レビューメディア「ジグソー」

最大5-Slot占有。史上最大のGPUクーラー

Arctic Coolingを一躍有名にした、GPUクーラー『Accelero Xtreme 』の最新型。
前作『Xtreme-III』とGPUコア・クーラーは全く同一だが、VRAMやVRMを背面から基盤を通して冷却するバックサイド・ヒートシンクが追加されたモデルである。

購入したR9-290Xが余りに爆音・爆熱なため、その対策として購入した。

線で囲った部分が、本製品を装着したR9-290Xビデオカード。

一度取り付けると、外すのがかなり困難な代物なので、装着状態の写真しかないが、ご勘弁願いたい。(つーか、組み立てるだけで頭一杯になっていて、写真取り忘れてた)

 

しかし、洒落にならないほどデカい製品である。

元々、Extremeシリーズは高い冷却能力を持つ代償として、3-Slotを占有するという非常に巨大な製品だったが、バックサイド・ヒートシンクの搭載により更に占有容積が増大。

装着するカードによっては最大5-Slotを占有するという、取り付け自体が既にネタとも言える巨体へと進化した。

 

しかし、このバックサイド・ヒートシンクの効果は絶大。

動作中に手を触れてみると、長く触れていることが出来ないほど熱くなっており、かなりの熱量をここから拡散出来ている事が見て取れる。

こちらは、斜め上からのバックサイド・ヒートシンク。

290Xの場合、カードの1/4程度がカバーされないが、冷却部位は全てカバーされるため、多少短くても性能に大差はない。

固定方法はGPUコア・ヒートシンクと共締めした後、基盤をクランプで挟み込むようになっているが、奧側につくクランプは、マザーボードと干渉しやすい。

 

X99-deluxeでは、SATAポートコネクタ、チップヒートシンクの双方に干渉するため、奥側クランプは一つしか装着出来なかった。

なお、クランプが無くてもコア・ヒートシンクと共締めされているので、脱落することはない。

 

なお、従来モデルに付属していたチップクーラーは付属しないので、VRM冷却用ヒートシンクが必要な場合、別途に用意する必要がある。

 

今回、このVRMヒートシンクが付いていないものと思い込み、わざわざ米国に発注したのだが、元々のカードにちゃんと付いているのを確認し、悔しい思いをさせられた。

なお、この写真のヒートシンクは元から付いていたものを外し、換装したもの。

(製品型番:GELID社製 CL-R9290-01-A)

 

元のヒートシンクより高さがあるので、収まるかどうかは賭けだったが、何とかスレスレで収まってくれた。

 

・・・・んで、この怪物を装着した状態のR9-290Xにて、4時間ほど連続してCivilization Beyond Earthをビデオ設定最大で動かしている状態で、GPU-Z取った画像がこちら。

 

 

流石は巨大戦艦、豪快に冷えてる。

元々付いていたクーラーでは、普通に80℃突破していた処理だが、換装後は常時70℃を切る安定した冷却性能を見せている。

 

ファンも静音なので、かなり静か。

換装前は掃除機みたいな音が常時出っ放しだったが、本製品ではコォーという風の音が少し聞こえてくる程度にまで改善した。

 

ただ、問題が一つ・・・・(汗

これは本製品の問題というよりR9-290X側の問題なのだが、MantleをONにすると本製品に換装しても、80℃近くまで温度が上がってしまう。(3時間くらいかかりますが)

 

どうもMantleがONになっていると、ドライバが処理に応じて負荷を下げていないようで、クロックが常時1030に張り付いたまま、GPU-Loadも100%のまま下がらない。

そのせいで、本製品ですら冷却のキャパを超えてしまう模様。

 

このへんは、Betaドライバによる弊害が疑われるため、正式対応版が出たら再度検証が必要だと思われる。

ちなみに、マザーボード全景での占有容積はこんな感じ(笑)

デカすぎる上に長すぎる。Level10ですら、収容はほぼギリギリだ。

 

占有容積が余りに大きいので、CrossFireも使えなくなるなど弊害も多い製品だが、冷却性能は非常に高く、シングルカードで290Xを静かに使いたいという人にとっては、ほぼ唯一無二の選択肢になる。

 

大きさ以外の性能は、とにかく文句なし。

バックサイド・ヒートシンクの装着がかなり手間だが、手間をかけるだけの性能と満足感が得られる製品と言えよう。

  • 購入金額

    8,750円

  • 購入日

    2014年11月09日

  • 購入場所

    米尼輸入

16人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (5)

  • vuronさん

    2014/11/10

    老婆心から
    グラボの左側(出力側)はビス止めされているのでいいと思うのですが
    右側は浮いている状態だと予測します。(違ってたらすみません)
    過去の失敗から止められない右側をLevel10ならコの字型ステーで
    下から支えてあげるとグラボが歪まなくていいと思います。
    そうすればグラボの延長スリーブケーブルをしたから裏に回して
    エアフローの妨げも防げると思います。
  • Vossさん

    2014/11/10

    アイヴァーンどの

    作業中必死でしたが、楽しかったですよー。
    大きさだけでネタですが、性能は本当に折り紙つきです。


    vuronどの

    重量が洒落にならないように見えますが、左側に5つのネジでT型ステーが基盤横を掴むクランプにネジ止めされるので、重さでタレるということは無さそうです。
    Level10は収納部全体がヒンジで開く構造なので、底面設置型のステーなどは設置出来ないってのもありますが・・・・(ボックスを開くと底が筒抜けになる)

    スリーブケーブルの配置は、わざと上に回しています。
    見た目的に下側に回したかったのですが、カード設置位置がボックスの下限から2センチ程度しか余裕がないんですよorz

    ちなみに、このケース「その冷えそうな外見」に比して実はかなり排気圧不足でして、本来は吸気である前面部の14センチファン、現在は排気配置。
    側面の吸気バンクも排気に使い、これでどうにか熱滞留を防いでいる状態です。
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