HDDという製品は、性能以外の差異というのが判りにくい代物である。
耐久性とか速度とかがランク別になっている以外、どのメーカーでも大体似たような性質を持っており、特殊な事例としては不揮発メモリを搭載したSSHDなんてものもあるが、それらを除けば極端な性質の製品は余り無い。
だが、こいつだけは例外。
SSDとHDDを一つのドライブに纏め、それを「別々のドライブ」として利用できるという、ある意味変態属性全開の製品が、このWD Black2だ。
以前、プレミアムレビューで取り上げられた製品なので、覚えている人も多かろう。
一般的な2.5in-HDD(9mm厚)スペースに、速度に優れるSSDと、大容量HDDを纏めて搭載出来るということで、一部のノートPCユーザーにとっては垂涎の品となった。
・・・・・まあ、私が積むのは
こいつなんですけどね。
このケース、HDDを別途積もうとすると5インチベイ下部を潰さないと駄目な上に、適当な空きドライブがこれしかない&俺んち、9㎜厚ドライブ積めるノート無い。
そういう訳で、デスクトップPCに積むという非常に勿体無い事をする羽目に。
製品コンセプトを完全無視だけど、しゃーないね。
SSDとしては平凡だけど、必要十分。
この製品、7㎜厚のHDDの背にSSD基盤を載せ、SATA基盤でDualDrive化するという非常に変わったコンセプトを持っている。。
一番下の薄い板の部分がSSD基盤で、その上にネジでマウントされている黒い部分がHDD。
その更に上にある厚めの基盤がSATAコントローラー基盤。
HDD基盤の真下には一か所だけ長方形の穴が開いており、そこを介してSSDとSATA基盤がコネクタで接続されるという、非常に変態的な構造をしている。
ちなみに、この両者は基本的に「マザーボード側からは、一つの繋がった容量のドライブ」として認識されるようになっている。
出荷状態ではSSD128GBだけが認識するようになっているが、これはあくまでパーティション情報をSSDの容量分だけ最初っから確保してあるだけで、実は一度OS上でHDD側まで認識させた後、ドライブ情報を削除すると、1.12TBという中途半端な容量のドライブに化ける。
本来、この認識で使うことは考慮されていないのだが、やろうと思えばMacでいうところのFusionDrive的な運用も可能だ。
もし、間違ってその状態にしてしまった場合でも、WDのサイトからWD Black2 installerをDLしてインストールすれば、元通りのDualDriveとして利用出来る。
さて、細かい製品概要とかは、プレミアムレビューで山ほど情報載ってるから、そっちを参照頂くとして(手抜き)、AMD A88環境での速度テスト。
正直、SATA6G対応SSDとしては余りパッとしない性能。
とはいえ、HDDと比べれば段違いに高速なので、OSの起動速度や体感速度に不満点は余り無い。
ちなみに、SSDコントローラーは "JMicron JMF667H"で、DDRキャッシュはDDR3-64MBと、トラセンドのSSD340-128Gと全く同じ構成で、ベンチマーク数値もほぼ同様。
こっちは、HDD側のベンチマーク結果。
2.5inのHDDとしては標準的な速度と言えるが、このドライブとSSD側との間でのデータコピー実測値と殆ど同じ結果なので、SATAを共用していてもドライブ間速度はきちんと確保出来ているようだ。
ドライブベイの少ないPCなら、デスクトップでも有益・・・だが
ドライブのコンセプトからして、ノートPC以外での利用は正直勿体無い代物だが、ドライブベイが少ないPCで、速度と容量を両立させるという点ではデスクトップでも有益な製品と言える。
無論、価格帯を考えるとSSDとHDDを別途購入するより5千円近くも割高なので、積極的にデスクトップへの搭載に使うべき製品じゃないのは確か。
やはり、この製品を積むに相応しいのは、HDD搭載のノートPCなんだろう。
当たり前の結論ではあるけど。
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購入金額
0円
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購入日
2015年10月05日
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購入場所
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