2014/12/07 アレイ削除・再構築後について追記。
HP製サーバー・グレードのSAS RAIDカード。
以前利用していた、HP Smart Array P400の後継製品にあたる。
P420の全体像。SASがMiniSASポートに変更された。
P400はGen1対応のためバス帯域が埋まりやすい上、Gen1認識必須のため使えるマザーボードが限られるなどの問題点があったが、P420ではPCI-Express x8 Gen3に対応し、バスの帯域が大幅に拡充され、現行のマザーボードでも認識不良を起こす確率は格段に減った。
また、RAIDキャッシュ用のメモリがDDR2からDDR3へ変更され、速度が向上。
SAS対応も3Gから6Gへ、SATA対応も1.5Gから3Gと、倍速に強化。
パリティ演算速度なども強化され、性能は格段に向上している。
キャッシュのみの速度。40Bit幅でもP400比で三倍近い速度が出る。
また、前型となるP410より採用されたFBWCキャッシュ・モジュールの採用により、P400で搭載されたBBWCと比較し、キャッシュ保持性能も向上している。
ただ、今回入手したP420はFBWC用キャパシタが非搭載のため、バッテリーによるキャッシュ保持機能は無い。(2014/12現在はキャパシタ搭載済み)
キャッシュも低速な512MB(40Bit幅)のため、フルスペックであるP420の持つキャッシュ1GB/2GB(72Bit幅)FBWC搭載品と比較し、速度と冗長性の両面で劣っている。
512MB FBWCキャッシュ。赤枠部分がバッテリー接続口。
今回、データ冗長性をある程度犠牲にしたのは、先日入手したLTO4のお陰で真の意味でのバックアップ取得環境が整ったことと、将来的に2GBのキャパシタ(バッテリー)付きFBWCに更新することを前提としているため。(2014/07 1GBのキャパシタ付きFBWCへ更新実施)
もはや、ここまで来ると素直にHP ProLiantサーバ買えよと思わなくも無いが、本格的なサーバを使うと、消費電力・騒音・価格の三点で無理ゲー過ぎるため、この辺りが個人利用の落としどころとなるのだ。
ただ、今回の更新は半ば「やってみたかった」という側面が最も大きい。
実際のところ、本製品を搭載するサーバはNetwork経由でのアクセスしか行わないため、LANの帯域より高速化したところで、それほど意味はなかったりする。
P400でもアレイ全体のR/Wは200MB/s前後は出ており、実用上何ら問題は無かったのだが、
・LTO4の書込速度が出ない理由の一つが、バックアップ・データの一時作成側となるRAIDアレイの帯域不足によるところが大きいこと、
・将来的に、P400がマザーボード等の更新を行う際になって、認識不可にてデータ移行が困難になる可能性があること、
・HP製RAIDカードによるアレイ移行に関するテストを「バックアップがフルに取れる容量のうちに」行っておきたかったっこと、
・・・などの理由により、今回の更新作業に踏み切った。
なお、今回の目的の一つである「データを保持したまま、アレイを新カードへ引き継ぐ」ことは、P400からP420への更新でも、問題無く実施出来た。
地味にこの意味は大きく、今後HP製RAIDカードであればアレイ移行でのバックアップ後の手間は大幅に減らせることが確実となった。
キャッシュ範囲を超えるデータでのベンチ
こちらは、キャッシュ範囲を超えるデータ量で取得したベンチ結果。
P400でのアレイ構築直後と余り変わらない結果となったが、あの時期に取得したベンチはアレイが新品同然だったことを考慮する必要がある。
今回取得したベンチは、二年近い連続運用によりアレイの劣化が著しい状態で、P400ではR/Wが200MB/sギリギリであったことを考えると、性能向上は三割以上となる。
なお、ベンチマーク以上に実測値は速く、対SSD間でのR/W速度は400MB/sを超える。
こちらは、サーバ上で520SSDから9GB超のデータを書き込んだ際のスクリーンショット。
実際のR/Wはこのへんの数字なので、思った以上に性能向上の恩恵は大きい。
なお、Network経由でのデータアクセスでも、レスポンスの向上が体感出来るレベルで違うため、投資は無駄にならなかったと実感している。
ただ、問題はFBWCの購入か・・・海外からの取り寄せのほうが遙かに安いが、保証が・・・(汗)
(2014/12/07:追記)
2014/07/28 1GB-FBWC、及びバックアップ・キャパシタの追加を実施。
