所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。以前、ヒーローものの主題歌と言えば子供の声が入ったヒーロー名連呼のものか、野太い男声による行進曲風のものがほとんどでしたが、最近はそのTVでの露出の多さによってレコード会社やプロダクションとのタイアップも多く、意外なアーティストも手がけたりします。そんなヒーローものの主題歌の中でも、頭抜けてカッコいい作品をご紹介します。
ウルトラマン、戦隊ものと並ぶ長寿ヒーローもの、「仮面ライダー」。しかしこのシリーズには独特のカラーがある。もともと石森章太郎(後の石ノ森章太郎)の原作・設定も「悪の秘密結社に捕まったレーサーが特殊能力を持つ改造人間に仕立て上げられ、脳改造の直前にそこを脱し、次々と送り出される改造人間と戦う」というもので、普通の人間に戻れなくなった悲哀とか、ある意味兄弟とも呼べる同じ立場の改造人間を倒さなければならないことなど、設定の根幹に影のあるヒーローだった。
現在ほぼ同時間帯に放送されている戦隊ものの、明るい勧善懲悪のわかりやすい設定と比べて、設定や人間関係がやや難解で高学年向け。しかし、それ以上にこのシリーズを支えているのは子供と一緒に番組を観ている若いお母さん方だという。そもそもそんな影のある設定のため、そこにはイケメンが似合う...とばかりに当初は逞しい系の大人が割り当てられていた主人公(役の俳優)はどんどん若く、どんどんハンサムになっていったw
事実今も活躍する二枚目俳優で、仮面ライダー経験者というのは複数いる(オダギリジョー、細川茂樹、水嶋ヒロ..)。そんな層をターゲットに主題歌もどんどん人気アーティストが手がけていったが、
その頂点ともいえるのが「仮面ライダーディケイド」の主題歌である「Journey through the Decade」。
「ディケイド」自体の方は戦隊ものと新番組の時期をずらす、という制作側の戦略で半年しか放送されなかったし、ゲームとの連動企画で平成になって以降の仮面ライダーがすべて登場する設定となっているという感じでやや難解で、企画先行の感じが否めなかったが、主題歌は良かった。
歌うは、これもイケメンシンガーソングライターのGackt(GACKT/神威楽斗)。そのルックスとやや口を開けなめ気味の唱法からルックス優先のヴィジュアルロック系アーティストとみられることもあるが、なかなかどうしていい曲を作る。
この曲自体は「仮面ライダー主題歌」としての要素を入れなければならなかったためか、彼自身の作ではないが、そのロックでどこかノスタルジックな曲想は彼の声に合っている。
「Journey through the Decade」は、声をわざと潰したり、ノドを鳴らしたりする音を入れた彼独特の唱法が楽しめる、疾走感溢れる作品。このところライダーものの音楽に関わることが多いAYANO!(綾野光紘)のギター以外は打ち込みの作品だが、ヴォーカルのバックで鳴る矩形波っぽい音の対旋律が物悲しい。Gacktのどこか暗めの声とマッチングよく、スピード感満点!
つづく2曲は「Journey through the Decade」のヴォーカル抜きアレンジヴァージョンだが、「J.t.D. Re-Mix RIDE ”Distort”」は16ビートを前面に出したより打ち込みっぽいリズムに、ディストーションギターのハモりが響くAメロと、野太いシンセサイザーソロ音が駆け抜けるサビの対比が良いハイスピードチューン。
「J.t.D. Re-Mix RIDE ”Symphony”」は一転して同じ旋律ながら、ポロンポロンとしたピアノの演奏で始まり、オーケストラ風アレンジで荘厳にスローに演奏される。まさにジブリ映画のような荘厳さなのだが、これはPVのラストのクレジット部分でも聴ける。
保育園に通う時間が長かったので、その暇つぶしに子供に車の中で見せるために購入したので当然DVDつき。基本Gacktが廃工場の様なところで歌うショットが中心なのだが(これは縦360°スパンのカメラワークが面白い)、ライダーも出演しており、Gacktは悪役設定?というのが面白いかな。
単体で聴いても満足できる子供番組主題歌、という点ではライダーものに限らず、一二を争う出来かもしれません。
【収録曲】
<CD>
1. Journey through the Decade
2. J.t.D. Re-Mix RIDE ”Distort”
3. J.t.D. Re-Mix RIDE ”Symphony”
4. Journey through the Decade (instrumental)
<DVD>
1. Journey through the Decade (Music film)
「Journey through the Decade」
曲とGacktの歌い方、詞と仮面ライダーの世界観いずれもマッチしている
曲の内容とGacktの声や歌い方がとても合っている。
TVの方も、ライダーのデザインは賛否両論あったが、世界観は良かったな。
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購入金額
1,890円
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購入日
2009年頃
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購入場所
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