■更新履歴
2014.4.30:一部のベンチにスクリーンショット追加。一応レビュー完了です。
2014.4.29:詳細なベンチマーク、消費電力を掲載!果たして性能は?
2014.4.27:初稿掲載
ASRockのAMD C-70オンボードマザー「C70M1」です。
AMDのTDP9Wの低電力APUであるC-70に惹かれて購入しました(;=゚ω゚)=333
【メーカー/型番】ASRock / C70M1
【チップセット】AMD A50M
【Socket/Slot】AMD C-70オンボード(交換不可)
【対応CPU】AMD C-70
【メモリスロット】DDR3×2
【拡張スロット】PCI-E(×16)×1 ※但し×4動作
【主なオンボードデバイス】ディスプレイ(D-SUB)、USB2.0×8、
S-ATA6G×4、8chサウンド(ALC887)、GigabitLAN(RTL8111E)
【フォームファクタ】Mini-ITX
【リリース時期】2014年4月12日
【製品のHP】
http://www.asrock.com/mb/AMD/C70M1/index.jp.asp
【発売時の記事】
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/201404...
AMDのAM1プラットフォーム発売直後に登場した、OntarioコアのAPUであるC-70搭載のマザーボードです(;=゚ω゚)=333
C-70は2コア/2スレッド/1GHz(TC1.33GHz)/L2-1MB/RADEON HD7290 with UVD3/TDP9Wと言ったスペックで、以前に登場したC-60と全く同じです。GPU名のみ6290→7290となってていますが性能がUPしているのかは不明です。私としてはC-60マザーを買い損ねたこともあり、このマザーは非常に気になる存在でした。
マザーとしてはシンプルな構成でディスプレイ出力はD-SUB1系統と割り切りが必要です。サウンドにS/P DIF光デジタル出力があるのでオーディオ用のトランスポートPCには良いかも知れません。また、S-ATA6G×4基がある点については現行のAM1プラットフォームに対するアドバンテージだと思います。
購入価格はPCワンズで税込6980円と安価です。
安いだけあって、電解コンデンサのほとんどはアルミ電解コンデンサですがTDP9Wなので、マイコンボードの小型のパワーアンプを付けたようなレベルなのであまり気になりません。それよりも放熱板がAPUとチップセットが別々になっていますが一体型にすること、両面実装基板を片面で済むように設計すると更にコストを下げられそうなのが残念なところです。
■外観レビュー
いつも通り外観レビューから。
まずは化粧箱。いつも通り白いです。ゲームのアイテムのような同社のA-Stileのイラストが描かれていますが、はっきり言うと絵を見ても何か判りません・・・
この製品は代理店がマスターシードの製品です。
保証が2年になるので、他のルートで購入するよりも安心感がありますよ。
付属品
・マニュアル(多言語だが日本語無し)
・ドライバDVD
・I/Oシールド
・S-ATAケーブル黒(6G対応・ストレートコネクタ)
・S-ATAケーブル赤(多分6G非対応・ストレートコネクタ)
珍しく、S-ATAのケーブルが2種類に分けられていますね。コストの関係かな?
そして、マザーボード本体キタ――(゚∀゚)――ッ!
黒いレジストに白と青を基調としたコネクタ類が搭載されています。
APUファンの放熱版は小さいですね。
背面のI/O部分です。
PS/2×1、USB2.0×4、D-SUB、LAN、S/P DIF、アナログ音声×5
音声部分を除けば最小限の拡張性ですね。HDMIは欲しかったなぁ・・・
放熱板部分。
左がチップセット、右側がAPUですね。
APU用のファンは3pinのものを使用しています。ファンのサイズは多分4cmのもの。マザーには4pinコネクタもあるので、自己責任で交換することは可能ですね。
メモリソケットは2基。DDR3-1333はOC対応。通常は1066までです。
シングルチャネルなので速度はあまり期待できないですね。
S-ATAは6Gが4基とITXなら十分ですね。AM1に勝てるのはTDPとS-ATAの本数くらいでしょうね・・・
拡張スロットはPCI-E×16のみ。但し×4動作となります。
音源チップは蟹さんマークのRealtekのALC887です。以前だとALC662が主流だったのですが、最近はこの887にシフトしてきています。DACがS/N比97dB、ADCが90dBとなっています。
LANチップは定番のRTL8111Eですね。こちらも蟹さんなのです。
そして裏面。コンデンサなどの部品が付いていますね・・・
できれば片面実装にしてもっと安くして欲しかったなぁ・・・
■動作させてみよう
とりあえず、動作させてみましょう。
構成
【APU】AMD C-70(マザーにオンボード)
【メモリ】DDR3-1600 4GB×2
【HDD】日立の2TB
【マザーボード】C70M1
【VGA】RADEON HD7290(APU内蔵)
【電源】SFX 220W電源
【OS】Windows7 HomePremium(64bit)
組んでみる。APUがオンボードなので楽々♪
M-ATXケースでもスッカスカです。
そして電源ONすると、一発でPOSTキタ――(゚∀゚)――ッ!