2014/12/05 ストレージ障害に伴う、アレイ削除・再構築を実施。
当初、ベンチを取得したアレイはP400で利用していたものを、そのまま移行させたものだが、P420ではパフォーマンス低下の原因になることが判明。
本来のパフォーマンスを発揮させる場合、P420で新規にアレイを作るほうが断然速い。
倍近い性能差が発生するため、世代的に二世代離れた製品でのアレイ流用は、便利ではあるが問題を伴うことがわかった。
なお、日記で掲載したデータはパリティ整合完了前、アレイにデータが一切入っていない状態で取得したもの。
現在は、アレイ利用率35%・パリティ整合完了の状態にあるため、再度ベンチを取得。
パフォーマンスはほぼ変わっていないが、以前はアレイ利用率の上昇に伴い大幅な速度劣化が出たのに比べ、殆ど劣化が見られない。
追記 2015/08/03
Z87環境へ移行し、PCI-Eの帯域不足を解消&HDDを8基体制にしたので、ベンチを追加。
GEN3対応環境での結果。
本来のキャッシュ速度は、当初の計測の倍あった。帯域不足しまくってた模様。
HDDx8構成へ強化し、キャッシュ速度も全開状態のベンチ結果。
やっぱ、帯域不足解消して正解。結果的には、効果絶大だった。
まあ・・・・LAN経由で使ってるから、ここまで速度上げても余り意味無いっちゃ無いんだけど。
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購入金額
16,700円
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購入日
2014年06月12日
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購入場所
RAYS216さん
2015/01/17
P420を購入したのですが
起動ができません
BIOS上でも認識しませんが
WINを起動すると 認識します
現在起動用は P212
マザーあg ギガバイトでAM3+のUD5です
お分かりでしたらご教授をお願いいたします
Vossさん
2015/01/17
挿してるPCIの位置ですが、PCIEX16_2(上下4つ目)かPCIEX8(上から6、下から2つ目)でしょうか?
また、RAID-BIOSが出ないパターンですが、うちのZ68でも出ました。(こちらはOSでの認識も不可)
マザーのBIOSを最新へ更新後、UEFI起動をOFF、サブBIOS(RAIDカード等のBIOS)読込優先化の設定(ASUSの板だと付いてた)にて、RAIDBIOS表示OKになりましたが、990FXA-UD5にはその辺りの設定がマニュアル参照した限りでは無い模様。
FASTBOOT設定がONになっている場合も失敗しやすいみたいです。
RAIDキャッシュ外した状態で起動し、RAIDBIOSからエラーメッセージが飛び出してくるかどうか見て、それでも出てこない場合は他のRAIDBIOSと干渉している可能性も。
とりあえず、確認としては
1.挿し位置を4か6に変えてみる。
2.マザーのBIOSが最新かどうか確認してみる。
3.他に取り付けられているカード類をビデオ以外は全部外す。
4.オンボード機能をサウンド残してOFFにする。
5.オンボードSATAの設定をAHCI、もしくは全てOFFにしてみる。
全部試してたらスンマセン。
Vossさん
2015/01/17
データ保管専用なのです。
RAYS216さん
2015/02/01
RAYS216さん
2015/02/01
事情があり 990FX Extreme9に換装しましたが同じです
イニシャライズ表示は出ますがその後こけます
キャッシュはずしでも同じそのまま走ります
OS起動後は認識可能です
BIOSの優先設定があるかわかりません
P212は正常です(ただしFWを3.0以降にあげるとこけます)
BIOSの優先設定の項目を教えていただけませんでしょうか
よろしくお願いします
Vossさん
2015/02/01
BIOSは、最新版のBIOSにて、「起動→PCIROMの優先順位」(Boot→PCI ROM Priority)をレガシ(LegacyROM)にしてます。
ただ、P420てROM-Baseをサーバー側で持ってる構成みたいだから、他マザーで起動用として使えるのかどうか・・・
RAYS216さん
2015/02/01
P212との速度差があまりにも大きく HYPER-Vの検証を頻繁に行う為 速度向上したかったですが VHDXを置くのをP420 にします 色々ありがとうございました