※2年前にconeco.netに掲載した内容です
良く冷えると噂の Phanteks製 CPUクーラー PH-TC14PE OR のレビューです。
半年以上買おうかどうしようか迷った末に Amazon USAをポチっとしてしまいました。
円高のおかげで非常に安いです。
本体が84.99$ 送料込みでも100.31$(8426円でした)
購入するに当たって悩んだポイントは
・でかい
・正規輸入では無い
・どーやっても手持ちのケースに収まらない
という点でしたが、色々な意味でやっちゃいました。
まず、商品スペック詳細は下記URLをご参照ください。
http://www.phanteks.com/01/PH-TC14PE.html
サイズがデュアルファンで 159 x 140 x 171mm (LxWxH)
と納めるケースを選ぶサイズになっています。
重さも約1.2Kgと重量級ですが、取り付けは非常に簡単です。
レビューを上げるのに下記構成で検証をしました。
<PC構成>
【CPU】Intel Core i7-3820
【M/B】ASRock X79 Extreme4-M
【CPUクーラー】Phanteks PH-TC14PE OR
【CPUクーラーFAN ※3枚目】ENERMAX T.B.VEGAS TRIO UCTVT12P
【メモリ】G. SKILL F3-14900CL9Q-16GBZL (DDR3-1866 4GBx4)Quad-Channel (4Gx4=16GB)
【ビデオカード】Palit GeForce GTX 670 JetStream 2GB OC (NE5X670H1042-1042J)
【SSD(システム)】OCZ Technology Agility 3 120GB (AGT3-25SAT3-120G)
【HDD(データ)】SEAGATE ST1000DM003 (1TB SATA600 7200)
【電源】HEC COUGAR GX(V2) 800W/80PLUS GOLD (HEC-GX800V2)
【ケース】IN WIN Dragon Slayer (IW-BR661)
【取り付け】
私の場合はX79のマザーボードに最初から付いているバックプレートに下駄を履かせて
本体をポンっ と付けるだけの簡単設置です。
取り付けのしやすさは非常に良く考えてあり、サイズのグランド鎌クロスを取り外す方が大変でした。
特殊な工具も必要なく、15cm以上の長さのプラスドライバー一本で付ける事が出来ます。
【メモリとの干渉】
使用しているメモリはG. SKILLのRipjawsZで高さが40mmと然程高さのないものですし、
PhanteksホームページのCompatibility Listでも問題なく使用できますと書いてありましたが落とし穴がありました。
メモリからヒートシンクまでは約48mm位までの高さのメモリまでなら入れる事が出来そうです。
しかしながら、これにファンを装着すると、ファンの位置をヒートシンクの中心に置く事が出来ませんでした。
高さが40mmのRipjawsZですら干渉してしまい、ファンを上に上げるか、少し浮かせてメモリに被せるかしないと装着が出来ません。
これは私のM/BがM-ATXだからなのかもしれませんが、設置状況としては画像をご参照ください。
メモリの上に上げてファンを装着すると、ヒートシンクからファンが約23mm浮き上がります。
Phanteksのロゴが刻印されている部分はフィンより約5mm高くなっており、ファン付属の電源ケーブルがスリーブ化してあり見た目は非常に良いのですが、とてつもなく硬い為ここでも5mm浮き上がってしまいます。
頑張ってひん曲げれば何とかなりそうですが、私の環境ですとスペック上PH-TC14PEの高さが171mm
なのに対して、181mmになってしまいました。
購入を検討している方はケースの空きスペースを良く測ってから購入する事をおススメします。
【ビデオカードとの干渉】
一段目のスロットに差して使う事を躊躇わせる位ギリギリです。
一段目に置けなくも無いのですが、ファンクリップがビデオカードの基盤に当たりそうで当たっていない状態です。
ちょっとした揺れや振動で当たりますので絶縁処理を考えた方が良さそうです。
私の場合は特にビデオカード以外差していないので安全を取って2段目に差しています。
この部分の干渉は、グランド鎌クロスの時は1段目にすら差せなかったので幾分マシです。
【騒音】
メーカースペックでは回転数を PWMアダプター装着で 700 – 1200 RPM ± 10% とありますが、
