先日に購入した、LTO4ドライブの記録媒体となるカセットテープ。
メディアの大きさは、だいたいVHSテープの半分相当。
この、一つのリールに巻き取られた状態で収まっているものを、リニア式という。
一応、二つのリールを使うヘリカル式のLTOも存在するのだが、速度で勝る点が売りだったはずなのに、何故かリニア式より遅いという意味不明な代物だったため、殆ど使われることなく姿を消した。
一本あたりの容量は基本800GB(OS上における745GB相当)だが、ドライブのジャンパ設定によるハードウェア圧縮、または書込ソフトによるソフトウェア圧縮を併用することで、最大1.6TBの書き込み容量となる。
ただし、MPEG4やZIP、RARなどの「元々圧縮されているファイル」は殆ど縮まない。
むしろ、これらのファイル形式は圧縮併用で容量が増えるため、ハード・ソフトの双方で自動的に圧縮書込から除外される仕組みとなっている。
実質、745GBを超えるファイルの書き込みは失敗する可能性があるため、注意が必要。
それでも、740GBが710GBあたりまで縮むのが大体の傾向。
ギリギリまで突っ込んでも殆どの場合は大丈夫だが、私は大事を取って730GBの書込量で統一してバックアップを取っている。
メディアの裏側は、テープ駆動用のスピンドルが露出している。
この部分を手で動かしたりすると、VHS同様にテープ・ラッシュの原因になるので絶対に触ってはいけない。
リニア式LTOは、カセットのリールからドライブのリールにテープを引き出して巻き取る構造なので、テープの取り出し口が側面に付いている。(画像右端の四角い部分)
テープの端には金属製のバー(リーダーピン)が固定されており、それをドライブ側のローディングカムに引っ掛けて引っ張り出し、ドライブ側のリールに巻き取られる。
ここはテープが唯一曝露する場所なので、普段はシャッターが自動的に閉じる。
この部分も手で開くが、ホコリの侵入を防ぐため基本的に開けてはいけない。
例外としてだが、保守点検や使用前点検では開けることがある。
これは、メディアのリーダーピンのセット状況確認のためで、確認時以外は開けないのが鉄則。
なお、リーダーピンが変形、もしくは正しい位置にセットされていない場合、そのメディアは既に死んでいる可能性が高い(巻き取り失敗以外ではまず起こらないため)ため、利用は控える。
なお、LTOのみに見られる特徴として、上記写真の左内側にICメモリチップがあり、ここにテープの記録情報(要は目次)が書き込まれる。
なぜICを使うかといえば、この記録情報格納にテープを使うと、そこだけR/W回数が局所集中することになり、劣化が進むためだ。
LTOは業務用記録媒体であり、データ保全における最後の砦たる存在なので、、至るところに耐久性確保の工夫が成されている。
SDカードやフロッピーなどにあるのと同じ、書込防止のノッチ。
これを右側にスイッチすると、このテープは書込不可となる。
一応、これとは別に「一度書き込んだら、絶対に上書きも消すことも出来ない」、WORMというタイプのLTOもある(法的に保存義務のあるデータ用。主に医療カルテなど)が、こちらはクソ高い上に訂正が効かないため、一般的には滅多に使われない。
なお、テープメディアは各メーカー(OEM含む)によって微妙にテープの走行音が事なる。
IBM製のテープは、純正品ゆえさぞ静かなのだろうと思ったが、最初に買ったHP製比較で3割ほど五月蠅い上に、回転時のノイズに高周波音が混ざる傾向があり、書込品質はともかく、騒音面から余りお勧め出来ない。
とはいえ、今回クリーニングテープ(左)とセットで結構安価に売っていたので、5本セットで買っちまってたりする。
もはや後の祭とはいえ、やはり一本試してからにしておくんだった....orz
なお、購入価格は(クリーニングテープ込み五本セット)での値段なので、一本あたりは2000円強というところ。
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購入金額
16,000円
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購入日
2014年06月03日
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購入場所
ThinkRock(T-beet)さん
2014/06/04
Vossさん
2014/06/04
データ記録専用ですしな。
機構こそカセットテープですけども、技術的には比較にならないほど高度なのですヨ。
notokenさん
2014/06/05
そんな時代のテープ装置もありましたね。
音声にエンコードしてカセットテープに保存。
大事なときほど壊れているバックアップデータ。
Vossさん
2014/06/05
持ってましたというか、持ってたMZ2000に内臓されてたなあ。
ゲーム呼び出すのに15分かかるという(汗)