ちゃんとUEFIですね。F12でスクリーンショットも撮れます。
OSのインストール、SP1適用、ドライバのインストール、Windowsのアップデートを行いましたが至極安定していました。
使用感ですが、ブラウジングはややもっさりするものの思ったより不満はないです。IE11でGoogleの画像検索でスクロールを行いましたが思いのほか快適です。GPUアクセラレーションの力かな?Athlon64X2やPen4と内蔵グラフィックスの組み合わせだと激重だったのですが・・・
デスクトップでOffice系アプリを使うのもサクサク動きます。わずか1GHzの動作ながらここまでやるのか・・・という感じです。動画はUVD3のおかげで、H.264のフルHDでもCPU使用率はかなり低く余裕です(;=゚ω゚)=333
もちろん、Youtubeで1080p動画の試聴時もCPU負荷は低く、コマ落ちもありません。(厳密に言えば広告が表示されるときに一瞬コマ落ちします)
しかし、やはり現行のCPUでは底辺中の底辺であり、ベンチマーク等のアーカイブから解凍しながらインストールするタイプのインストーラーがかなり重いです・・・
また、ベンチマークやゲーム等の起動はかなり遅いです。FF14ベンチだと起動→測定終了後のベンチスコア表示まで通常のCPUで実行したときの2倍以上の時間がかかります。
ただ、元々究極に遅いと思い込んでいたので、思ったより使えるという感想です。
■ベンチマーク
C-70は性能を期待するようなCPUでは無いのですが、やはり気になりますよね。いつものベンチで見ていきましょう。
比較対象として以下のCPUを用意しました。
(各CPU名は私の過去のレビューへのリンクとなっています)
・Sempron2650 (Kabini/4core/4thread/1.3GHz)
・E2-2000 (不明/2core/2thread/1.75GHz)
・E-350 (Zacate/2core/2thread/1.6GHz)
・Celeron1007U (IvyBridge/2core/2thread/1.5GHz)
・Celeron847 (SandyBridge/2core/2thread/1.1GHz)
※C-70以外のスコアは私の過去のベンチから使いまわしています。
1.Windowsエクスペリエンスインデックス(Windows7 64bit)
プロセッサは3.3とぶっちぎりで最下位です。1コアのCeleron420やSempron3200+でも3.6なので2コアで3.3と言うことは1スレッドの処理性能は相当低いものだと考えられます。その他の項目は割と健闘していますが、このクラスだとGPU性能が高いとも言えないでしょう。
2.CrystalMark2004R3
こちらも最下位には変わりありません。OpenGLを除けば他のCPUとはグレードが異なり過ぎますね・・・比較対象にATOMを用意した方が良かったかな・・・
3.CPU関係のベンチ
各グラフはC-70を100%としたときの相対性能です。ベンチマークのスコアは表にまとめて記載しています。
CrystalMark2004R3(ALU)
CrystalMark2004R3(FPU)
午後のこーだーノーマルベンチ(マルチスレッド)
午後のこーだーノーマルベンチ(シングルスレッド)
3DMark06(CPU)
3DMarkVantage(CPU)
CINE Bench R11.5(CPU)
CINE Bench R15(CPU)
CPU関係のベンチスコア表
1GHzの低クロックと言うこともあり、E-350等と比較してもスコアの低さが目立ちます。実際、3DMarkはベンチがはじまるまでの時間が恐ろしく長いです。CINEBENCHは・・・なかなか終わらずに嘆きました。30分近くかかったのかも知れません。
4.GPU関係のベンチ
※古いCPUで最新のベンチは取っていない為、一部古いベンチが混ざっています。
各グラフはC-70を100%としたときの相対性能です。ベンチマークのスコアは表にまとめて記載しています。
3DMark06(総合)
3DMarkVantage(総合)
FINAL FANTASY XI Bench3(HIGH)
FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼアではない旧Ver.(1280)
モンスターハンターフロンティア ベンチ3(大討伐)
ファンタシースターオンライン2 旧Ver.1.00
きゃらコレ!ITちゃんダンシングベンチマーク
CINE Bench R11.5(OpenGL)
CINE Bench R15(OpenGL)
GPU関係のベンチスコア表1
APUの得意分野のGPU関係のベンチです。ただC-70はCPU部が足を引っ張ることと、GPUクロック自体も低いのでそれなりの結果です。しかしながら、3DMarkBantageやFF11ベンチではCeleron847に追いついていますね。だからと言って、ゲームに不向きなのは言うまでもありません。
5.GPU関係のベンチ2
比較的新しいゲームのベンチです。
各グラフはC-70を100%としたときの相対性能です。ベンチマークのスコアは表にまとめて記載しています。
FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア ワールド編(1280)
FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア キャラクター編(1280)
ファンタシースターオンライン2 Ver.2.00
ドラゴンクエスト10(1280)
GPU関係のベンチスコア表2
全て動作困難なスコアです。ドラクエベンチでは解像度を下げてもあまり改善が見込めませんと言われました(´;ω;`)・・・
6.消費電力
