さかいゆう。高校卒業後、友人の影響でミュージシャンをめざし(彼に捧げた歌は下段↓)、
東京の音楽専門学校に行き、そこで奨学生となり、アメリカに無一文で渡り、ストリートでピアノを弾きながら歌って日銭を稼いで腕を磨いてという生活。そこで聴いていたのがDonny HathawayやStevie Wonder、あと意外にもMiles Davisとか。日曜には教会に行って聖歌隊のオルガニストのプレイを吸収した彼は、ベースにソウルやブラック、ジャズといったクロっぽいものが流れている。
メジャーレビュー後
は飛び切りポップな方向性で行っているが、このインディーズデビュー盤は彼の音楽の「核」、クロい音たちが奔流のようにあふれている。
SWING-Oのピアノとコーラス(コーラスは他に2名)が沁みる「Until you come back to me」はStevieが書き、後にAretha Franklinがヒットさせたポップソウルの名曲だが(邦題:待ちこがれて)、ゴスペルチックなコーラスにハンドクラップ、左手が強いピアノにメロウにピアニカが寄り添いココだけ聴くととても日本人とは思えないノリ。
「恋日和」は一転して、さかいの弾くエレピと映画「ラッシュライフ」の音楽で注目された渥美幸裕の優しい生ギターが織りなすフォーク調J-POP。♪君の薫りも忘れられない/まだまだ柔らかい/思い出はもう記憶の中に/逃げちゃいそうだよ/I still lovin' u baby/思い出はきっとこの胸の中にずっと♪彼のリリカルな感性が良く出ている。弦のどのあたりを弾いているか判る「近い」ギターとレスリー風のコーラスがかかったエレピに絡むさかいのミラクルヴォイスがイイ!
そして最後の「月明りのメランコリック」!ジャジィかつポップ、リリカルかつファンキィな分類不能なピアノ弾き語り(録音は多重録音)の曲。途中のベースランニングが4ビートジャズのように入ってくるあたりからの熱いプレイとどんどんジャジィに崩れていくところが来る来る!スキャットで歌うラインも熱く、クロい!
誰がつけたのかは知らないが「天才スウィートボイスの珍獣」というキャッチフレーズが帯には踊るが、まさにあふれ出す溶岩流のような勢いとエネルギーを感じる熱さ。メジャーデビュー後のポップな彼も得難いが、そろそろ前作から2年が経とうとしている次のアルバムでは、この彼の根源に迫ったカオスな音づくりもまた聴かせてほしい、そう思えた作品です。
【収録曲】
1. Intro.
2. Midnight U...
3. 二人乗り
4. Until you come back to me
5. 恋日和
6. すまいる。。。
7. 月明りのメランコリック
「月明りのメランコリック(Live)」
CDの方が完成度高くてノリもJazzっぽいけど、この狂気の盛り上がりはそれはそれでw
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購入金額
1,851円
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購入日
2014年04月13日
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購入場所
フタバ図書
がじおさん
2014/04/20
cybercatさん
2014/04/20
わお!
>天才ですね、何かの。(^^
...(^^ゞ