所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。音楽で涙する、音楽で高揚する、音楽で悲しみを昇華する。音楽にはさまざまな力があります。その曲の使われたシチュエーションと合わせて、聴く人に前進する力を与える曲をご紹介します。
kōkua。番組主題歌のためのバンド。そういうものの場合、テクニシャンばかり集めてうまく溶け合わなかったり、あるいは有名どころばかり集めてうわっすべりしたりすることも多いが、このメンバーはこの曲に魔法のような調和をもたらした。曲を書いたのはスガシカオ。当然歌も彼。それをアレンジし、プロデュースしたのがフジテレビ系音楽番組「僕らの音楽 -OUR MUSIC-」の音楽監督でもあるキーボーディスト、武部聡志。これに福山雅治や桑田佳祐と親交があり、スタジオ、ライヴでの演奏に定評がある小倉博和がギターで、最近Charとよく演ってる古田たかし
もかつて在籍していたロックバンドDr.StrangeLoveの根岸孝旨がベース、イギリス中心に活動し、Simply Redにも正式メンバーでいたこともある屋敷豪太がドラムスという実力派ぞろいのメンツが加わった。
彼らは本当に「プロフェッショナル」だった。
たぶん多くの人が聞いたことがあるであろう「Progress」は、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」のテーマ。番組自体も重くなく、でもカルくなく、責任範囲とか権限とか杓子定規なこの世の中にあって自分の流儀で仕事をする「プロ魂」をもった人々を紹介している。必ずしも「職人」とは限らず、経営者だったり、役人であったり、スポーツ選手のこともある。そんな彼らの「プロ魂」は自分のできることを「少し」超えて仕事をやり遂げ、そして自分も成長していく。そんな彼らの生きざまにスガの詞と曲と声がとても合っている。♪ぼくらは位置について/横一列でスタートをきった/つまずいている/あいつのことを見て/本当はシメシメと思っていた~ずっと探していた/理想の自分って/もうちょっとカッコよかったけれど/ぼくが歩いてきた/日々と道のりを/ほんとは“ジブン”っていうらしい/世界中にあふれているため息と/君とぼくの甘酸っぱい挫折に捧ぐ……/“あと一歩だけ、前に 進もう”♪この曲が流れると、「やらねば」と力が湧いてくる。スガの声のバックに流れるストリングスアレンジと、粗い感じのギターの音、シンプルかつグルーヴィなリズム隊...まさに完全調和。今となっては間違いなくスガの代表曲の一つといえる。
「街角」は立ち位置的には「カップリング」なのだろうけれど、これも佳曲。緩やかに流れるリズムの上で歌うスガのメロディラインと絡むブラスのラインがちょっと日本人離れしている。これは曲は武部の筆。
「Kokua’s talk」は曲というより音楽詩。ループしたCOOLなコード進行の上で、詩が「読まれる」。♪同じ空の色や/同じ雲や波なんて/本当は二度とないはずなのに/ぼくらは同じ雲だと思っている/同じ空だと思っている♪たったこれだけだが、スガはやっぱり詩人だな。
少し前にスガは、所属していた事務所オフィスオーガスタから独立して、その後どのレーベル、どのレコード会社にも属さないインディーズの状態で活動していたが、先日30枚目のシングル“アストライド/LIFE”でメジャー復帰することを宣言した。インディーズ時代は音楽活動の原点に還るかのようなギター1本に手弁当で各地を飛び回っていたが、今は精力的に再デビューに向けての情報発信にいとまがない。
音楽を見つめなおしたあと、彼も一歩、前に進んだんだろうか。
【収録曲】
1. Progress
2. 街角
3. Kokua’s talk
「Progress」
歌詞が素晴らしい
歌詞がスルメのように味わい深い。
聴けば聴くほど新たな発見がある。
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購入金額
1,260円
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購入日
2007年頃
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購入場所
がじおさん
2014/05/09
またメジャー、決まったらしいですね。
cybercatさん
2014/05/10
>またメジャー、決まったらしいですね。
今の彼のTwitterアカウント表示名は「スガシカオ@5/21メジャーデビュー」ですねw
もう一度バーンと来てくれることを期待して。