消費電力の比較です。エコキーパーを使って測定しました。
80Plusに無縁な安物電源や3.5インチHDDを搭載しているので全体的に高めです。
残念ながら、期待したほど消費電力は低くありません。このマザーはデフォルトでC6ステートが無効になっているのですが、有効にしても特に変わりませんでした。
特にアイドル時がSempron2650に比べるとかなり高めです。ひょっとしたらAPUはTDP9Wであってもチップセットがそれなりに電気を喰うのかも知れません。ロードとアイドル時の消費電力差は非常に小さいのでC-70のTDP自体は低いと考えて良いと思います。
7.APU温度
HWMonitorで計測しました。ASRockのユーティリティはこのマザーに未対応でした。(その割にこの機種のダウンロードページに置いているんですよね・・・)
左がCPU、右がGPU部分です。(UEFIではCPU側の温度しか読めません)
・アイドル時:34℃ / 43℃
・Prime95時:39℃ / 56℃
・Prime95+FF14ベンチ時:40℃ / 58℃
■CPU-ZとGPU-Z
CPU-Z
アイドル時はCPUクロックが800MHzまで下がります。TC時は1.33GHzまで上がりますが、一瞬だけであり継続的に負荷がかかる場合はほとんどが1GHzで動作します。
GPU-Z
GPUクロックは276~400MHzで動作しているようです。
■総評
結構、ズタボロなコメントを書きましたが、 ネットサーフィン、動画・音楽鑑賞、Officeアプリを使っている分には特にストレスを感じないですよ。むしろ、親父が使うPCはこれで十分じゃないかと思うくらいです。
タブレットの操作が苦手だけど、ネットしたい人とかには良いかも知れません。
【良い点】
・高負荷時の消費電力は圧倒的に低い。
・現行品のAPU/CPU搭載マザーの中では最安クラス。
・意外と実用に耐える。
【悪い点】
・絶対性能が低い。
・このマザーではアイドル時の消費電力がKabiniより高い。
・ディスプレイ出力がD-SUBしかない。
ライトユーザーには必要十分かも知れませんが、普通に組むならCeleron1820やA4-4000クラスのCPUを使うのが妥当ですね。C-70はあくまでも判っている方が割り切って使うAPUといった印象です。
■その他のレビュー
KabiniことSocketAM1のAPUについて大量にレビューしていますので、興味のある方はご覧ください。
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購入金額
6,980円
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購入日
2014年04月26日
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購入場所
PCワンズ
カーリーさん
2014/04/27
Kvartさん
2014/04/27
CR-Xさん
2014/04/27
ふっけんさん
2014/04/27
DVIかHDMIが無いとHD動画再生用としてもイマイチですよね・・・
ふっけんさん
2014/04/27
いや、C-60とC-70の比較用にどうぞw
一応、内蔵GPUの名称が6290→7290に進化していますよ。中身は知らんけど(^^;
ふっけんさん
2014/04/27
Catalystドライバのインスコに40分以上かかった・・・多分、.NETのフレームワークがインストールされているのでしょうけど・・・遅いorz
現在、SP1とドライバのインスコが完了し、Windowsアップデート中です・・・
CR-Xさん
2014/04/27
Win7だとOSのビデオドライバ古いでしょうから、Catalyst入れがあるのかあ、updateも溜まってるしなあ。.NETフレームワーク必須になってからCatalystは使い難いですよね。
>私はE-350のオーディオPCはWin8.1にしたので、OSに用意してあるドライバで済ませてます(汗
ふっけんさん
2014/04/28
ASRockのローエンドはディスプレイ出力がアナログ一択のモデルが多いですね。Catalystは確かにフレームワークが必要になってからは重くて嫌いですね。解像度の設定だけ行ったら表示しないようにしています。
サービスでcccを無効にしても良いんですけどね(^^;
今、ベンチ中ですがベンチがはじまるまでの時間がかなりかかります・・・orz
CR-Xさん
2014/04/29
後は消費電力かな?
電力あたりの能力は捨てた物では無いのかもしれない。
ふっけんさん
2014/04/29
むしろ、今、Pen4-3GHz+Win8.1で使って居る私にとっては入れ替えてやろうかと模索中・・・ただ、ライセンスの入れ替えが面倒なのでOffice365のレビューが終わってからですねw
CR-Xさん
2014/04/29
AMDx4コアの第二世代で期待してた(私的に)のが今やっと…
ともあれ、お忙しいレビューの合間にフルレポート作成ご苦労様でした。
ふっけんさんのは環境揃えた得難い情報ですよ!
ふっけんさん
2014/04/29
KabiniはチップセットもAPU上に組み込まれているので有利でしょうね。価格差もあまりないし、グラフィック性能はKabiniの方がずっと高いのでそちらを使った方が幸せになれるでしょうね。
しかし、こうなるとCeleronJ1800/1900も試してみたいですね(;=゚ω゚)=333
jakeさん
2014/04/30
アプリの起動が遅かったですね。
動き出せば、そこそこなんですが。
ものすごく割り切りの求められる性能みたいですねえ。
ふっけんさん
2014/04/30
C-50はC60からTurboクロックを無くしたものですね。
CPUの性能だけだとCeleronMと争うレベルかも知れないですね。