新山詩織、17歳。アルバムはまだ、ない。(2014年2月現在)メジャーシングル4枚目。ギターを弾き、歌う。シンガーソングライター...と言っても、他者楽曲も歌うし、カバーもあり、また作詞のみを手がける曲もあって、まだ完全には確立しきっていない。でも彼女の書く詞、歌い方、素直なギタープレイ、ジャケットの手書きのイラスト...彼女の年代の感性のユレが震えが視え、聴こえ、とても新鮮。そんな彼女の3rdシングル。1枚目、2枚目とタイトルソングに自ら作詞作曲した曲、カップリングにカバーソング、としてきた来たが、3枚目は自作の詞にEvery Little ThingやDo As Infinity、水樹奈々などにも楽曲を提供する吉木絵里子が曲をつけたタイトルチューンと、奥田民生の約20年前の名曲「イージュー★ライダー」がカップリングされた。
デビューから一貫してサウンドプロデュースを手がける笹路正徳
のアーコースティックな音作りと、彼女の「生の」声が合わさり、とても素晴らしい。
笹路の盟友土方隆行のカランとしたギターのアルペジオからはじまる「ひとりごと」。デビュー当時の絢香を彷彿とさせる、少しハスキーで、でも声の消え去り際の震えが印象的な声で彼女の心情が歌われる。♪もう戻る事の無い/昨日に未練を残して/頼りない姿の/明日の空に/叫び続けてる/ひとり/砕けた心を/いま/拾い集め歩くの/きっと/いつか落とした涙/見つかるから/壊れそうな夜の片隅/息を吐いた♪笹路のブルースハープのラインが切ない。
2曲目は恒例の?カバー。今回は奥田民生の名曲「イージュー★ライダー」。もう20年近く前の曲(詩織の生まれた年らしい(°°))。歌詞のなかにある「僕ら」というフレーズがあまり浮いていない太い声で詩織が歌う。バックもよりラフな、ライヴな、ラウドな録音でバンドサウンド!
「ひとりごと - instrumental」はいわゆるマイナスワントラックで、当然詩織の声は入っていないので普通なら紹介しない。ただリズムマシンのリズムに土方のエレキのアルペジオが入り、名手美久月千晴のステディかつグルーヴィなベースが支えて始まり、歌が始まる部分でドラムスがバラー丼
でも上手いドラムを聴かせた河村“カースケ”智康にすり替わり、その後サビに雪崩れこんでいく構成が良く判る。単なるマイナスワントラックで聴き応えがあるのは珍しいが、これはマル。
彼女の好きなアーティストが斉藤和義だったり、椎名林檎だったり、カバーしているのが今回奥田民生だったり、前回がTHEATRE BROOKの「ありったけの愛」
だったりと、cybercatが聴いてきたアーティスト達。
そんなアーティストに影響を受けた彼女からまた感動をもらう。音楽のつながり、人のつながりを感じさせる作品です。
【収録曲】
1. ひとりごと
2. イージュー★ライダー
3. ひとりごと - instrumental
「ひとりごと」
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購入金額
1,050円
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購入日
2013年12月15日
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購入場所
山野楽器
きっちょむさん
2014/02/02
それと、この若い時期しか歌うことが出来ない感情の声が面白い。
不安定というか、ある意味自信なさげなんだけど、芯があるような。
cybercatさん
2014/02/02
>良い声ですねー。
「美声」とは違う味がある声ですよねー。
>それと、この若い時期しか歌うことが出来ない感情の声が面白い。
>不安定というか、ある意味自信なさげなんだけど、芯があるような。
きっちょーさんもそう感じましたか。
そういう意味では今が旬、で、この後彼女が歌を続けて「上手く」なっても、この「瞬間(とき)」の絶妙さは得られないかもしれない。
彼女がこの後どう時を紡いでいくのか、楽しみでもあり、怖くもあり。