私の環境では 900 - 1350程度でしか変更できませんでした。
実用域では1000回転前後が騒音もほとんどなく、それ以下に下げても大して音も小さくなりませんし、それ以上に上げてもほとんど温度は変わりませんでした。
付属ファンの最大回転数1350RPMになると爆音としか表現の出来ない音になります。
サイズの14cmファン風丸2の1350RPMと比べても爆音です。
風丸2の最大値で約1800RPMにした騒音と比べても爆音で、ネジ止めでなくクリップなのでそこからの共振音も含んでいるのか、ともかくすごい音です。
体感的には電子レンジのファンの音とほとんど一緒です。
かなりの爆音です。(大切なことなので繰り返しました)
ヒートシンクが優秀なのかファンの回転数を上げても温度の変化はあまりないのですが、静穏パソコンを目指している方はこの商品は辞めた方がいい事は間違いないかと思います。
【温度について】
温度の計測はソフト読みですので正確ではありません。
参考程度に考えてください。
使用ソフトは
OCCT4.3.1
HWiNFO64 v4.10-1820
を利用しました。
比較用のCPUクーラーとして、サイズ/グランド鎌クロス リビジョンB(SCKC-2100)を使用します。
PH-TC14PEの3枚目のファンとしてENERMAX T.B.VEGAS TRIO UCTVT12Pを利用します。
また、グリスは付属のダイヤモンドグリスではなく、比較用グランド鎌クロスに使っていた
サイズ/GELID GC-EXTREME を使用します。
鎌クロス・最高温度・カレントとの温度差|PH-TC14PEファン2枚|PH-TC14PEファン3枚
CPU3.6GHz ・65℃・32℃差|2fans 1050RPM 59℃・27℃差|3fans 1050RPM 58℃・26℃差
CPU3.6GHz・・・・・・・・|2fans 1350RPM 60℃・27℃差|3fans 1350RPM 59℃・28℃差
CPU4.4GHz ・70℃・38℃差|2fans 1050RPM 65℃・33℃差|3fans 1027RPM 63℃・30℃差
CPU4.4GHz・・・・・・・・|2fans 1350RPM 65℃・34℃差|3fans 1283RPM 67℃・35℃差
上記のような結果になりました。
グランド鎌クロスと比べて 約5℃温度が下がっていますが、IN WIN Dragon Slayerのサイドパネル改造前の4.4GHzではさらに3℃低い62℃前後でした。
この数値はサイドパネルは閉める事が出来なかった状態の物です。
正直想定していたよりも冷えていないのか、想像以上にグランド鎌クロスが冷えていたのかはOCCTの時間を5分ではなく一時間位に長くして、再度検証してみたいと思います。
特筆すべきポイントは、ファンを3枚にしても2枚とそう大差のない結果が出た点になります。
Phanteksの同じファンで3枚揃えてやった訳ではないので、必ずそうなるかどうかは不明ですが、
回転数を300回転高くしても、ファンを追加して3枚にしてもほとんど温度に変化がりません。
また、CPU100%の状態で温度が65℃前後の所からカレントの30℃前後へは 1分30秒位で下がって行くのに対し、グランド鎌クロスでは 約2分 かかっている所等は、放熱性が非常に高いのではないかと思います。
【総評】
概ね満足の行くCPUクーラーになりますが、正規輸入ではない保証の点で星4つの評価をいれました。
日本でも正式に輸入して保証が付くようになれば、星4.5といった所になります。
満点にならない点としては、PMW制御をしない場合の1300回転前後の爆音です。
変わった形のファンですが、常用で使える範囲の1000回転前後の騒音がもう少し静かなファンになれば良かったかなと思います。
取り付けは文句なしに簡単で楽ですし、挟み込み型のヒートシンクはフィンとフィンがよれてくっついてしまうような事もなく、正にバイクのラジエーターの様なカッコよさがあります。
このクラスのCPUクーラーで、水冷や簡易水冷を選ばない方であれば基本的に爆音なのは然程気にならないかと思いますので買って後悔はしないクーラーだと思います。
※本文にCPUのオーバークロックの表記がありますが、保証が受けられなくなる場合がある事がありますので自己責任でお願いします。
-
購入金額
8,426円
-
購入日
2012年12月11日
-
購入場所
USA amazon
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。