組込用途や小型PC向けの、Tシリーズに属するCore-i5の一つ。
TDPは35Wと非常に低く、性能の割に低発熱なのが特徴。
ただ、生産数が少ないことや、入手手段がバルクに限られることから、入手性が非常に悪い。
値段も性能の割に高額で、常時稼働などで消費電力を抑えたいとき以外、余り推奨出来る製品ではないのだが、ホームサーバーやHTPCを構築する際には魅力的な選択肢となる。
今回、こいつを買った理由は、Z87-Plusのレビューでも書いた通り、自宅のストレージサーバを更新するためだ。
元の性能には一切不満は無かったが、以前からどうしても気になっていたことがあり、その目的だけのために、マザーボードごと更新へ踏み切った。
その気になることというのは、このHP Smart Array P420の性能が、元の構成では完全に出ていないのではないか、という疑問である。
P420はPCI-Express GEN3x8に対応する、現行でも最速級の性能を持つRAIDカードだ。
しかし、それを装着しているP8-Z68 Pro/GEN3と、i5-2500Tの組み合わせでは、PCI-ExpressはGEN2までの対応となってしまう。
要するに、GEN3x8(16GB/s・双方向)が、GEN2x8(8GB/s・双方向)と、本来カードが要求する帯域の半分しか出ていない状態では、その実力は発揮されていないのではないか?
この疑問を解消するだけなら、P420をメインPC(X99)環境へ繋げば済む話だったが、どうせなら更新も一緒にやってしまうほうが、私の精神衛生上好ましい。
そういう訳で、殆ど性能的には2500Tと大差ない(CPU Brosでの評価は、GPUを除くと全くの同一スコア)であるCPUをお買い上げしたのだった。
ただ、その効果はあった。
GEN3x8環境下での、キャッシュ速度テスト
GEN2x8下での、キャッシュ速度テスト
ご覧のとおり、圧倒的な差が出たのだ。
GEN2下でも十分速いっちゃ速いのだが、GEN3環境下では倍近いシーケンシャル速度を叩き出しており、明らかにカード帯域は不足していたことが判る。
この為だけに、マザーとCPUを入れ替えるなど、正直かなり無駄な出費と言えるし、どれだけRAIDカード側の速度が上がろうが、ストレージの速度やLANの速度が追いつかないので、速度強化による恩恵は、ベンチマークでしか確認できない。
・・・・まあ、いいじゃないか。やってみたかっただけだけど、一応結果出たし。
ちなみに、性能はともかく、TDP35Wの割に発熱は大きめ。
簡易水冷で冷やしているが、OCCTなどでターボブーストを連続状態にすると、割とあっさり50℃を超えてくる。
ブーストが終わるとガクンと温度が下がるので、中間以下の動作時ではかなり高効率なCPUのようだが、トップスピードを維持するような動作は苦手な模様。
CINEBenchの結果は、i7-3720のおよそ半分強。
クロック差などを考慮しても、Ivybridge系列とIPCに大差は無さそう。
それでも、10w低いTDPでsandybridge世代の省電力4コアと同等スコアを叩きだせることを考えると、それほどコスパの悪いCPUというわけでも無い。
ただ、省電力と言いながらターボ動作時の発熱が割とピーキーなので、熱対策はしっかりしないと不味い感じ。
OCCT結果を見る限り、明らかにヒートスプレッダのところで熱だまりしているようなので、出来れば殻割ってリキプロ突っ込みたい所なんだけど、入手性が悪い石なので躊躇。
何か危険度の低い割り方とか無いもんですかね。
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購入金額
14,200円
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購入日
2015年07月06日
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購入場所
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