LTOドライブは、それ自体はデジタル記憶装置ではあるが、その実態は結局のところ磁気テープであり、基本原理はカセットテープと全く同じである。
単に精度と記憶密度がべらぼうに高いだけで、カセットテープと同様の問題はLTOにもある。
その問題とは、テープのバックラッシュと、磁気ヘッドの汚れによる記録精度の劣化だ。
TDK時代のパッケージ。現在はイメーション扱いらしい。
この二つの問題、LTOでは基本的にはどちらも「磁気ヘッド」が悪さをする現象である。
磁気ヘッドの汚れがテープのランニングを阻害したり、テープ表面を汚すなどして、メディアの破損に至る訳だが、LTOはその動作精度にかなり高いレベルが要求される機材なので、どちらの障害もドライブ故障を引き起こす危険がある。
そういうわけで、LTOはその運用において定期的なクリーニングが必須だ。
なにしろ、このクリーニングをしないドライブでのバックアップは、その記録精度が保証されないくらいで、保守マニュアルには必ず「定期クリーニング必須」の項目があり、テープライブラリにはクリーニング専用のスロットがあって、そこにテープがないと警告が出て動かないものも存在する。
そういうわけで、使用頻度は低くとも、最低1本はLTOドライブを使う場合に必須となるのが、このクリーニングテープ。
全世代のLTOドライブにおいて使用可能なので、特に世代別に買う必要はない。
テープライブラリの場合を除き(コイツで使う場合は、ライブラリ側での設定が要る)、利用法は非常に簡単。
ドライブにクリーニングテープを挿入すると、クリーニング完了後自動的に巻き戻される。
巻き戻し完了後にイジェクトボタンを押して取り出せば、クリーニング完了だ。
なお、LTOはドライブ自体にクリーニング判定機能があり、ヘッドの利用状況に応じて「クリーニング不用」と判定した場合、クリーニングテープを走らせない。
これは、たとえクリーニングだろうが磁気ヘッドへ負荷がかかる動作を少しでも減らすための機能で、故障率を下げるための工夫だ。
クリーニングテープと本物のテープの判別基準は、基本的にカートリッジの色(灰白色)だが、このライトプロテクト・ノッチの有無でもわかる。
クリーニングテープはライトプロテクトする意味がないので、ノッチがついていない。
なお、当たり前だがクリーニングテープには利用回数が決まっている。
テープ自体に内臓されているチップで回数をカウントしているので、利用限度のテープはクリーニング動作自体しないのだが、テープライブラリ以外にそのカウントを確認する手段はない。
そこで、アナクロだがカートリッジ・ケースにはカウンタが用意されている。
一回使うたびにこの枠に印を付けていけば、残り利用回数が判るということだ。
単純な方法だが、こういう手法しか取りようがない。
なお、クリーニングしない状態でのドライブ運用は割と高確率で故障を引き起こす。
メンテナンスは割と重要なのだ。
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購入金額
5,000円
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購入日
2014年05月頃
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購入場所
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