一応NEC純正のオプションとして用意されていたSIMMの最大容量が64MBであり、スペック上はそれとほぼ同じものとなっています。
当時のメモリーモジュールとしては珍しいヒートスプレッダー付きですが、これは特にオーバークロックなどを目的としているわけではなく、普通に使っていてもヒートシンク無しでは危険なほどに発熱が大きいためです。
大きさは通常のSIMMと特に変わらないのですが、採用しているDRAMのチップは16Mbit(=2MB)であり、1枚当たり64MBのSIMMを作るためには、それだけで32個のチップを実装する必要がありますし、ECC付きモジュールであるためパリティビット分も含めると1枚のモジュールに搭載されるDRAMチップは合計36個にもなります。
さすがにこれだけのチップ数を使ってしまうと電源ラインへの要求もシビアになるようで、このメモリー2枚だけであれば何とか正常に動いても、他のSIMMと組み合わせると途端に不安定になり、メモリーエラーを多発するという事例が至るところで報告されていました。ましてやこの製品を4枚挿してしまうと、長時間安定して動作する本体の方が稀だったものと思われます。
私も一時期PC-9821Ra333/W60で使おうとしていたのですが、結局動作自体が極めて不安定であり、実用に耐えるものではありませんでした。このPC-9821Ra333/W60に64Mbit DRAMチップを採用した1枚64MBのSIMMを挿せば特に問題なく動作するわけですから、本体側がおかしいというわけでもなかったようです。
逆にPC-9821Rv20/N20(電源強化済み)にこのEMH-ET128Mを挿したときには、こちらも特に問題なく動作したわけで、メモリーへの電源供給に余裕があったか否かで変わっていたようです。
DRAMチップの基板への取り付け方もある意味芸術的なレベルであり、よく製品化したなと正直思っていました。今使うのなら、間違いなく64Mbitチップ採用品の方でしょうけど…。
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購入金額
0円
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購入日
不明
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購入場所
ふっけんさん
2014/02/17
32MBでも高かったので断腸の思いで数組購入しました。
SIMM時代のPCではWin95ばかり使っていたので128MBあれば十分幸せになれました。
私の場合98では無くてAT互換機の430HXマザー等ですけどね(^^;
jive9821さん
2014/02/17
PC-9800系だとメモリーチェックが遅いので、あまりメモリーを積み過ぎても快適性が損なわれたわけですが…。