は、
起動ドライブとして、Samsung XP941 512GB PCIe SSD

とても、シングルドライブとは思えないパフォーマンスです。起動ドライブとして512GBの容量は多少手に余る容量です。
キャプチャードライブとして、HGST 2TBx4 RAID-0 8TB

このドライブは、HDD4基のRAID-0のため、DiskMarkで100MBのベンチマークを行ったところ、どうも各ドライブのキャッシュ(32MBx4台)内にデータが収まったようで、M.2 SSDより高速な値となったため、このドライブだけ、500MBのファイルサイズでベンチマークしました。
データドライブとして、Seagate 3TBx2 RAID-0 6TB


今回は、Devil's Canyon発売日に、たまたま秋葉原でSamsung M.2 SSDが安価で販売されていたのに遭遇し、SSD,Core i7 4790Kと共にこのマザーボードを購入しました。
実は、ASUSTeK Z97 DELUXEと迷ったのですが、Ultra M.2を試してみたくてこのマザーボードを購入しました。
最後に、このマザーボードの仕様の概要を記載します。

Devil's Canyon発売記念セールということで、通常価格から4,000円引きの31,838円(税込)だったので、お買い得だったと思います。
  • 購入金額

    31,838円

  • 購入日

    2014年06月26日

  • 購入場所

    TUKUMO DOS/V パソコン館

コメント (2)

  • mutoさん

    2014/07/31

    Z97 Extreme9の詳細なレビューありがとうございます。
    Picardさんが書かれているように、まさにZ97 Extreme9におけるUltra M.2 SSDの動作について調べていたものですから、大変参考になりました。
    Z97 Extreme6での記事は多いのですが、Z97 Extreme9では、PCI Express 3.0 (x16)が増えていることから、Ultra M.2に接続しても帯域が確保されるのではないかと想像はしておりましたが、実際に検証された記事がほぼ皆無でしたので、大変助かりました。
    Z97 Extreme11を待たずに、Z97 Extreme9とXP941 512GBを購入しようと思います。
    ありがとうございました。
  • Picardさん

    2014/07/31

    mutoさん コメントありがとうございます。

    参考にして頂けて幸いです。
    私も、個人的に、M.2 SSDに興味があったので購入してみました。
    XP941は、秋葉原では、まだバルク版しか入手できないので、購入して直ぐに動作確認されることをお勧めします。

    Extream 9は、PCI Express Gen.3で、x16動作は、グラボ2枚までです。
    PCI Express No.1とNo.4に挿すことで、SLI等の動作が可能です。
    nVIDIAに関しては、4way SLIまでが可能なブリッジコネクターが付属しています。

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