河合奈保子といえば、1980年代人気のあったアイドル歌手。ふっくらとかわいらしい容姿と、当時のアイドル歌手としては十分安定した歌唱力で人気を博した。歌うのみならず、活動後半は自ら曲を書く才能も見せた。芸能人の私生活にはあまり興味がないので知らなかったが、20世紀末に結婚、現在はオーストラリアに居住しているらしい(結婚相手は日本人なのだが)。
で、それから既に10年余り時が経ち、彼女の子供が音楽フィールドに立った。
kaho、2014年2月現在15歳。生まれは日本らしいが、育ちはオーストラリア。デビューMaxiシングルに含まれる3つの曲全ての作詞作曲を手がける(全6トラックだが他はリミックスやカラオケ)。
歌唱力がある、とか、宇多田ヒカルの再来、とかの触れ込みなので聴いてみた。
「Every Hero」。フジテレビ系のドラマ「ミス・パイロット」タイアップ曲。もっと洋楽系の曲で出てくるかと思ったが、けっこう王道歌謡曲。母親が活躍した1980年代の(今で言う)J-POPの造り。サビのラインだけ、少しクロっぽさが入り、宇多田ヒカルっぽくなる。英単語の発音も確かだし。ただ母親のきらびやかな高音を伴う歌声とはまるで違う低い音域の問題か、スピードの問題か、日本語の歌詞で「口が開ききっていない」感じで、特に「a」の発音が曖昧母音のような「o」と「e」が混じったような、少しくすんだ発音になるのが残念。
「Strong Alone」。これはイイ!彼女の歳と容姿から想像するよりはるかに低い声が、1曲目の「Every Hero」では「キレ」の悪さにつながったが、ややスローなバラード系のこの曲では、「口をあけるのに十分な時間がある」のか、あまり気にならない。
全編英詩の「Victory」はバブル期に一時はやった、「外人が映画やTVの主題歌を歌う」といった風情。ヘヴィな感じのミドルテンポの曲で、発音はさすがにイイ。1曲目とほぼ同じ音域だが、重くくぐもった感じになるのではなく、ハッキリとしているのは、一番なじんでいる?英語の曲だからか。それとも子音が多い言語の特徴か。
前評判と違って、cybercat的には「こなかった」。音程はしっかりしているし、曲も単体で聴く分には×ではないのだが、なんか「若さ」が感じられないンだよね。外国人が日本語の歌詞の曲をやや片言交じりで歌う、というのは珍しくないし、近頃では合成音声の曲
というのも一ジャンルを築いているので、決して「明瞭な発音でなければ認めない」というわけではないんだけれど...自作の曲なので、製作側の押し付けではなく自分の趣味なのかもしれないけれど、むしろ2曲目のような路線と音域(もしくは2曲目のような発音が出来る曲調)で押した方が良いように思う。
名手の子全て名手、であるならばその他のひとは浮かばれない。でも恵まれた環境で育った子が親を乗り越えるくらいの活躍をすることも確かに、ある。
この卵は孵るのか孵らないのか、もう少し様子を見てみたいと思います。【収録曲】
1. Every Hero
2. Strong Alone
3. Victory
4. Victory-Kid Massive Remix-
5. Every Hero-instrumental-
6. Strong Alone-instrumental-
「Every Hero」
kaho Official Web
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購入金額
1,260円
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購入日
2013年12月15日
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購入場所
山野楽器
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